11 公益認定申請時における剰余金の取り扱いについて―1

認定申請のポイントシリーズ第11回

 公益認定申請をする際、収支相償の計算第2段階(申請書別表A(1))において剰余金が生じる場合があり得ます。この場合、基本的にはガイドラインにおいて公益目的保有財産の取得、公益資産取得資金の積立て又は遅くとも翌々事業年度までに公益目的事業に使用することが求められています。この取り扱いについてはポイントシリーズ4(本年1月)で説明しておりますが、その後公益認定等委員会での検討も進み、ある程度具体的な考え方が明らかになりましたので、改めて本ポイントシリーズでその対処策を2回に分けて解説します。今回は収益の原資として寄附金及びその果実がある場合の対処策です。次回(ポイントシリーズ第12回)は会費や事業対価などにより利益を生じた場合の対処策を予定しています。

1 対処策1(収益の原資として寄附金及びその果実がある場合)
 寄附金の受入れは、事業年度により必要以上に多額となる年もあれば少なくなる年も当然にありえます。では、寄附金を受け入れる場合どのように会計処理することが適切といえるでしょうか。
 例えば、寄附金や寄附された財産の運用収入が1000万円ある場合、これを一般正味財産として受け入れた場合、その年度の事業費が800万円であるときは200万円の剰余金が生ずることになります。そこで、1000万円を寄附者の使途・処分等の指定・制限の意思を受け入れて「指定正味財産」として収納します。そのうえで、その期に必要な額(利息に加え必要なときは元本も)、事例では800万円を一般正味財産に振り替えて支出すれば、第2段階は収支相償となります。残りの額(事例では200万円)も、必要な時に一般正味財産に振り替えれば常に収支相償となります。もちろん、一般正味財産からの使途は何でもよいということではなく、寄附者の意向に沿った公益目的事業の費用として使用されなければなりません。
 複数年度に亘る事業のための反対給付のない補助金等も、同様に指定正味財産として受入れの処理をすることができます。
 「指定正味財産」は、平成16年度の会計基準の改正により導入され、いわゆる平成20年度会計基準(内閣府公益認定等委員会 平成21年10月16日改正)及びその運用指針によれば「寄附者等の意思により使途、処分又は保有形態について制約が課されている資産を受け入れた場合」に、貸借対照表上に「指定正味財産」として区分して記載します。このような会計基準に基づく会計処理により、一般正味財産へ振り替えた価額のみが、認定法5条6号に定める「公益目的事業に係る収入」、また同14条に定める「公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入」の「収入」に該当するとの解釈によるものです。
 なお、このように指定正味財産とした寄附金等については、その性格により遊休財産の控除対象財産である5号(交付者が定めた使途に従って使用し、若しくは保有している財産)又は6号(交付者が定めた使途に充てるために保有している資金)を含む認定法施行規則第22条第3項の各号に該当し得ます。

by 公益法人協会 
コメント
  1. 指定正味財産として計上される額には、運用収入を含めることができるのでしょうか。
    会計基準上は、他から受け入れた資産について使途等に制約がある場合に指定正味財産とする、と理解しておりましたが、
    運用収入も一般に振り替えず残すことが可能なのでしょうか。

    by 勉強中です。  2010年08月03日 17:15
  2. 勉強中ですさん、
    指定正味財産から生じた果実(利子配当その他)も指定正味財産です。必要な額だけ一般正味財産に繰り入れてください。

    by 太田達男  2010年08月04日 21:24

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