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2004年10月15日


「有識者会議」第19回~21回報告(各論に関する議論終了)


 公益法人制度改革に関する有識者会議(第19回~第21回)が9月15日、29日、10月12日に開催されました。

 有識者会議メンバーの一人、東ヶ崎邦夫氏((社)日本アイソトープ協会理事・総務部長)からレポートをいただきました。





 第19回-第21回会議が開催され、必ずしも意見が集約されたわけではないが、一応各論についての議論は終了した。同時に非営利ワーキング・グループの「非営利法人制度の創設に関する試案」もまとまり、次回からは報告書作成に向けてシナリオの具体的検討が始まる。

 第19回-第21回に議論した事項は次の通りである。

1 公益性判断要件のあり方

○公益性を失った法人の財産の取り扱いについて

 公益性を失った法人がそれまでに受けた寄付や労務提供を勘案すれば、残余財産を構成員間で分配できないようにすべきである。ただし、公益性を失った法人も非営利法人として存在し、すぐに解散するわけではないので、その時点で残余財産の処分を求められることはない。

2 適正運営の確保のあり方

○理事・監事の責任及び寄付者や国民一般による代表訴訟類似の制度について

 報酬のない役員の責任にも配慮し、代表訴訟を提起できるのは社員に限り、寄付者国民一般にまでは拡大しない。

3 判断主体のあり方

○判断主体は、どのような機能を担うのか、また、それらの機能を適切に果たすためには、どのような組織体制とするのが適切か。担うべき主な機能は、(1)公益性の判断、(2)事後チェック、(3)報告徴収、立入検査、不服申立て。

 組織体制は、民間機関ということも考えられるが、公益性判断、審査の委託は、何らかの形で正当性が確保されないと難しい。また、行政改革が叫ばれているなかで、行政委員会を設置することも難しい。証券取引等監視委員会のような審議機関を工夫して作るしかない。国のレベルだけでなく、都道府県単位でも判断機関を設置すべきである。

4 公益性を有する財団法人形態の法人に固有の必要な規律

 (1) 評議員会構成の制限について

 (2) 残余財産の帰属について

 (3) 基本財産制度について

 (4) 評議員の指名、住所を開示することについて

5 内部留保にかかる規律のあり方

 (1) 内部留保の定義

 (2) 定義の妥当性

 (3) 現在の内部留保の定義以外の定義の可能性

 (4) 内部留保の水準

6 移 行

 (1) 現行公益法人の移行に当たっての基本的考え方

 2万6千の公益法人が現に活動していることを勘案し、公平かつ合理的な新基準及び手続きにより、2年程度の移行期間設けて行う。この場合、解散、清算手続きや新設手続きをせず、法人としての人格の同一性を保ちつつ、定款変更等によって組織を変更し別種の法人となる。

 (2) 現行公益法人から非営利法人への移行

 財産等の取り扱いに関する一定条件の下、組織変更できるものとする。

 (3) 現行公益法人から公益性を有する非営利法人への移行

 主として、次の2つの案について検討した。実務者サイドの委員からは②の意見が強かった。

 ① 所定の期間内に新たな判断基準の下で公益性の判定を受け、公益性を有する非営利法人に転換する。

 ② 新法施行時に限定的な例外を除き、一旦公益性を有する非営利法人と見なし、事後的なチェックや確認を受ける。

 (4) 中間法人から新制度への移行

 有限責任中間法人か無限責任中間法人かによって多少異なるが、いずれも「みなし」によって非営利法人になるか、組織変更によって非営利法人になることができる。

7 非営利法人制度の創設に関する試案

 ワーキンググループがまとめた試案について説明があった。注意すべきは次の事項である。

 ①新たな非営利法人は、公益性の有無にかかわらず、登記により簡便に設立できる。

 ②立法形式は、民法とは別に単行法を制定する。

 ③設立無効、取消、解散命令等についての規定を設ける。

(社団形態の法人について)

 ④社員は、出資義務を負わない、利益分配請求権を有しない、残余財産分配請求権を有しない、法人財産に対する持ち分を有しない。

 ⑤理事がその職務を行うについて、悪意、又は重大な過失があったときは、その理事は連帯して、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

 ⑥社員は代表訴訟を提起することができる。

(監 事)

 ⑦監事の任期は4年までとする。

 ⑧監事がその任務を怠ったときは、法人に対し連帯して、これによって生じた損害を 賠償する責任を負う

(財団形態の法人)

 ⑨従来の「寄付行為」は定款または根本規則と改め、設立行為を寄付行為ということ とする。

 ⑩ 設立時には300万円以上の純資産を保有しなければならない。(公益性を有する非営利法人については1000万円程度になる可能性あり。)

 ⑪理事の選任権は、理事会が、理事の解任権は評議員会が持つ。(理事の名簿は理 事会が作成し、評議員会が選任する。)

 ⑫ 評議員の選任権は評議員会の決議による。

 ⑬ 評議員会の決議を要する事項

   ・理事、監事の選任、解任
   ・計算書類の承認
   ・寄付行為の変更
   ・合併の承認
   ・理事、監事の法人に対する責任の免除

(東ヶ崎邦夫)

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 ★有識者会議の議事概要及び資料は、行革事務局ホームページで公開されています。