外部役員等との責任限定契約についてお答えします。
① 登記の手続としては、まず定款に外部役員等の責任限定契約がある場合は、その定めを、そしてそれを前提として外部理事・外部監事である旨を登記することとなっています(一般法 §301②十二~十四、§302②十~十二)。従って定款に定めがあれば、登記前に理事会の決議が必要と考えていません。また外部役員かどうかは、一般法§115①で一義的に決まっていますので、それに該当する場合は、その旨を登記します。
② 責任限度額は、外部役員と個別に責任限定契約を結ぶときに、理事会で決定する事となります。
③ 当協会では対外的な契約は、「理事の職務権限規定」により、代表理事である理事長の名において、締結することになっています。
④ 定款自治の考えからすれば、有効とも考えられますが、契約というものは相手方の承諾が必要ですから、拒否されたときに問題が残ると思います。(逆に言えば、この契約を結ぶことを予め承諾した外部の人の中からしか、外部役員は選任できなくなります。)当協会では外部役員の意思で責任限定契約を結ぶかどうか決めることにしております。従って外部役員であっても、責任限定契約の締結は、その意思があるかどうかで分かれることになります。
当会は会員の福利厚生を実施している団体で一般財団法人を目指しております。
役員の損害賠償責任についてですが、下記の項目について教えていただければ助かります。
①就任依頼をする際どういった賠償責任が生じるかといった説明(文書等)の有無
②説明をされている場合はその内容
③公益法人向け役員賠償責任保険等についての検討の有無
役員就任を依頼する際、賠償責任についてどの程度までの説明責任があるか、又は、賠償責任が生じるケース等の例示についても現在調べております。
何かご存知あればご教示お願いいたします。
あねさん8976にお答えします。
文書を交付して説明をしているところもあるようですが、どちらかといえば、口頭で説明する方が多いのではないでしょうか。
なお、その内容、役員賠償責任保険の条件等については、このブログでは膨大な量になりますから、当協会の相談室でお答えしたいと思います。
相談室(050-8864-5293)に電話され、予約を取って面談されるのががよろしいと思います。
もし、遠方などでご来会が無理な場合、電話(050-8864-5292)でも相談させていただきますが、説明資料等をお送りするため,fax番号をお聞かせいただくことがあります。
いつも参考にさせていただいております。
当会は公益社団法人への移行を目指しております。
私も、上記8976であねさんが質問されていることに加えて、賠償責任に関する説明を行うタイミング(新たに理事・監事に就任いただく方には、就任依頼の際に説明すればよいと思うのですが、移行後も引き続き理事・監事に就任いただく方には、個別に説明する必要があるのか、または理事会で説明すればそれでよいのでしょうか。)についてお教えいただきたいのですが、お願いできますでしょうか。
tai様 9115に対するコメントです。
賠償責任に関する説明を行うタイミングには、決まったものはありません。貴法人のご事情にあわせて説明すればよいことで、認定申請なり認可申請のことを説明される理事会で説明されるなり、大変偉い人なのでそれでは失礼ということであれば、個別に説明されればよいでしょう。
要は、大事で徹底したい何かについて説明したいときに、貴法人でおやりになっている方法でよいのであって、賠償責任の話だからといって身構えることは必要ないように思います(単なる制度の説明と思えば気が楽になります)。
宜しくお願い致します。
当法人は一般財団法人への移行を検討している特例民法法人です。
第○条 当法人は、役員及び評議員の一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)第198条において準用する同法第111条第1項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、理事会の決議によって、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として、免除することができる。
2 当法人は、理事会の決議によって、外部役員との間で、前項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任を限定する契約を締結することができる。ただし、その契約に基づく賠償責任の限度額は、金10万円以上で予め定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。
上記のような責任の免除又は限定の規定を、移行後の定款に載せようか検討しておりましたが、この定め方ですと特に2項の外部役員の責任限定に関して、具体的に実際に責任を負わなければならない上限額が(特に、『ただし~』以下の記載によって)分かりにくいので2項を以下のように定めることは可能でしょうか?
2-B 当法人の外部役員の前項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任額の上限を金○○万円とする。
又は
2-c 当法人は、理事会の決議によって、外部役員との間で、前項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任を上限金○○万円と限定する契約を締結することができる。
どちらかと言えば、わざわざ責任限定契約を締結せずとも定款で責任限度額の上限が分かる2-Bをできれば採用したのですが、これらの定め方は、一般法人法に反してしまい不可能なのでしょうか?
御手数ですが、ご教授頂ければ幸いです。
ドライブ様 9484に対するコメントです。
結論から言えば、2-B、2-Cのように単に「賠償責任を上限金○○万円と限定する」という契約を締結することはできません。
法人法第115条(社団法人の規定ですが財団法人にも準用されています)第1項に「---定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする旨の契約を外部役員等と締結することができる旨を定款で定めることができる。」とあり、最低責任限度額を下回ることができません。この最低責任限度額がいくらかは法人法第113条第1項2号ハに外部理事の場合は年間報酬の2年分と定められております。
現実には外部理事は無報酬でしょうから0円×2年分=0円ですので結果的には金○○万円となるでしょうが、こういう定めをおくことはできません。
ちなみに責任限定契約は会計監査人とも締結できますが、この場合には違法になる可能性はかなりあります。
金10万円を上限とする<年間報酬300万円×2年=600万円
9484で質問させて頂いた者です。
ありがとうございました。
もう一つ確認させて頂きたいのは、条文の解釈の問題になると思いますが、9484のような責任の免除又は限定の定款規定が、評議員には適用があるのか否かということです。(どこかに明記されていれば恐縮です。)
『新公益法人制度移行はやわかり』p112によりますと、「なお、評議員については定款の規定による一部免除が認められていません。すなわち、総評議員の同意によってのみ全部または一部が免除できます。」とありますが、評議員について免除に関係する最低責任限度額というものはあるのでしょうか?また、責任限定契約は締結できるのでしょうか?
宜しくお願い申し上げます。
ドライブ様 9582に対するコメントです。
役員等の損害賠償責任の規定は評議員にも準用されています(法人法第198条)。
ここで留意すべきは読み替え後の第111条が「理事、監事若しくは会計監査人(以下「役員等」という。)又は評議員は、その任務を怠ったときは、--」と役員等と評議員が区別されていることです。
そして、読み替え後の第113条(責任の一部免除)の規定及び第114条(責理事会による免除に関する定款の定め)の規定は「役員等」に関する規定になっており、また読み替え後の第115条(責任限定契約)の規定は外部役員等に関する規定で、いずれも評議員は対象外となっております。
評議員は読み替え後の第112条「前条第一項の責任は、総評議員の同意がなければ、免除することができない。}によるほかありませんが、この免除については「最低責任限度額」の定めはなく、全額まで免除できます。
当協会の法令集には読み替え規定ほかガイドライン、FAQも1冊にまとめられています。お暇な折に読み替え規定等を確認いただくのに便利です。
一般法第115条(責任限定契約)の外部役員等との責任限定契約についてご教授ください。
貴会定款第40条第2項において「この法人は、外部役員との間で、前項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には賠償責任を限定する契約を、理事会の決議によって、締結することができる。ただし、その契約に基づく賠償責任の限度額は、金10 万円以上で予め定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。」となっております。
ここで質問ですが、
①「理事会の決議によって、締結することができる。」としておりますが、一般法上では、理事会の決議は求めていない(一般法第115条の規定については、一般法第90条第4項の理事へ委任できない事項には含まれていない。)と思われますが、定款であえて理事会の決議を必要とした場合の具体的な手続きとしては、外部役員等の登記前に、外部役員等と責任限定契約を締結する旨の理事会の決議が必要なのでしょうか。
②「賠償責任の限度額は、金10 万円以上で予め定めた額」の“予め定めた額”は、いつ、誰が決定するのでしょうか。
③ 外部役員等との責任限定契約については、代表理事の名において外部役員等と責任限定契約書を締結するのでしょうか。
④ 外部役員等との責任限定契約を締結“できる”規定ではなく、“(必ず)する”規定の定款は有効でしょうか。
※“できる”規定だと、第三者が登記簿を閲覧した際、はたして外部役員等と責任限定契約を締結したか不明瞭なので、“(必ず)する”規定の方がはっきりしてよいと思われるのですが・・・
(外部役員等のうち、Aさんとは責任限定契約を締結し、Bさんとは締結しないというこは出来るのでしょうか?)
10711のちりがみくんさんへ
外部役員等との責任限定契約についてお答えします。
① 登記の手続としては、まず定款に外部役員等の責任限定契約がある場合は、その定めを、そしてそれを前提として外部理事・外部監事である旨を登記することとなっています(一般法 §301②十二~十四、§302②十~十二)。従って定款に定めがあれば、登記前に理事会の決議が必要と考えていません。また外部役員かどうかは、一般法§115①で一義的に決まっていますので、それに該当する場合は、その旨を登記します。
② 責任限度額は、外部役員と個別に責任限定契約を結ぶときに、理事会で決定する事となります。
③ 当協会では対外的な契約は、「理事の職務権限規定」により、代表理事である理事長の名において、締結することになっています。
④ 定款自治の考えからすれば、有効とも考えられますが、契約というものは相手方の承諾が必要ですから、拒否されたときに問題が残ると思います。(逆に言えば、この契約を結ぶことを予め承諾した外部の人の中からしか、外部役員は選任できなくなります。)当協会では外部役員の意思で責任限定契約を結ぶかどうか決めることにしております。従って外部役員であっても、責任限定契約の締結は、その意思があるかどうかで分かれることになります。
RE10736
鈴木専務理事様早速のご回答ありがとうございました。
要は「外部役員かどうかは、一般法§115①で一義的に決まる」ということなんですね。すっきりしました。