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2010年6月


2つの円卓会議による2つの「宣言」と公益法人

特定非営利活動法人日本NPOセンター 代表理事 山岡 義典

 この5月と6月、今後の非営利セクターのあり方を考える上で重要と思われる2つの「宣言」が発表になった。一つは、「社会的責任に関する円卓会議」(通称)が5月12日に発表した「『私たちの社会的責任』宣言~『協働の力』で新しい公共を実現する~」(その内容と背景は『公益法人』6月号参照)、もう一つは、「『新しい公共』円卓会議」が鳩山首相の辞任直前(6月4日)に採択した「『新しい公共』宣言」である(※)。

 前者は、その円卓会議を「事業者団体、消費者団体、労働組合、金融セクター、NPO/NGO、専門家、政府といった広範かつ多様な担い手が、「協働の力」で問題解決に当たるための新しい公共の枠組み(マルチステークホルダー・プロセス)」として位置づけ、「多様な組織や多くの国民が参加し、協働することを通じて、責任ある行動や選択を行っていきます」と宣言、今後取り組むべき4つの中長期的テーマを掲げている。

 後者は、「はじめに」において「私たち国民、企業やNPOなどの事業体、そして政府が協働することによって、日本社会に失われつつある新鮮な息吹を取り戻すこと、それが私たちの目指す『新しい公共』に他ならない」と総括し、続いて「『新しい公共』と日本の将来ビジョン」を描き、「『新しい公共』を作るために」として国民、企業、政府に対して具体的な提言を行っている。

 これらの宣言内容自体を論じることも重要だが、ここでは省く。強調しておきたいことは、いずれの宣言も「NPO/NGO」や「NPOなど」の重要性を認め、それらが他の社会的主体と「協働」することの意義を指摘している点である。当然この「NPO/NGO」や「NPOなど」は公益法人も含む。しかし果たして多くの公益法人は、そのような認識をもっているだろうか。社会全体の認識はどうだろうか。公益法人が単なる事業仕分けの対象としてだけでは、余りに寂しい。「NPOやNGOは我々とは別のもの」ではなく、「我々もNPOやNGOの仲間」という自覚こそが、特に長年の主務官庁制度から脱却した新しい公益法人には求められる。そしてその自覚が、社会全体の公益法人に対する認識も変えていくことになると思うのである。

(法政大学教授、公益法人協会評議員)


(※)「私たちの社会的責任」宣言~「協働の力」で新しい公共を実現する~
http://sustainability.go.jp/forum/meetings/archives/100512_gmsm.html

(※)「新しい公共」宣言
http://www5.cao.go.jp/entaku/shiryou/22n8kai/pdf/100604_01.pdf

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