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2004年05月26日


「有識者会議」第12回―公益性の判断要件―


 「公益法人制度改革に関する有識者会議」の第12回会議が、5月26日に開催されました。

 今回も有識者会議メンバーの1人、東ヶ崎邦夫氏((社)日本アイソトープ協会総務部長)からレポートをいただきました。



 今回は、前回に引き続き公益性の判断要件について議論した。公益性を判断する要件として事業あるいは活動分野を具体的に列挙するか、あるいは公益を一般的、概念的な表現で言い換えた方がよいかの議論である。

 会議において実務者グループの多くは前者を選択している。判断基準は客観的で明確なものとし、判断に当たっての裁量の余地をできるだけ少なくすべきであるとの考え方に基づく。

 一方、法学者グループの多くは、法律に細かなことを書き込むのは体系的な美を損なうこともあってか反対意見が多い。

 もちろん、活動分野を列挙し尽くすことができるのか、その後の改正には、立法手続きを経る必要があり、事実上固定化し、時代の変遷に遅れを取ることにはならないかの疑問が生じることも確かである。具体的検討に資するため、公益法人協会法制対策委員会が作成した「公益性の判断基準について」等が前もって配布されており、これらの資料に基づいてさらに議論が続けられた。

 同資料には、公益性の判断基準として次のことが記されている。不特定多数の人々の利益を図ることを目的に、次に掲げる活動を行うこととし、21の項目が挙げられている。

 NPO法の活動を包含したものであり、多くの公益法人の目的、事業を分析して作成しただけに説得力はあったが、同時に提出された、諸外国の例、各省庁設置法上の「任務」規定等と突き合わせ試みると、如何に活動分野を列挙し尽くすことが難しいか実感した。

 公益法人の事業については、非営利だから公益、営利だから非公益というとらえ方をせず、マトリックスとして見ることとした。その上で次の点について検討した。

 1.目的は公益的であっても、営利企業と競合している場合について

 2.受益者に対価を求めることについて

 3.定款、寄付行為に書かれていないような、いわゆる収益事業を行うことについて

 公益法人といえども、活動を継続するためには資金が必要である。公益性を判断する場合、収入をどのように得るかは一つの判断基準であるが、どのように支出するかもまた一つの判断基準である。パブリックサポートテストのようにいかに不特定多数から寄付を集め、支持を得ているかを数値化して見るのも一つの方法だが、公益的な目的に実質どのくらい使われているかを見ることも必要であろう。これに関連して、内部留保についての考え方などについても議論が及んだ。いずれの場合も判断に客観性を与えるためある程度の数値基準を取り込むことには賛成の意見であるが、個々の問題となると意見が一致したとは言い難い雰囲気であった。

 (東ヶ崎邦夫)

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 ★有識者会議の議事概要及び資料は、行革事務局ホームページで公開されています。