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2000年03月29日


要綱中間試案に対する意見募集(法務省)


「中間法人(仮称)の創設に関する要綱中間試案」について


 同窓会、業界団体、親睦団体など公益を目的とせず、かつ営利を目的としない団体(いわゆる「中間法人」)の法制度創設について、平成11年9月から法務省法制審議会民法部会において審議が行われていますが、同省民事局参事官室では同部会の審議状況を踏まえ、「中間法人(仮称)の創設に関する要綱中間試案」を平成12年3月21日にとりまとめました。

 以下は、その全文です。

 法務省では平成12年度中に、法律案要綱のとりまとめを予定しています。

 同要綱中間試案に関して、(財)公益法人協会が提出した意見書はこちらです。


 





中間法人(仮称)制度の創設に関する要綱中間試案


第一 総則的事項

 一 定 義

   中間法人(仮称)とは、「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、営利を目的としない社団であって、この法律により設立されたもの」と定義するものとする。

 二 法人性

   中間法人(仮称)は、法人とするものとする。

 三 住 所

   中間法人(仮称)(以下単に「法人」という。)の住所は、主たる事務所の所在地にあるものとする。

 四 権利能力

   法人は、法令の規定に従い、定款によって定められた目的(事業)の範囲内において、権利を有し、義務を負うものとする。

    (注)商行為その他の営利行為に係る事業に対する制約の要否等については、なお検討する。

 五 法人の成立

   法人は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立するものとする。

    (注)法人の成立については、公益法人における主務官庁の許可のような要件を課さないものとする。

 六 登 記

   法人の登記に係る登記義務、登記の効力等について、商法第九条から第一五条まで及び第六一条の規定を準用するものとする。

 七 名 称

   法人の名称の使用、効力等について、商法第一七条から第三一条までの規定を準用するものとする。

    (注)(1) 以下においては、社員について、a法人の債権者に対しては直接責任を負わないこと、b出資を行わないこと、を基本的要素とする法人類型を検討するものとする。

       (2) より小規模で閉鎖的な社団向けに、社員〔又は役員〕の全部又は一部が法人の債権者に対して無限責任を負うものとすることにより、債権者保護に係る規制等を簡素化し、簡易な設立及び運営を可能とする法人類型を別途設けるかどうかについて、引き続き検討する。

第二 法人の設立

 一 定 款

  1 定款の作成

   (一) 発起人は、定款を作成し、これに署名しなければならないものとする。

   (二) 発起人の数は、一定数(例えば一〇人)以上でなければならないものとする。

     (注) 発起人は、常に社員となるものとする。

  2 定款記載事項

    法人の目的(事業)、名称、基金の総額、主たる事務所の所在地、発起人の氏名及び住所等を定款の絶対的記載事項とするものとする。

  (注) 記載事項の詳細については、なお検討する。

  3 定款の認証

    定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を有しないものとする。

 二 設立時における基金の拠出手続等

  1 法人を設立するに当たっては、基金の拠出者が定款所定の基金の総額に相当する財産を拠出することを要するものとする。

  2 設立時における基金の総額は、一定額(例えば三〇〇万円)以上でなければならないものとする。

     (注)(1) 拠出財産は、金銭に限らないものとする。

        (2) 基金の拠出者は、社員に限らないものとする。

  3 財産拠出の手続、発起人の担保責任等について、基本的に、株式会社の設立の際の株式の引受け等に関する規定を準用するものとする。

     (注)(1) 拠出財産が金銭である場合には、払込取扱金融機関への払込みを要するものとする。

        (2) 拠出財産が金銭でない場合等について、裁判所の選任する検査役の調査等に関する規定を設けるものとする。

 三 創立総会

   法人の設立に際して社員になろうとする者を募集した場合には、発起人は、創立総会を招集するものとする。

    (注) 創立総会について、基本的に、株式会社の創立総会に関する規定を準用するものとする。

 四 設立登記

   法人の目的、名称、基金の総額、主たる事務所の所在地、役員の氏名、代表権を有する理事の氏名及び住所等を登記事項とするものとする。

(注) 登記事項の詳細については、なお検討する。

 五 設立無効・設立取消しの訴え

   設立無効・設立取消しの訴えについて、商法第一三六条から商法第一四二条までの規定を準用するものとする。

第三 社 員

 一 入 社

   社員の入社資格及び入社手続については、定款の定めるところによるものとする。

 二 社員名簿

   社員の氏名及び住所を社員名簿の記載事項とするものとする。

 三 社員の地位

   社員は、その地位を他に譲渡することができないものとする。

 四 社員の責任

  1 法人は、定款の定めるところにより、社員に経費の支払その他の義務を課することができるものとする。

  2 社員の責任は、定款所定の義務の負担に限るものとする。

 五 退 社

  1 退社事由

   (一) 任意退社

       社員は、任意に退社することができるものとする。

   (二) 法定退社

       社員は、定款所定の事由の発生、死亡、解散、除名等の各事由によって、当然に退社するものとする。

  2 退社員の権利

    退社員は、法人に対し、一切の清算的な請求権を有しないものとする。

第四 法人の管理

 一 社員総会

  1 社員総会の権限

    法人の予算及び事業計画案等について、社員総会の承認を要するものとする。

     (注) 社員総会を法人の基本的意思決定機関として位置付けるものとする。

  2 招 集

   (一) 社員総会の招集権者は、原則として、理事会とする。

   (二) 少数社員に対し、社員総会の招集権を認めるものとする。

 (注) 少数社員権については、実効的な行使要件を検討するものとする。

  3 議事運営等

   (一) 各社員は、原則として、平等(一人一個)の議決権を有するものとする。

      (注) 定款において別段の定めを設けることを認めるものとする。

   (二) 決議は、原則として、総社員の議決権の過半数に当たる議決権を有する社員が出席し、その議決権の過半数をもって行うものとする。

      (注) 定款において別段の定めを設けることを認めるものとする。

  4 その他

    1から3までのほか、社員総会については、基本的に、株式会社の株主総会に関する規定を準用するものとする。

 二 理事及び理事会

  1 理事の選任等

   (一) 理事は、社員総会において選任されるものとする。

   (二) 理事の員数は、三人以上でなければならないものとする。

   (三) 理事の任期は、二年を超えることができないものとする。

  2 理事の責任

    理事の違法行為により法人又は第三者に損害が生じた場合には、理事は、賠償責任を負うものとする。

  (注) 代表訴訟に関する規定を設けるものとする。

  3 理事会

    理事は、理事会を構成するものとする。

  4 代表理事

    理事会の決議により、法人を代表すべき理事(以下「代表理事」という。)を定めなければならないものとする。

  5 定款・社員名簿の備置き

   (一) 代表理事は、定款を主たる事務所及び従たる事務所に、社員名簿を主たる事務所に備え置かなければならないものとする。

   (二) 社員その他の利害関係人は、事業時間内いつでも定款又は社員名簿の閲覧又は謄写を求めることができるものとする。

  6 その他

    1から5までのほか、理事、理事会及び代表理事については、基本的に、それぞれ株式会社の取締役、取締役会及び代表取締役に関する規定を準用するものとする。

 三 監 事

  1 監事の選任等

   (一) 監事は、社員総会において選任されるものとする。

   (二) 監事は、必置の機関とするものとする。

   (三) 監事の任期は、三年を超えることができないものとする。

  2 監事の権限

    監事は、理事の職務の執行を監査するものとする。

     (注) 業務監査及び会計監査を行うものとする。

  3 監事の責任

    監事の違法行為により法人又は第三者に損害が生じた場合には、監事は、賠償責任を負うものとする。

     (注) 代表訴訟に関する規定を設けるものとする。

  4 その他

    1から3までのほか、監事については、基本的に、株式会社の監査役の規定を準用するものとする。

第五 計 算

 一 代表理事は、事業年度ごとに、法人の計算に関する所定の書類を作り、理事会の承認を受け、監事による監査を受けるものとするほか、法人の計算について、所要の規定を設けるものとする。

      (注)(1) 法人の適切な会計のあり方について、なお検討する。

         (2) 例えば、次のような事項に関し、基本的に、株式会社の会計に関する規定を準用することについて、なお検討する。

           a 会計帳簿、貸借対照表その他の法人が作成すべき計算に係る書類の種類及びその記載方法

           b 計算に係る書類の備置き及び公示

           c 計算に係る書類についての社員総会への報告又は社員総会による承認

           d 資産の評価

           e 計算に係る書類についての少数社員の閲覧請求権

         (3) 基金に関しては、相互会社の基金に関する保険業法第五四条から第五七条までの規定等に準じた取扱いを行うことについて、なお検討する。

 二 社員に対して利益の配当(剰余金の分配)をすることはできないものとする。

第六 定款の変更

 一 定款の変更の方法

   定款を変更するには、社員総会の決議を要するものとする。

 二 決議要件

   定款変更の決議は、総社員の半数以上にして総社員の議決権の四分の三以上を有する者の同意をもって行うものとする。

    (注)(1) 定款変更により社員の義務が加重される場合においては、当該変更決議に反対した社員は、一定期間内に退社をすること等により、当該変更決議に基づき加重される義務を負わないことができるものとする。

       (2) 一部の社員のみが特別に不利益を受ける定款変更については、当該社員の保護のための格別の手続を要するものとする。

第七 合 併

 法人と法人との合併について、いわゆる吸収合併と新設合併とを認めるものとし、基本的に、株式会社の合併に関する規定を準用するものとする。

第八 解散及び清算

 一 解 散

  1 解散事由

   (一) 法人は、定款所定の事由の発生、合併、社員が一人となったこと、破産、解散命令、解散判決、社員総会による解散決議の各事由によって解散するものとする。

       (注)(1) 解散命令について、商法第五八条及び第五九条の規定を準用するものとする。

          (2) 解散判決について、商法第一一二条の規定を準用するものとする。

          (3) 解散決議の決議要件については、定款変更の決議要件と同様とするものとする。

  2 休眠法人の整理

    休眠法人の整理について、商法第四〇六条ノ三の規定を準用するものとする。

  3 法人の継続

   (一) 定款所定の事由の発生、社員総会による解散決議により解散した場合、又は休眠法人の整理の規定によって解散したものとみなされた場合においては、当該法人は、社員総会の決議によって、法人を継続することができるものとする。

   (二) 社員の員数が一人となったことによって解散した場合においては、新たに社員を入社させた上、社員総会の決議によって、法人を継続することができるものとする。

       (注) 法人の継続の決議要件については、定款変更の決議要件と同様とするものとする。

 二 清 算

  1 残余財産については、清算人が、社員総会の承認を得て処分することができるものとする。

     (注) 処分の方法としては、社員に対して帰属させることも妨げないものとする。

  2 1のほか、清算については、基本的に、株式会社の清算に関する規定を準用するものとする。

第九 大規模な法人に関する特例

 大規模な法人(例えば、基金の総額が五億円以上又は最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が二百億円以上の法人)について、会計監査人の監査を義務付けることとし、基本的に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律中の会計監査人に関する規定を準用するものとする。

第一〇 公益法人から法人への組織変更

 一 社団法人から法人への組織変更

  1 社団法人の社員総会は、法人への組織変更の決議をすることができるものとする。

     (注)(1) 組織変更の決議においては、法人の定款その他組織変更に必要な事項を定めなければならないものとする。

        (2) 決議要件について、民法第三八条第一項の規定を準用するものとする。

  2 組織変更を行うには、債権者保護手続を経ることを要するものとする。

  3 組織変更を行うには、主務官庁の認可を要するものとする。

  4 組織変更の効力は、組織変更の登記を行うことによって生ずるものとする。

 二 財団法人から法人への組織変更

  1 財団法人の理事は、法人への組織変更の計画を定めることができるものとする。

     (注) 組織変更の計画においては、法人の定款その他組織変更に必要な事項を定めなければならないものとする

  2 法人の設立に際して社員になろうとする者を募集する場合の手続に準じた手続を設けるものとする。

  3 組織変更を行うには、債権者保護手続を経ることを要するものとする。

  4 組織変更を行うには、主務官庁の認可を要するものとする。

  5 組織変更の効力は、組織変更の登記を行うことによって生ずるものとする。

第一一 その他

 第一から第一〇までに掲げるほか、これらに関連する所要の規定を設けるものとする。