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2017年6月


泥縄にだけは、なってほしくない

山岡 義典((公財)助成財団センター理事長、(特活)市民社会創造ファンド運営委員長)

「1,000人は要るだろうね」

こんな会話が、私のオフィスで飛び交っている。
休眠預金の活用が本格化したときのプログラム・オフィサー(PO)の数だ。
1人のPOが扱える資金は、多くて年5,000万が限界だろう(丁寧に扱うなら3,000万程度か)。
すると500憶の資金を配分するには、最低で1,000人が必要になる。そういうことだ。

資金配分という仕事は、一見、見よう見真似で誰にでもできる。
お金を欲しい人は、幾らでもいるからだ。
しかし、社会的な資源を、ただのバラマキに終わらせてはいけない。

今、何が必要で、どこに何を出すのが最も有効か、資金を生かして使うにはどうすればよいか。
それを考え抜いて「助成プログラム」を企画開発し、その実効ある運営を担うのがPOという専門職である。
広い視野と緻密な社会的技術を必要とする。現場との対話能力も求められる。
PO自体は日本には未だ少ないが、POという職名にこだわらなければ、同様の職務をこなす人は、助成財団などにもかなりいる。
しかし、余るほどいるわけではない。むしろ不足している。
だから、すぐにかき集めるということは、殆ど無理といってよい。

休眠預金に限らず、助成後の評価について語られることは多い。それも重要だ。
しかし、ズサンな助成プログラムからはズサンな成果しかでてこない。
そんな例に、ときどき出会う。
「どうして、こんないい加減な助成プログラムに応募しちゃったのかね」と、可哀そうになることもある。

助成後の評価が高いのも低いのも、多くの場合は、そのプログラムがしっかりしているかどうかにかかっている。
最初に入口としてキチンとした助成プログラムをつくることが、まず大事だ。
それを抜きにして出口の評価ばかりに熱をあげるのは、何とも滑稽に私には見える。
投資の順序が違うのではないか。

では、どうすればよいか。
大した妙案は私にはないが、まず使う資金を一気に増やさないことだろう。
POの成長に合わせて、増やしていけばよい。
その前提の上で、資金配分を担いたいところは、まず密かにPOの適材を確保して、潜在能力をつけておくことだ。
視野を広げておくことも、その重要な要素になる。
あとは試行錯誤しながら、自主事業のOJTで、しっかりと力をつけておくことだろう。
これからはPO研修なども増えるだろうから、アンテナを張って、中身を吟味しながら、適当と思われる研修に参加するのもよい。泥縄にだけは、なってほしくない。

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