昇竜にも似た飛翔の年に
昨年は、大震災・津波・放射能汚染により東北3県を中心として壊滅的被害が発生し、死者・行方不明2万人近く、損傷を受けた建物65万戸、そして厳寒の時期を迎えたこの時期に、未だ30万人を越す方々が、仮設住宅はじめ仮住いで不自由な生活をされている現状に、本当に胸が痛む思いです。
また、欧州財政危機とその影響で日本経済も不況が続きます。
このような状況を引き継いでの新年ではありますが、私たち日本国民は、その叡智と活力を発揮し、この国難を克服し、さらに新しい社会を作り上げる“昇竜にも似た飛翔の年”としたいものです。
とくに、私たち民間の公益活動の一翼を担う組織としては、本来の事業である活動を推進することが最も大切ですが、被災地の復旧・復興に向けた長い時間がこれからも続くことを考えますと、本来の事業目的に合致し、かつ、被災地・被災者の方々を念頭に置いた施策を考えていただくことも重要な時期と考えます。
公益法人の支援事業は、専門性が高く、持続的で波及効果もあるという評価をいただいておりますが、一つ一つの事業は小さくても、全部足し合わせれば大きな力と効果を生み出すものと思います。
もちろん、政府にはこれを後押しする税制はじめ各種の支援措置を引き続きお願いしていきたいと考えています。
昨日は、野田内閣における最初の「新しい公共」推進会議の会合が開催されました。
今回より、公益法人界からも一人ということで、私が委員の一人として参加させていただきました。
席上、今後検討すべき課題を自由討議しましたが、私からは、
① 公益法人制度改革3法の施行状況の検証と見直し
② 税制、とくに財産寄附および法人からの寄附についての拡充整備
③ 非営利法人の自発的で創造的な公益活動を制約する各種法令上の規制の見直し
の3点を提案した次第です。
今後、この会議の場においても皆様方のご要望等を発信して行きたいと考えています。
さて、特例民法法人の新制度への移行期間は2年を切りましたが、全国的には70%近くの法人が、これから申請という状況です。
一方、最初の頃の、森の木一本一本を見て、あれこれ問題点を指摘するという「木を見て森を見ざる」審査から、全体として、審査方針はかなり柔軟になり、森全体を見て判断する大局観を持って臨む姿勢に変わってきていると評価されます。
ただし、新制度の理念である民間の自発的な公益活動を推進するための改革という理念が、現場の審査担当官に十分浸透していない恨みがあり、とくに、財務・会計基準について法令からは読み取れない指導を受けるなど、旧主務官庁制度下における裁量行政と同じ感覚から抜け切れない、不適切な事例も出てきております。
これらについても引き続き是正要望を続けていきたいと思っています。
公益法人とよばれる旧民法法人は、申し上げるまでもなく、実にさまざまな分野で社会に貢献しています。社会にとって不可欠なインフラを、政府でもない企業でもない、文字通り第3のセクターとしての立場から担ってきております。
時代が移り変わり「新しい公共」の推進ということが大きく叫ばれている今日、公益法人はまさにその重要な担い手です。
おそらく困難な環境が続くと予想される2012年ですが、今年も私ども公益法人協会は精一杯頑張りますので、どうか皆様におかれては、夫々のお仕事に誇りを持って立派な事業を進められ、あわせて公益法人協会へもより一層のご支援、ご指導をお願いいたします。
(「公益法人協会 新年懇親会」(1/12)の席上における理事長ご挨拶を編集したものです)
