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2004年11月19日


「有識者会議」、報告書を発表


 昨年11月末以来26回にわたって会合を重ねてきた「公益法人制度改革に関する有識者会議」(福原義春座長)は報告書をとりまとめ、11月19日、発表しました。

   → 行政改革推進事務局ホームページ

 報告書は本文35頁、別紙として同有識者会議の下に置かれた非営利法人ワーキンググループによる「非営利法人制度の創設に関する試案」(37頁)が付されています(全文は上記・行革事務局ホームページを参照)。

 報告書本文は、「1 改革の意義」 「2 一般的な非営利法人制度」 「3 公益性を取り扱う仕組みのあり方」 「4 現行公益法人の新制度への移行のあり方」 の4項目からなり、従来どおり (1)準則主義による一般的な非営利法人制度を創設 (2)一定の要件を満たすものを公益性非営利法人として新たな判断主体が判断、という考え方を基本としてまとめられています。

 報告書に関する公法協・太田達男理事長の所感を、以下に掲載します。



公益法人制度改革に関する有識者会議報告書について

平成 16年11月19日
財団法人公益法人協会
理事長 太田達男

 公益法人制度改革に関する有識者会議より11月19日、報告書が発表されました。

 有識者会議では昨年11月28日の第1回会合以来本年11月16日まで計26回の、また、同会議の下に置かれた非営利法人ワーキング・グループでは計14回の会合をそれぞれ開催されましたが、まずもってこれまでの熱心なご討議に対し、委員諸氏に深い敬意を表します。

 民間公益活動の中心的な担い手である公益法人を会員とする弊協会は、これまでも機会あるごとに、新しい制度のあり方につき提言してまいりましたが、本日の報告書につきましてとりあえず所感を述べます。

1 公益性を判断する仕組みについて

 100年来続いてきた主務官庁制を廃止することについては、全面的に評価いたしますが、新制度による特定大臣の下における公益性判断機関が、真に独立性・中立性のある機関として民間の視点による具体的明瞭な判断基準と透明かつ簡素な手続きにより機能できるよう、さらに制度設計を進められるよう期待します。

2 公益性非営利法人と一般非営利法人を明確に区分する仕組みについて

  新しい非営利法人は、その活動目的として公序良俗に反しない限りいかなる活動も認められます。しかし、公益性を追求する法人とそうでない法人とでは、設立目的・活動分野、内部規律、社会に対する責任、情報公開、残余財産の処分のあり方などが根本的に異なりますから、新しい制度において出来うる限り一般国民が混同、誤解をきたさないよう、実質的に法人類型を異にする工夫をしていただきたい。

 そのための方策として、残余財産非分配による区分、登記制度による区分、公益性喪失時における合理的かつ実効性のある取扱い、公益目的以外の財団法人制度の禁止などが不可欠と考えます。

 仮に、これらの措置が法理上困難であるとされる場合には、報告書の前提条件である「公益性の有無に関係なく非営利法人に一元化」ということも含め、原点に戻って制度の枠組みを再検討することも考慮していただきたい。有識者会議がこれまで検討してきた公益性判断機関、判断基準、並びに公益性非営利法人に求められる規律など、貴重な議論の成果は別の枠組みにおいても十分取り入れることが可能です。無駄にはなりません。

3 今後の立法作業について

 1) パブリックコメント

 今回の公益法人制度改革はまさに抜本的改革です。2万6,000の公益法人はもとより、多くの非営利法人やその関係者にとって重要な制度変更です。立法作業に入る前に、ぜひ一般国民も含め意見を問う手続きを踏んでいただきたい。

 2)実務家からの意見を尊重

 今後の検討として積み残された問題は、公益性判断基準や適正運営確保のためのガバナンス・情報開示など、そのいずれをとっても、当然のことながらますます細部にわたります。このような実務的、専門的問題については、立法作業に当たる所轄当局は、独断的判断ではなく実務家の意見を積極的に徴する姿勢をもって臨んでいただきたい。