12 公益認定申請時における剰余金の取り扱いについて―2
認定申請のポイントシリーズ第12回
前回は、収支相償第2段階における経常収益の原資が寄附金等である場合に、指定正味財産とすることによる対処策を説明しましたが、今回は原資が会費や事業対価などの場合における収支相償への対応策を考えてみます。
2 対処策2(収益の原資が会費や公益目的事業対価である場合)
収支相償における剰余金は、基本的には遅くとも翌々年度までに公益目的事業に使用する、具体性のある将来の公益目的事業活動のための資金として積み立てる(特定費用準備資金)、あるいは将来の公益目的事業に使用する資産の取得に充てるため積み立てる(公益資産取得資金)ことにより収支相償を充足しますが、そのほかに公益目的保有財産の取得に充てることも認められています。
この公益目的保有財産に金融資産が含まれるかどうか、従来は必ずしも明確ではありませんでしたが(ポイントシリーズ4参照)、公益目的保有財産は「継続して公益目的事業の用に供するために保有している財産」(認定法施行規則第25条第2項)と規定されていることから、次のような要件を整えた基金として保有すれば「公益目的保有財産」として認められ得ると考えられます。
①果実を特定の公益目的事業に使用すること
②元本の取り崩しを前提とすることは認められないが、真に已むをえない事情により取り崩さざるを得ない事情が発生した時は、理事会等の機関決議を要すること
③基金への繰入れは理事会において決議した財産及び果実のうち使用しなかった金額又は寄附者が指定した財産に限ること
④以上を含む管理規則が制定されていること
なお、繰り入れた剰余金が実質的に遊休財産化していると認められる場合は、「当期の公益目的保有財産の取得」として認められないこともありますので留意する必要があります。
(付記事項)
ポイントシリーズ11及び12の説明対象はあくまでも認定申請時の収支相償計算において剰余金が生じた場合の取り扱いですが、
1 認定申請時においてすでに固定資産として保有していた財産(金融資産を含む)については、それぞれの資金等の性格や使途により遊休財産控除対象財産の1号ないし2号あるいは5号ないし6号に該当することを合理的に説明することにより申請することができます。(ポイントシリーズ2参照)
2 また、移行後において収支相償計算上剰余金が生じた場合も、本文と同様の考え方が適用されます。 なお、当然のことではありますが、翌年度以降に向け収支の見込みをしっかりと立てた上で、過大な剰余金が生じないよう公益目的事業の拡大や、適正な会費や事業対価の額を検討することも必要です。







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