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2007年11月


公益法人の悲鳴が聞こえてくる

理事長 太田 達男

 公益認定等委員会のガイドラインの中身が、薄紙が少しずつはがれていくように明らかになりつつある。しかし、その内容は詳細多岐にわたり、しかも難解で到底一般市民の理解に堪える代物ではない。予想される認定基準の解釈も、法律から政・府令へ、政・府令からガイドラインへと降りるにつれて厳しさを増す一方である。

 「不特定多数の者の利益」「経理的基礎、技術的能力」「収支相等原則」などもともと下位法令に委任していない事項が、ガイドラインにより大変厳しい条件が付けられそうだ。また、政・府令に委任されている事項もその解釈、適用条件、手続きなどについて厳しいだけでなく、現状と遊離した方向に向かいつつあるようだ。特に会計、財務に絡んだ事項にその感が強い。多くの公益法人、特に小規模法人から、これでは条件的にもまた事務的にも移行手続きに堪えられないという、悲鳴に似た声が出始めている。

 この公益法人制度改革は民間の自発的な公益を目的とする事業を奨励し、支援しようというものであった筈だ。これでは、民間公益活動の長所である、柔軟性、機動性、先見性、創造性といったものが殺されてしまうばかりか、新制度を利用して公益活動をしたいと考える人も、設立を諦めてしまうのではないか。もともと、主務官庁の裁量による不明朗な許可主義と、公益法人性悪説に立ったかの如き指導監督体制を撤廃し、代わって団体自治を尊重し、少子高齢化社会において民間公益団体がその知恵、資金、活力を使ってのびのびと活躍してもらおうという当初の理念が、雲散霧消したわけでは決してあるまい。
 
 出来上がった法律の枠組みは当然前提としつつも、可能な限りその解釈、適用基準、手続きなどについて、「温かみ」が感じられるガイドラインを作っていただきたいものだ。

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