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2012年03月29日


貸金業の規制等に関する法改正へのパブリックコメントの結果等について(3/23・28)


 金融庁は3月23日「貸金業の規制等に関する法律施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について公表した(注1)。
 本パブリックコメントは、1月6日から2月6日にかけて実施され、意見募集を行ったものである。ここでは、72件のコメント(67の個人・団体)が集まった内、公益法人協会(公法協)が提出した意見を中心として、金融庁の考え方をまとめた(注2)。

 今回のパブリックコメントでは、一般法人へ移行する特例民法法人に、貸金業法の適用除外が適用されることになった他、曖昧であった事項が明確になるなど意義あるものであったと思われる。
 
 また、本パブリックコメントの結果に基づく政令の改正案については、3月28日付けで公布・施行されている。


◎貸金業法・保険業法共通

一の会社等の役員若しくは使用人が構成する団体又は一の国家公務員共済組合若しくは一の地方公務員共済組合の組合員が構成する団体について

公法協のコメント
  「一の会社等の役員若しくは使用人が構成する団体」「一の国家公務員共済組合若しくは一の地方公務員共済組合の組合員が構成する団体」には、一般財団法人が含まれうるのか。

金融庁の考え方
 一般財団法人は財産を構成要素とするものであるため、原則として「構成する団体」には該当しませんが、一般財団法人であっても、
1.定款において、適用除外の一の規定に該当する者のみを会員とする旨が明記されていること(他の参加者がその単一性・同質性を損なわない範囲内と認められ、かつ、少人数であれば問題ないものと考えられます。) 
2.定款の目的において、当該会員のために事業を行う旨が明記され、かつ、当該会員(保険については、その親族を含む。)のみを対象とする貸付・共済事業が定款に位置付けられていること
3.定款等において、当該会員の意思が団体運営に反映できる仕組みが明記されていること(例えば、評議員の選任方法として、評議員の過半数が、会員から選任される方法又は会員が選任する評議員候補者から選任される方法その他これに準ずる方法が考えられます。)
の要件が満たされているのであれば、法令に定める「構成する団体」に該当すると考えられます。


公法協のコメント
 「一の会社等」が、一の会社等として認識されうる要件を具体的に明らかにされたい。

金融庁の考え方
 一の会社等たる使用者とそれに雇用される労働者の間の密接な関係があることが法令上・社会通念上明らかであり、同一の会社等と雇用関係にある役職員相互間においても密接な関係を有するとともに、実体のある事業活動を行っているものが該当すると考えられます。


◎貸金業法

無利息の奨学金の貸付けについて

公法協のコメント
 ・「学資としての資金」の範疇に、幼稚園や保育園の児童又は幼児の保育料等も含まれると解するが如何か。
 ・「学生・生徒」の範疇に、一定の職業に就きつつ就学している社会人等も含まれると理解してよいか。

金融庁の考え方
 ご意見のとおりと考えます。


公法協のコメント
 利息について、「利息を付さないもの」とされるが、法令で定められている「みなし利息」の範囲を具体的に明確にされたい。

金融庁の考え方
 貸金業法第12条の8第2項に規定するみなし利息を参照下さい。


その他(注3)

公法協のコメント
 公益法人に含まれない移行一般社団法人等(改正案附則第20条第3項)については、本改正が行われることを予想できなかった旧主務官庁の勧奨等により、貸与型の奨学金を中止して一般法人に移行した法人もあることから、その法人等に対しても、適用されると解するが如何か。

金融庁の考え方
 (特に回答なし)

ただし、以下のように同趣旨のコメントに対しては、「金融庁の考え方」として回答されている。

コメントの概要
 現在の政令案では「移行登記の前日において、現に貸付けを業として行っていたものに限る。」とあるが、一般法人化すると貸金業登録が必要になると見込み、移行のため既に貸付事業を廃止した法人については、今回の措置の対象になる者との間に不均衡が出来てしまうと考える。これらの法人についても措置の対象となるようにして欲しい。

金融庁の考え方
 経過措置は貸金業法上の適用除外であった旧公益法人に設けられているとの趣旨に鑑みれば、「特例民法法人であった際に貸付事業を営んでいた法人で、一般法人へ移行した前日よりも前に同事業を廃止しているもの」と「一般法人に移行した前日に貸付事業を行っている法人」との間で異なる取扱いをする理由もないと考えられることから、前者についても、今回の政令案の対象とすることとします。(注4)

* なお、この金融庁の考え方によれば、すでに一般法人へ移行済みの法人にも、貸金業法の適用除外が適用されると読めるように思われるが、金融庁においては、一旦、一般法人へ移行済みの法人には適用がないとしている。


公法協のコメント
 「貸金業法の適用除外とすべきその他の事項の検討」として、今回の改正の対象となっていない下記の事項等は、その趣旨からいって貸金業法の規制に馴染まないものであり、早急に適用除外とすべく検討されたい。
A 返済努力が国民の向上意欲を増進させることが諸外国で立証されているマイクロ・ファイナンス
B 新しい産業や地域の振興を図るための実験的・社会的な企業創造資金の貸出し
C NPOバンクが現在貸金業法の枠内で実施している非営利の公益的社会事業への融資

金融庁の考え方
 「本件と直接関係しないコメントもお寄せいただいておりますが、これらについての回答は差し控えさせて頂いております」(注1参照)と、表書きにあるように、上記意見については回答されていない。

なお、これに関連して、以下のように公表されている。

コメントの概要
 「非営利特例民法法人」の要件を満たすNPOバンク等については、今回適用除外対象と同様、法の適用除外とすべきはないか。 

金融庁の考え方
 今回の措置は、公益法人制度改革に付随して貸金業法上の手当てを行うものであり、特例民法法人以外の対象は基本的に対象となっておりません。

 

(注1)金融庁ホームページ参照
  http://www.fsa.go.jp:80/news/23/sonota/20120323-1.html

(注2)公法協の意見書全文
 当協会ホームページTopics2月7日付け「貸金業の規制等に関する法改正への意見書を提出(2/6)」参照

(注3)「その他」の項について
 本項では、まず「公法協のコメント」とそれに対する「金融庁の考え方」を載せ、次に(本パブコメに寄せられた同趣旨の)「コメントの概要」とそれに対する「金融庁の考え方」を載せた。これは3月28日付の既報とは異なる。また、後者の「金融庁の考え方」に対しての*による説明の箇所は、既報では掲載していない。

(注4)「本政令改正案附則第20条第2項」参照
  http://www.fsa.go.jp/news/23/sonota/20120323-1/01.pdf