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2007年5月


玉 石 混 交

理事長  太田 達男

  一般社団(財団)法人はなんともおかしな法人類型である。そもそもあるタイプの法人を創設するときに、どのような目的でそのような法人類型を創設するのかという目的規定が一般法人法にはない。法人の目的や事業には何の制限もない。残余財産は社員等関係者への分配も可能であるから、非営利性ということが特徴的な性格ということも難しい。


 筆者は、かねてから一般法人は法人の坩堝(るつぼ)となると言ってきたが、具体的には大きく分けて三つのタイプの法人が出現することとなろう。一つは実質公益法人だ。主たる事業は立派な公益目的だが何らかの事情で公益認定を取得しない(またはできない)法人だ。これを、仮に準公益法人と呼ぼう。二つ目は構成員の利益を目的とする同窓会、同好会、特定職域の社員親睦団体、などいわゆる共益法人だ。三番目は特定少数の利益を目的とする私益型一般法人だ。これはさらに二つのタイプに分けられよう。一つは会社の代替として事業展開に活用しようとするタイプだ。株式会社等の会社より一般法人法制を活用することに何らかのメリットを見いだすタイプで、これを企業型一般法人と呼ぼう。もう一つは財産の独立性に着目して活用するタイプだ。これは信託が「財産の安全地帯」として用いられるケースと酷似しており、流動化(証券化)資産の保全管理のためにSPV(特別目的装置)として使われたり、富裕層の事業・資産承継の仕組みとして活用されることになるのではないか。


 準公益法人は立派な公益組織だ。新法制の枠組みにあえて捉われることなく、税制上の優遇措置を期待することもなく、公益法人という名称にこだわることもなく、ただひたすら自らの使命を公益活動におく法人は、紛れもなく非営利公益セクターの一員だ。また共益活動も生活の営みに欠かすことのできない潤滑油のようなものであるから、共益法人は社会有用の存在といえよう。


 問題は私益型法人だ。経済活動を活発化させ発展させるという前向きのものもあれば、非営利に仮装して私益を貪るあるいは財産を逃避させるなどの法人も出現するだろう。


 このような玉石混交が予想されるなか、私たちは市民にとって本来有用な法人が少しでも多く設立されるよう願わざるを得ない。とりわけ準公益法人や共益法人が大勢を占めるためにはどうすればよいのか、市民がどのように法人のタイプを識別できるのか、大きな宿題が残されている。

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