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2004年08月12日


「有識者会議」第16回~18回報告(全体的討議)


 公益法人制度改革に関する有識者会議が7月15日、23日、28日と3回にわたって開かれ、全体的討議が行われました。
 有識者会議メンバーの一人、東ヶ崎邦夫氏((社)日本アイソトープ協会理事・総務部長)からレポートをいただきました。


 第16回会議の際、事務局から最終報告書の原案が会議資料として提出されるとの新聞報道もあったが、実際は、今年4月から6月までの議論の中ではっきりした意見の違いを討議用メモとしてまとめたものが提出された。これに基づき、7月に3回にわたり審議を行った。今後の予定についてであるが、8月には、事務局において課題の検討とまとめを行い、前文を付すなど9月からの報告書作成に備えることとなる。第16回~第18回に議論した事項は次のとおりである。

Ⅰ 非営利法人制度について

 1 民法を改正し、公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により法人格を取得できる制度とする。

(社団形態の法人)

 2 利益を社員に分配しない。

 3 法人の解散時には、他の債務が弁済された後、拠出額の限度でその返還を受けることができる拠出金制度の選択を可能とする。

 4 理事の第三者に対する責任等を明確化する。

 5 外部者による監査等、法人の規模に応じ検討する。

 6 情報は、原則として開示することとする。

 7 清算時の残余財産の帰属は、定款又は社員総会の決議により定める。残余財産を社員に帰属させてはならないとする法人類型を別途設けるべきであるという指摘 があった。

 8 社団形態の法人には、中間法人法上の中間法人を統合する方向で検討する。

(財団形態の法人)

 9 公益性を要件としない財団形態の法人制度を創設する。ただし、家族世襲財団の設立等により、現行の相続法秩序を乱すことのないよう配慮する。

 10 最低資本金の額等を参考に設立時に一定規模以上の基本財産の保有を義務付ける。

 11 基本財産の処分の制限について検討する。

 12 法人の基本的な意思決定を行うとともに、理事の選解任を行う機関として、評議員会を置く。評議員は評議員会が選任することを検討する。評議員の権限、選任方法については反対意見があった。

 13 寄附行為の変更ができるものとする。

Ⅱ 公益性を取扱う仕組み

 1 公益性の判断は客観的で明確な判断要件を設け、中立的な判断を行い得る組織が行う。具体的な判断主体としては、①行政委員会、②審議機関を考える。地方における判断主体については、都道府県を単位とした組織とする方向で検討する。ただし、行政組織の膨張抑制の観点にも留意する。

 2 公益性を有する非営利法人については、しっかりとしたガバナンス・規律を備えるものとし、情報開示については、プライバシーの保護等合理的理由のあるものを除き、組織・運営等について国民一般に向けた情報開示を徹底する。

 3 不適正な事態が生じる場合には、判断主体による事後チェックを行うことにより適切に対処することとする。

(公益性の判断要件のあり方)

 1 判断要件については、できるだけ客観的で明確なものとする。

 2 当初の公益性の判断に当たっては、法人の行為で判断すべきである。活動実績を有しない場合には、事業計画、収支予算が要件に適合していることが必要である。
 また、判断後の活動実績を確認することが必要。

 3 公益性の判断ができるだけ早期に行われるよう、申請者の視点に留意し、申請手続の簡素化等を図る。

 4 主な判断要件として以下が考えられる。

  (1) 目 的

    法人は積極的に不特定多数の利益の実現を図るべきである。

  (2) 事 業

   ① 事業については、公益的事業が全体の過半を占め、収益的事業に伴う利益については、原則として公益的事業のために使用されることが適当である。

   ② 公益的事業ではなく、活動分野を具体的に列挙する。

  (3) 規律(後述のガバナンスに該当するものを除く) 規模の大小に応じて程度に差を設ける。

   ① 役員構成について、同一親族が役員に占める割合を制限する。

   ② 不当な役員報酬等は適当ではない。

   ③ 残余財産の帰属について、構成員に帰属させることは不可とする。

   ④ 内部留保は、将来の公益的な事業の実施に必要な範囲は適切。ただし営利的なものは従でなければならない。

   ⑤ 管理費の水準、財産的基盤の確保、株式保有等についても検討した。

(適正運営の確保のあり方)

 1 ガバナンスのあり方

 ガバナンスに係る規律については、規模の大小に応じて差を設けることを前提に次の事項について検討した。

   ① 意思決定機関、執行機関及び監事のあり方

   ② 役員の法人や第三者に対する責任の明確化

 ※ 代表訴訟類似の制度等について、寄付者や国民一般にも役員の責任を追及することができることとする仕組みの導入については、フィデュシャリー(受託者)の責任の考え方により役員の責任を基礎付ける必要性と併せ、さらに検討する。

   ③ 外部監査

 2 情報開示のあり方

  ① 公益性の判断要件となり得る項目については、国民一般に分かりやすく情報を開示する。ただし、プライバシー保護の観点から、社員の住所については一定の配慮をするか。

  ② インターネットによる情報開示を極力活用する。

  ③ 法人間の比較が可能な形で国民一般に開示する。

 3 事後チェック(監督)のあり方

  ① 監督の具体的措置内容としては、事業報告書等の定期的な提出、報告聴取、立入検査、勧告・命令、公益性判断の取消し等が考えられる。

  ② 法人の不適正な運営の事実を通報する仕組みについて考える。

  ③ 簡単な更新制度の導入。

Ⅲ その他

 公益の目的である「不特定多数の利益」の「不特定」と「多数」についての考え方、共益の取扱いについて意見を交換した。

 皆様は次の①、②について公益法人と考えますか、それとも一般非営利法人と考えますか?

  ① 結果的にその周囲に何らかの受益の効果が及ぶと考えられる例

  特定業界の職員の福利厚生を推進することで、結果として当該業界の事業の健全 な発展に寄与する場合

  ② 特定範囲の者を受益者とする事業を媒介にして広く社会に利益が及ぶと考えられる例

  特定事業者を対象に一定の講習を行うことで、事業者の公正競争が促進され、消費者保護・公正競争確保に寄与する場合

 (東ヶ崎邦夫)

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 ★有識者会議の議事概要及び資料は、行革事務局ホームページで公開されています。