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2004年06月30日


「有識者会議」第15回―情報開示、判断主体等―


 「公益法人制度改革に関する有識者会議」の第15回会議が、6月30日に開催されました。

 今回も有識者会議メンバーの1人、東ヶ崎邦夫氏((社)日本アイソトープ協会理事・総務部長)からレポートをいただきました。


 今回は、情報開示のあり方と事後チェックのあり方・判断主体のあり方について検討した。今後は報告書の作成に向けて議論が進められることとなる。

1 情報開示のあり方

 (1) 情報開示の必要性

  ① 社員や債権者といった利害関係者、広く国民一般に対する情報開示をすすめ、社会全体によりその活動を監視する。その際、プライバシーの保護に留意する必要がある。

  ② 公益的な活動を行う法人については、不特定多数者から寄附や労務の提供を受けていること等から、活動肉容を広く国民に対し説明する責任がある。更に、その活動内容を開示することにより、活動への理解を深め、寄附や労務の提供等を期待できる。

 (2) 情報開示の事項と相手方

  ① 現行の「指導監督基準」に定められている開示事項に加え、自己評価を行っているか、第3者評価を受けているかの情報、さらには、第3者機関が分析し、評価した結果なども対象にする。

  ② 役員名簿、社員名簿等の開示については、情報開示の目的とプライバシー保護とのバランスをとる必要がある。特に社員の住所まで開示することには慎重であるべきである。

  ③ 公務員であった者の前職開示については、その時点で公務員でない者を差別的に取り扱うべきではないとの意見もあったが、公開すべきとの意見が大勢を占めた。

 (3) 情報開示の方法.

  ① 開示の方法としてはインターネット上に公開することが必要である。

  ② インターネット上での公開は、小規模の法人には過度な負担となるというおそれもあるので、低廉な料金で利用できるような仕組みを取り入れる必要があるとした。

2 事後チェックのあリ方

 (1) 事後チェックの必要性

  法人の不適正な運営が生じた場合に適切に対処するため、その是正手段を措置するなど明確なルール(措置の内容・要件)に基づく、実効性ある事後チェックの仕組みを設けるべきである。

 (2) 事後チェックの手法

  ① 事後チェックについては、具体的な措置の内容や要件、たとえば、定期的な事業報告書等の提出義務、一定の要件に基づく報告徴収・立入検査、勧告・命令等についての明確な要件を考える必要がある。

  ② 国民一般からの通報を受ける仕組みについては反社会的な場合もあり得るので、注意が必要である。

  ③ 法人の公益性が失われた場合への対応(例えば、残余財産の帰属者となり得る者を限定することとした場合、それをどう担保するか)を考える必要がある。

  ④ 公益性に係る判断の有効期間を設定すること(更新制度)については、運転免許の更新程度のものであれば良いが、これに大きな機能を持たせると、活動を萎縮させるおそれがあるとの意見があった。

3 判断主体のあり方

 (1) 基本的考え方・視点

  ① 「議論の中間整理」では、判断主体として、中立で第三者的な、又は、単一の公的機関を念頭に置いた。

  ② また、次のような検討課題が提示されている。

    ― 的確な公益性に係る判断のための一定の体制(組織・人員等)の必要性と、行政組織の膨張抑制の要請との調和

    ― 民間の考えを適切に反映する視点の必要性

    ― 地方における判断主体のあり方

    ― 公益性に係る判断に伴う不服申立てなど、不利益救済のあり方

  ③ 公益性に係る判断主体に、どのような機能を担わせるか。

    ― 非営利法人の公益性に係る判断

    ― いわゆる事後チェック

    ― 公益性に係る判断、監督上の措置、公益性判断の取消し等に対する不服申立ての処理

    ― 公益性を取り扱う仕組みの円滑な運用(例えば、運用指針の整備、相談、助言等)

  ④ 中立で第三者的な、又は、単一の公的機関として、これらの機能が的確に果たされるためには、次のような要素を満たすことが望ましい。

    ― 求められる機能を責任もって果たすことのできる組織体制

    ― 効率的で実効性の高い業務運営

    ― 多種多様な非営利法人の業務内容、財務内容等について、必要な情報を収集し、的確に分析し、判断できる専門性

 (2) 判断主体としての公的機関のあり方について

  (1)を踏まえ、判断主体として、公正取引委員会、公害等調整委員会のような、国家行政組織法第3条に定める行政委員会が望ましく、理想を追求することとしたい。しかし、万一行政組織の膨張抑制といった観点から難しいのであれば、公認会計士・監査審査会、社会保険審査会のような、同法第8条に定める審議機関でもよいとの意見があった。

 (3) 地方における判断主体のあり方について

  ① 一定の地域を拠点として活動する非営利法人については、国ではなく地方において公益性に係る判断を行い、複数の地域を拠点として活動する非営利法人については、国において公益性に係る判断を行うのが適当である。

  ② 地方における判断主体については、業務の効率性、体制を整備するコスト等を勘案すると、都道府県を単位とすることが適当である。

  ③ 国と地方で、公益性に係る判断、事後チェック、不服申立ての処理等の取扱いに整合を欠くことのない仕組みにすべきである。

4 公益法人改革事例報告

 「公益性」を判断する第三者機関の例として、我孫子市の「補助金等検討委員会」についてK委員から報告があった。

 (東ヶ崎邦夫)


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 ★有識者会議の議事概要及び資料は、行革事務局ホームページで公開されています。