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2004年06月22日


「有識者会議」第14回―残余財産、内部留保等―


 「公益法人制度改革に関する有識者会議」の第14回会議が、6月17日に開催されました。

 今回も有識者会議メンバーの1人、東ヶ崎邦夫氏((社)日本アイソトープ協会理事・総務部長)からレポートをいただきました。


 はじめに、N委員から「今回の公益法人制度改革は、公益法人を絞り込むことではなく、国民一般の支持により公益活動を活発化し、広げるためのものである。国民一般の信託を受けて活動する点に意を払って、公益法人の一般市民に対する責任を考えるならば、代表訴訟類似の制度により、寄付者だけでなく、国民一般が役員の責任を追及する制度を認めることが必要」との発言があった。

 これに対し、国民一般による代表訴訟を認めた場合、乱用又は悪用により、法人運営が阻害されるリスクが高く、導入の必要なしとする意見が出され、波乱含みの議論の展開となったが、この件については再度検討することとし、本題に戻り、次の事項について検討がなされた。

1 残余財産の帰属について

 非営利法人は利益については分配しないことが原則であるが、解散時の残余財産の取扱については意見の相違がある。

 ① 利益は分配せず、社会に帰属させるなら、拠出金の範囲での返還は非営利の原則には触れない。ただし、寄付があった場合など、どの部分が残ったかに配慮することが必要。

 ② この考え方は、出資型の公益法人に繋がるものであり、今回の公益法人制度改革を複雑にするものである。

2 内部留保について

 役所が権益を持って公益法人の形態をとる法人を設立し、不当な対価を取って利益を上げ、公益目的に使うことなく内部留保していることが問題。公益事業を継続するためにはある程度の内部留保も必要である。従って、内部留保の限度を数字をもって決めることは適当でない。ただし、社会監視の視点が必要である。

3 管理費等の水準について

 収入は、役員給与等の管理費にではなく、公益事業を適切に行うために使われるべきである。事業活動の形態が種々あることを考慮すれば、管理費の水準を一律に数値で決めることは適当でない。ただし、管理費の場合も社会監視の視点が必要である。

4 財産的基盤

 社団型法人には必要ないが、財団型法人には必要である。債権者保護の視点から見る必要がある。

5 株式の保有

 今までは、公益法人のリスクを避けるという意味合いから、株式の保有が制限されてきた。しかし現在、財務の健全性はそれぞれの法人が自らの責任で負うべきリスクと考えられるようになった。

 英国のように、公益法人の子会社が法人税を払い、株式会社と同じ立場に立って活動している例がある。
 人でも財でもない、会議体、シンポジウムのような目的に対して法人格を与えることも考えて良いのではないかとの意見があった。

 次に公益法人の実態等に関するヒアリング調査結果について紹介があった。31法人について、次の事項について調査したものである。

 ① 事業の内容・性格(公益性、共益性、収益性、営利競合性)について
 ② 内部留保について
 ③ ガバナンスについて
 ④ 情報公開の実施状況について
 ⑤ 現行の所管官庁の指導監督基準に関する意見
 ⑥ 税制上の取扱に関する意見

 これについては、委員からは、地方の法人、規模の小さな法人についても調査すべきであるとの発言があった。

 (東ヶ崎邦夫)


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 ★有識者会議の議事概要及び資料は、行革事務局ホームページで公開されています。