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2006年05月26日


「公益法人制度改革関連3法案成立を受けて」(太田理事長)」


公益法人制度改革関連3法案が成立
太田理事長が所感
(平成18年5月26日)


 参院行政改革特別委員会(尾辻秀久委員長)は5月25日、行政改革推進法案、公益法人制度改革関連3法案、市場化テスト法案の5法案を賛成多数で可決、本日26日午前、参院本会議でも賛成多数で可決、成立しました。

 これを受け、公益法人協会・太田達男理事長は同日午後、公益法人制度改革3法に対する評価、今後の重要課題についてステートメントを発表しました。全文は後掲のとおりです。

 なお、参院行政改革特別委員会では、公益法人制度改革関連法案について7項目からなる附帯決議が採択されました。附帯決議の全文はこちらです。

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平成18年5月26日

公益法人制度改革関連3法案成立を受けて

財団法人公益法人協会
理事長 太田達男


 本日、公益法人制度改革3法案が参議院本会議で原案どおり賛成多数で可決、成立いたしました。政府による公益法人制度改革に関する本格的な検討が始まったのは、平成14年4月でした。以来4年の歳月を経て、新たな公益法人制度の法律が成立したということになります。

 与党3党プロジェクトチームが「公益法人の運営等に関する提言」を行ったのは平成8年のことでした。この提言から数えて今年はちょうど10年になります。民法で公益法人制度が規定されてからは、実に110年ぶりの大改革です。

 まずは国会審議に当たられました議員各位と膨大な法案作成作業に専念された当局のご努力に敬意を表するものです。

 当公益法人協会は、終始一貫民間公益活動を活性化させ、非営利公益セクターを大きく強いものにするためのものと、この改革を位置づけ、その観点から多くの民間公益団体や有識者の方々とともに制度の詳細にわたり、提言活動を続けてまいりました。当協会の活動を振り返り感慨を新たにいたします。

 さて、成立した公益法人制度改革3法案の評価ですが、とくに公益法人にとって中核となる公益社団、公益財団の認定等に関する法律は、主務官庁による法人設立の許可制と、設立後の指導監督という、いわゆる主務官庁制度を廃止するという点で、現行制度に比べ大きな前進といえるでしょう。

 公益法人はこれまで、さまざまな団体が110年にわたって公益活動を続けてきましたが、この法律のもと新制度になり、さらに民間の公益活動が活発になり、真の市民社会が実現することを期待してやみません。そういう意味で、本法律は今後の民間公益活動の礎となる法律ということができるでしょう。

 ただ、新公益法人のガバナンス等運営のルールや、認定機関と認定要件の設計については、市民の団体自治を極力尊重し、民間公益活動を活発化させようという視点からは、なお問題点や不十分な点があり、この法律が民間公益活動の礎となり、自発的な市民活動がさらに活発に行われるようになるためには、更なる対応策が必要です。

 今後の課題として、税制、公益認定等委員会、政・府省令の策定、公益信託制度の見直しの4点を挙げたいと思います。

 税制については、公益認定等委員会の認定を税制上もこれを尊重し、認定に連動して法人税制ならびに寄附税制両面から力強く支援することが必要です。

 昨年6月政府税制調査会の作業部会は、新たな非営利法人に対する税制についての報告書を発表しており、国会での政府側答弁でもこの報告書の内容を基本的スタンスとしております。どうかこの考え方を基本にできるだけ早く、世界にも誇ることのできる立派な民間公益活動支援税制の枠組みを決定していただきたいと考えます。

 公益認定等委員会については、国会審議の場においても、繰り返し論点になりました新制度の柱、要となる部分です。この委員会の委員の人選はいうまでもなく、事務局の構成も大変重要な課題です。この事務局が、現主務官庁からの出向者で構成される寄り合い所帯では、主務官庁制が形を変えて温存される結果になりかねません。少なくとも事務局の主要幹部は民間人を登用し、また事務局職員においても民間人を中心に構成されるとともに、認定委員会委員長はじめ委員が名実ともに事務局の指揮命令権をもち、民間の公益活動を発展させるという視点に立って、透明性の高い運営がされるような詳細設計を切望します。

 また、政令、府省令に委任された箇所が公益法人制度改革3法合わせて、合計で200箇所以上あります。この政令、府省令は制度の詳細ともいえる重要な部分です。これらの政・府省令を今後策定する場合、実際の実務を行っている公益法人界など民間非営利団体と意思疎通を密にし、実情を十分に踏まえた上で立案に当たっていただきたいと思います。

 さらに、主務官庁による許可・指導監督制度を前提とした現行公益信託制度についても、新公益法人制度施行までに、全面的な見直しを行っていただきたいと考えます。基本的には信託制度の特徴を生かしつつ、公益認定制度と私的自治の尊重を骨格とした新制度の創設と税制支援を要望します。

 最後に、衆議院、参議院の両行革特別委員会で採択されました附帯決議につきまして、真摯にその趣旨を尊重し、着実に実行されることを強く望みます。

 以上