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2004年12月07日


連絡会、第4回会議を開催


 公益法人制度改革問題連絡会(事務局・公法協)は12月7日、東京・麹町の弘済会館で第4回会議を行いました。

 まず、事務局より新加盟団体の承認を諮り、(社)茶道裏千家淡交会の参加が認められ、これにより連絡会は30団体となりました。

 

 次いで、太田達男公法協理事長より、(1)有識者会議「報告書」の内容の再確認、(2)公法協の考え方・対応、(3)今後の展開についての見通しなどについて、説明を行った後、私立美術館会議・徳川義宣((財)徳川黎明会会長)、(社)日本オーケストラ連盟・支倉二二男、(財)日本キリスト教婦人矯風会・松本成子、(社)日本芸能実演家団体協議会・大和 滋(写真右)、(財)日本YMCA同盟・本田真也の5氏が、「新制度で私たちが困ること」について具体的事例を交えながら発表を行いました。

 その後、参加者と太田理事長、雨宮孝子公法協理事(明治学院大学法科大学院教授)との間で質疑応答、ついで意見交換が行われました。

 以下に渡辺元・公法協客員研究員の当日レポートを掲載します。

◇ ◇ ◇
 11月19日、「公益法人制度改革に関する有識者会議」による報告書がまとまり、村上行政改革担当大臣に提出された。

 (1)現行の公益法人制度を廃止し、登記のみで設立することの出来る一般的な非営利法人制度を創設。(2)これによって設立された法人のうち、一定の要件を満たすものを公益性を有する非営利法人として、新たな判断主体が判断する仕組みを創設する、という2階建て方式を基本とする内容である。

 政府としては、今後、この報告書に基づき改革案を作成し、「行政改革大綱」に盛り込んで年内にも閣議決定する運びのようだが、報告書の内容からは、依然として何のための改革なのか、肝心なところが見えてこない。

 「公益法人制度改革問題連絡会」は、分野または地域的な面で拠点的な機能を有する公益法人を中心に本年3月末に結成され、現在、30団体で構成されている。

 4月以降、政府・有識者会議の動向をにらみつつ、2度の意見表明を行う一方、10月末までに各地を巡回した「公益法人制度改革に関する全国対話集会」を30回実施し、延べ千名を超える公益法人関係者等との意見交換も行った。

 こうした体験を踏まえ、今回浮き彫りとなった"新たな非営利法人制度"が、公益法人自身にとってはもとより、今後の社会に対してどのような影響や問題を及ぼすのか、そして、これからの市民社会にとって真に意味のあるものとなるのかどうかを考えるための会合を、今月7日、都内にてもった。

 そこで関係者から指摘された主な点を次に列挙してみたい。

 ・特別法で設立された学校法人・社会福祉法人・宗教法人等をはなから除外し、中間 法人のみを統合するとした今回の改革は、課税を前提に、最初から財団法人と社団法人という民法法人を狙い撃ちにしようとする当局の意図が感じられる。
  この点からも、有識者会議での検討が、税の取り扱いを切り離して進められたのは大きな問題だ。

 ・公益法人とは、そもそも新たな価値を社会に生み出していくべき存在であり、これに対して「非営利」という名称は、本来の目的を曖昧にするもので容認しがたい。

 ・「非営利法人」としてひと括りにされた場合、例えば、営利まがいの興業団体等と同一視されかねない。

 ・財団法人とは、財産の集合体に法人格を付与されたものだけに、公益性を前提とするのは当然であり、これを要件としない財団形態はあり得ないのではないか。

 ・公益性の判断主体が、特定大臣の下に置かれる状況では、判断の際の中立性や独立性がどこまで保たれるのか心配だ。
  また、判断機関や判断基準の具体的内容について、これから、どこに、どのように書き込まれるのかも問題。

 ・営利企業との関係については、競合を回避するあまり、活動が萎縮してしまう懸念がある。

 ・報告書では、先送りされ、未確定な表現となっているとろが20箇所以上も見られるが、これらについて、今後どのように扱われるのか不明であり、気になる。

 このように、今回出された報告書は、依然として大きな問題や課題を抱えたままであり、とても「最終報告」とは言いがたい内容だ。

 このまま制度改革が実現の方向に向かうのであれば、現在の2万6千弱の公益法人を大きな混乱に至らしめるのみでなく、報告書の基本認識で謳われている「民間非営利部門による公益的活動の発展を促し、活力ある社会の実現を図る」ことなど到底考えられない。

 政府および関係の国会議員においては、将来に禍根を残すことのないよう、国家百年の大計に立った制度改革を目指した熟考を期待したい。

(公益法人制度改革問題連絡会・事務局/(財)公益法人協会・客員研究員 渡辺 元)