2012年1月04日


太田理事長 新年のご挨拶


 
 今年も新しい年を迎えました。

 昨年は東日本大震災という未曽有の災害が発生しました。多くの生命が失われ、そして住居、雇用はじめ生活基盤が壊滅的に打撃を受けられた被災地の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 今なお被災者の方々が生活再建の緒にもつかない現状では、私たちもとてもお屠蘇気分を味わうことはできません。

 多くの公益法人、特定非営利活動法人、ボランティア団体などの市民社会組織は、今年も知恵と力を振り絞ってこの大きな課題に取り組んでいくことが望まれています。地域の再建はもちろん行政の責任と役割が基本でありますが、地域の市民が主導し、そして全国の市民社会組織が、それぞれの持ち分でこれに協力支援することも極めて重要です。

 ヨーロッパの財政危機に端を発した世界的経済不況に加えて円高、タイの大洪水などの影響を受け、日本はこの点からも今苦境に立たされています。公益法人など市民社会組織の運営についても今年は、少なからず困難を伴うものと予想されます。

 かてて加えて、公益法人にとっては新制度への移行という大きな課題を抱えています。このところ申請件数が著増傾向にはあるものの昨年11月末現在で、全国平均では約70%の特例民法法人がこれから申請するという状況です。残された期間は2年を切りました。

 一般市民が理解不能とも言われる複雑な財務基準に多くの公益法人が悪戦苦闘されているものと思いますが、100点満点にまで準備するためには過大な事務負担やお金がかかり、肝心の本来の事業遂行がおろそかになることさえ懸念されます。

 このように移行作業で公益法人が疲弊することを決して政府も望んでいないと思います。ある程度の形が整えば、早期の電子申請に踏み切っていただき、何か問題点があれば審査の段階で修正していけばよいのです。

 ご承知のように、特定非営利活動促進法が抜本的に改正され本年4月1日から施行されます。市民にとってより柔軟で簡便な制度・手続に改められ、寄附税制も大幅に拡充されます。古くから民間公益活動に重要な役割を果たしてきた公益法人もまた「新しい公共」を担う重要な一翼であります。会計など狭い専門的精緻さを求める移行審査が続けば「角を矯めて牛を殺す」結果になりかねません。

 行政庁にもより大きな大局感をもって審査に臨んでいただきたいことをお願いしたいと思います。

 終わりに、苦難と試練が続く日本の社会ですが、私たち市民社会組織は希望と勇気をもってこの新しい年を迎えようではありませんか。