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2011年5月


そのとき、公益法人も動いた!

公益財団法人 公益法人協会 理事長 太田 達男

 東日本大震災の爪痕は余りにも大きい。

 未だ10万人を超える避難所生活を余儀なくされる人々、半数が身元も確認できない遺体、遅々として進まぬ仮設住宅、未だ被災者に行き渡らない義援金、瓦礫の処理も大半が残る、そして出口の見えない福島原発問題等、まさに、国難ともいうべき事態が続いている。

 ノーベル化学賞受賞者である野依博士が、「自分が生きていることが申し訳ないという気持ちすらする」と、新聞で語っていたが、これは、日本国民誰しもが共有する、率直な感情であろう。

 今、公益法人も何かできることはないか、少しでもお役に立ちたいという気持ちに駆られ、それぞれの特質を生かしつつ、救援活動に取り組んでいる。

災害支援のプロとして設立された(公社)Civic Forceが、翌日から開始した大々的な現地救援活動。

今度は私たちの出番とばかり、3月27日から、ちゃんこ鍋7万5,000食を炊き出している神戸の(公財)こども環境フォーラム

翌日から、山手線各駅を順次街頭募金し、財団から同額を集まった寄附金に足して、毎日、被災地の市民団体等に送り続けた、(公財)さわやか福祉財団

いち早く国内外でチャリティコンサートを続ける、(公財)東京二期会

緊急医療・看護チームを派遣する(公財)結核予防会(公社)日本看護協会(公社)日本キリスト教海外医療協力会(公社)地域医療振興協会(公社)日本産婦人科医会など。

仮設トイレや避難所の臭気除去のため消・脱臭財を送る、(公社)におい・かおり環境協会

人口肛門・膀胱など着用被害者へストーマー装具を送る、(公社)日本オストミー協会

盲導犬など介護犬とそのユーザーに焦点を合わせた活動をする、(公社)日本動物福祉協会(公社)東日本盲導犬協会(公財)日本補助犬協会

世界93カ国が加盟する世界組織の支援も受けて、物資を世界から集め炊き出し活動に従事する、(公社)全日本司厨士協会など、本来の専門性を生かした迅速な活動。

また、被災地において救援活動に携わる特定非営利活動法人その他の市民団体に、血液ともいうべき資金を提供する募金活動を、いち早く立ち上げた、(公社)日本フィランソロピー協会(公財)日本財団(公財)信頼資本財団

米国社会中心に国際的な民間寄附金を専門に取り扱う、(公財)日本国際交流センターなど。

本来の助成・奨学事業を大震災救援のため、多少でも傾斜配分してプログラムを組む、(公財)大和証券福祉財団(公財)JR西日本あんしん社会財団(公財)トヨタ財団(公財)北澤育英会(公財)警察育英会

出捐企業の母体から向こう1年間、取扱荷物1個について計算される金額の寄附を受け(前年実績から計算すると130億円に達するという)、復興支援助成事業を開始した、(公財)ヤマト福祉財団などの、資金面での支援活動。

 この他、日本赤十字、中央共同募金、新聞社、公益法人協会などの義援金・救援基金へ、数多くの公益法人が、寄附をしていることが報告されている。

 このような公益法人の活動の多くは、専門性や募金活動を含む資金力に裏づけられたものであり、一過性のものではなく、今後の普及・復興に向けた、中・長期にわたる持続力にも、大きな期待が寄せられている。

 公益法人協会では、このような公益法人の活動のうち、税制上の要件を満たすものついては、指定寄附金の扱いを受けられるよう、4月上旬から、関係方面への提言活動を、精力的に行っている。認定特定非営利活動法人については、すでに4月27日にその指定を受けているが、公益法人を除外するのは大変不条理である。

 幸い民主党も理解を示していただき、5月12日には、党として、「公益法人も指定するよう」政府への申し入れをするところまで漕ぎつけたところである。1日も早い実現を待ちたい。

 なお、先に紹介したこれらの事例は、公益認定等委員会事務局の調査に応えて収集された300弱の公益法人の事例のほんの一部にしか過ぎない。

この他にも移行を済ませていない特例民法法人や一般法人の事例を合わせると、1,000近くの事例が記録されている。

 本稿で紹介できなかった事例も含め、公益法人等の被災者・被災地救援活動は、今、大きなうねりとなっている。

 関心を待たれる方は是非、公益認定等委員会のホ―ムページである、公益法人information 内「東日本大震災関連情報」 
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/other/east-japan-eq.html
を参照していただきたい。

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