認定申請のポイントシリーズ第13回
ご承知のように一般法人法では、「一定範囲の社員から選挙等により選出された者を、その一定範囲の社員を代表する者」とするいわゆる代議員制度を設けていません。しかし、従来代議員制度を採用している社団法人などが数多く見られることから、内閣府では5要件を充足することにより、代議員制度と同様の効果を認めています(「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の案を作成するに際して特に留意すべき事項について」参照。以下「留意事項」という)。
ところが、この5要件を充足する代議員の選任時期について、移行登記日前に実施しておかなければならないのか、移行登記日以降でもよいのかという点について、法人からの質問や相談が大変多くなってきています。
ポイントシリーズ13はこの点について解説するものです。
1 従来から代議員制度を採用している場合
すでに代議員制を採用している特例民法法人は移行前に5要件のすべてを備えた定款に主務官庁の認可を受けて一旦変更し、さらに、その定款による代議員を選定した上で移行申請しなければならないとする指導も一部にあるようです。これは、「留意事項3代議員」の(注1.P65)に「新制度の施行前から既に上記のような代議員制を採っている特例社団法人において、移行後も代議員制を採ることとする場合には、本文の考え方の趣旨を踏まえた方法により代議員(社員)を選挙することが必要となる。仮に、従来の運用において、理事(理事会)が代議員(社員)を選挙していた特例社団法人については、理事(理事会)から独立した形で代議員(社員)選挙を行った上で新制度に移行する必要がある。」の解釈によるものと思われます。
しかし、多大の労力を必要とする移行申請の準備に加えて、移行前の定款変更と新制度による代議員選出を、すべての場合において移行前に必ず実施していなければ移行を認めないという趣旨ではなく、旧制度下において主務官庁も認めていた民主的な選出方法によって選出されていると評価できる場合には、移行登記日から施行される5要件を満たす定款変更によって、移行後に新たな選出方法に基づき代議員を選出することも認める趣旨と考えられます。しかし、会員が関与することなく理事(理事会)が代議員を選出していたり、代議員選出を他の法人や団体に完全に委ねているような極端なケースについては、移行登記日現在における代議員(社員)の正当性という点で極めて問題があるという観点から、5要件を充足する移行前の代議員選出を要請されることもあり得ます。
なお、直近の選出された代議員を最初の代議員とみなす運用を行う場合、附則で「この定款の施行後最初の代議員は、特例民法法人時に行われた直近の代議員選挙において選出された者とする。なお、任期については従前のとおりとする」との定めを置くことにより、特例民法法人時に選出された代議員を移行後の法人の代議員とみなすことになります。
2 移行を機会に新たに代議員制度を採用する場合
これに対し、特例民法法人のときには代議員制度を採っていなかった法人が、新たに代議員制度を採用しようというときはどうでしょうか。この点について「留意事項」をみると「新制度の移行に伴って代議員制を新たに採ることとする特例民法法人においては、旧民法上の社員の地位を有していた者に対して代議員の選挙権を付与しないものとすることは合理的な理由がない限り許されない。」と定められているに留まっており、特段移行前の新制度による代議員選出を要請しているものではありません。したがって、移行後において5要件を充足する新定款に基づいて代議員を選出することも認められると思われます。