4 収支相償(第2段階)の剰余金で取得する金融資産は事情によっては、公益目的保有財産の取得と認められ得る場合がある

認定申請のポイントシリーズ第4回

 ご承知のように、収支相償計算の第1段階で、収入が費用を上回る場合当該事業の特定費用準備資金として整理することが原則ですが、剰余金が予想外の事情により発生し、毎年剰余金の発生が恒常的に続くようなものでない場合は、翌年度(場合によっては翌々年度)までに解消することを説明することにより、収支相償の基準を満たすものとして取り扱うことも可能とされています。
 また、第2段階での剰余金は、同じく特定費用準備資金として整理することが原則ですが、公益目的保有財産に係わる資産取得資金に繰入れたり、当期の公益目的保有財産の取得に充てたりする場合、本基準は満たされているものとして取り扱われることとされています(以上ガイドラインⅠ-5およびFAQⅤ-2-⑤)。
 この場合公益目的保有財産の取得(上記下線部分)には、金融資産も含まれるかという質問がよくあります。
 認定委事務局では、この点についてかなり慎重な考え方のようです。
 すなわち、土地建物や機械などの実物資産は実際の使途との関連性が比較的明確に把握できますが、金融資産については単に取得するだけでは、直ちに公益目的事業に使用するとは判断できないことが理由のようです。
 しかし、単に貸借対照表上基本財産や特定資産として区分したというだけでなく、取得した金融資産を実際に公益目的事業に使用することについて合理的な説明ができれば、個別の事情を斟酌して公益目的保有財産として認められ得る場合も十分考えられます。
 なお、以上は収支相償第2段階の取扱ですが、公益目的事業が1個しかなく、かつ収益事業等を実施していない場合は、第1段階の計算はなく直接第2段階で判定されます。また、公益目的事業が複数ある場合でも、公益目的事業の共通の収入・費用がある場合は第2段階の判定に進みますから、これらのケースにおいても剰余金を金融資産としての公益目的保有財産とすることが個別事情によっては可能になります。
 また、この取扱は移行後だけでなく、申請時においても同様の取扱が可能です。

by 公益法人協会 
コメント
  1. 収益事業をやってない財団です。金融資産の運用益のみが財源です。この場合,たとえば配当金の減少を見込んで将来の事業に準備金を積んでおきたいと考えて剰余金を処理しょうとして申請しましたが認めてもらえませんでした。将来このようなケースもある一定の制限のもとに認められるようになればと思います。確か無目的にため込むのは良くないですが配当金には増減がつきものですから。安定的に事業を継続していくにはこのような蓄積の方法も認められて当然だと思っています。如何なものでしょうか。

    by 認定申請中  2010年01月14日 13:38
  2. 認定申請中さん、ご投稿有難うございます。

    1 移行後の決算(または申請時の予算)において収支相償計算上剰余金が出た場合、将来の運用収益変動に備えて、剰余金は特定費用準備資金の要件を満たすことができれば、特定費用準備資金(公益目的保有財産)として保有することは、本来的には認められます(FAQⅤ-3-④-4)。
    2 特定費用準備資金の要件を満たしていないで単に、金融資産を公益目的保有財産とした場合、実物資産と異なり本当にその目的で使われるかどうか必ずしも明確でないという理由で、認定委事務局は慎重な態度をとっていますが、この場合でも理由をキチンと説明されれば個別事情を斟酌して認めてもらえる余地はあるというのがポイントシリーズ4の趣旨です。

    by 太田達男  2010年01月14日 15:42

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