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2004年07月28日


総務省研究成果まとまる<基本財産・内部留保・自己評価>


 総務省は7月28日、「公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究」 の成果を発表しました。

 この研究は、景気低迷や超低金利による会費、寄付金、財産運用収入の減少などで公益法人を取り巻く環境が悪化している中、効率的・自律的な運営が強く求められている、との問題意識から、総務省大臣官房管理室長の下で昨年11月から実施されてきたものです。

 研究会には弊協会太田理事長を含め計6名が参加、能見善久東京大学教授が座長を務めました(研究メンバーは後掲)。

 研究会で具体的な検討テーマとしたのは、「基本財産」及び「内部留保」の在り方、「自己評価制度」の導入の3点です。

 報告書ではこのそれぞれに関する考え方を明らかにしていますが、要点は次のとおりです。

(基本財産)

 基本財産の処分により公益事業の継続を図っていくことがやむを得ない場合もある、との認識を示した。その上で、処分適否の判断の視点として、「財務の健全性(処分方法、処分財産、処分額は妥当か)」「事業の健全性」「手続の妥当性(処分手続は妥当か)」「ガバナンスの適正性(機関、役員報酬、会計処理等は適正か)」の4つの視点を掲げ、処分に当たってはこれらの総合的な視点からの判断が必要である、とした。

 また、基本財産の運用について、オーバーパー債券の運用と許可との関係といった実務的事項についても言及されている。

(内部留保)

 法人の事業の目的や態様、財務状況により適正な内部留保の水準は異なると考えられるが、法人は、なぜ内部留保を有しているのか、どのような事業計画に基づき内部留保が必要となるのかについて、法人関係者や潜在的受益者たる国民に対して説明責任を果たすことが必要、とした。併せて所管官庁において、上記のような観点に加え、①内部留保が増加しているのか、減少しているのか、②会費や対価は適正か、③公益活動を適正に行っているかどうか、といった複合的な観点から指導を行っていく必要がある、とした。

(自己評価)

 法人のガバナンスの確保、自律的チェック機能の充実、事業の効果的・効率的な実施、事業の活性化及び法人のアピール手段の観点から、自己評価の実施が効果的であるとし、自己評価のモデル・シートを提示した。モデル・シートのカテゴリーは、①目的と実際の活動の関係②活動の活性化③適正運営と透明性の確保④財務会計⑤組織管理、の計5分類。各分類それぞれ10項目ずつの質問が設けられている。

 総務省では、今後開かれる各種研修会等の機会を利用し、周知に努める予定、としており、「本報告書が今後の公益法人運営や所管官庁の指導監督で活用されることを期待している」としているところです。

 弊協会太田理事長はこの研究会の最終日(7月2日)、特に発言を求め、「"基本財産""内部留保"とも、現行指導監督基準を改正しないという前提に立つ以上、ぎりぎりの限界まで踏み込んで書かれていることを評価したい。また、公益法人制度改革が控えているわけだが、それまでの間においても、できるだけ規制緩和的な動きが実質的に出てくることを願いたい」と述べました。

 なお、同報告書に盛られた自己評価シートは、各法人が自主的に点検する際の有用なツールと考えられます。

 同報告書全文は 総務省ホームページ 「報道資料」 欄に掲載されております(平成16年「7月」→7月28日の「公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方」の順にクリックしてください)。

 〈公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会) 敬称略

   能見 善久 (座長。東京大学教授)

   神田 秀樹 (座長代理。東京大学教授)

   太田 達男 ((財)公益法人協会理事長)

   亀岡 保夫 (公認会計士)

   渋谷 幸夫 (公益法人運営コンサルタント)

   玉國 文敏 (中央大学教授)