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2007年12月17日


与党平成20年度税制改正大綱発表、太田理事長ステートメント


与党平成20年度税制改正大綱発表を受けて

(財)公益法人協会 理事長 太田達男

 与党税制協議会の了承を経て、自由民主党による平成20年度の税制改正大綱が12月13日に発表され、我々公益法人にとって大きな関心事であった公益法人制度改革に関連する税制の全貌も明らかになった。


 その内容は、少子高齢化社会において、公益法人が担う民間公益活動の促進を期待し、併せて寄附文化を醸成するとの立場から、公益法人に対する国の支援姿勢を明確に打ち出したものとして、先ずは歓迎し、政治の決断とこの税制改革案に向けて尽力していただいた関係各方面に敬意を表したい。


 なかでも、公益目的事業に該当する収益事業の非課税、収益事業等から公益目的事業への繰入金の全額損金算入、ならびに寄附金についてすべての公益法人を現在の特定公益増進法人とし、併せて地方税、相続税の控除対象とするなどの寄附金税制の飛躍的拡充は、公益法人にとって民から民への資金パイプを拡大する大きなきっかけになろう。民の支える公益の実現という、今回の公益法人制度改革の大きな目標に向かって踏み出した第一歩としての意義は大きい。また、非営利性の強い一般法人についての一定の税制支援も、民間の多様な非営利活動を支援するものと評価できよう。


 一方この税制を実現させるため、新公益法人にかかわる認定基準が極めて厳しくなりつつある事実も指摘せざるをえない。抜本改革の基本的方向を裏付けた民間有識者会議報告書に始まり、国会における法案審議と両院付帯決議を経て、政・府令が公布され、現在公益認定等委員会のガイドラインが検討されているが、詳細の規律や解釈になればなるほど技術的な厳しさと難解さを増し、当初の改革の理念から遊離しつつあるのではないかと懸念する。一例を挙げれば、経理的基礎や収支相当原則の解釈、公益目的事業比率や公益目的事業財産の計算などである。


 民間公益活動における支援税制の拡大と規制強化は、ある意味ではトレードオフの関係にあることは理解できるものの、それにしてもここまでの厳しい事前規制が本当に必要なのだろうか。これでは、新しく社会貢献を志す一般市民はもとより、現存公益法人の多くも新公益法人への道を諦め、税制支援は劣るものの、はるかに自由な立場で活動の出来る規制の殆どない一般法人を心ならずも選択せざるを得ないことにならないだろうか。このような事態が起これば、それは果たして今回の公益法人制度改革の当初の理念に合致するものであろうか。


 今回の税制改革案そのものは、民間公益活動の拡大推進を支援する画期的なものである。公益法人側にとっても、単に新税制を画餅としてしまうのではなく、自主的で柔軟な民間公益活動を展開するために大いに活用してゆくことが是非必要と考える。そのためにも、社会貢献を志す多くの法人が萎縮することなく公益認定にチャレンジしてもらうことを側面的に支援すべく、公益認定等委員会の主導的役割に期待すると共に、当公益法人協会としても、公益法人制度改革の理念を実現するため一層の努力を払いたいと痛感する次第である。


  ■ 平成20年度税制改正大綱発表 - 新制度後の税制明らかに、画期的内容 寄附税制大幅前進 - をご覧ください。