2009年11月17日
木を見て森を見ざる類は困る
新制度施行日から間もなく一年経とうというのに、今日現在移行認定・認可申請件数はわずか300数十件、特例民法法人のわずか1.5%弱にしか過ぎないが、現に申請を提出した法人や事前相談をした法人から、担当官の対応について悲鳴にも似た情報がいろいろなルートから公法協に寄せられている。
悲鳴は二つに大別される。一つは定款変更案について法令違反若しくはその疑いがまったくない条項についても枝葉末節とも言うべき文言変更を迫られるケース、もう一つは財務・会計的な部分であまりにも詳細または不適切な指摘を受け、追加資料の提出など説明を求められるケースだ。
新制度は2002年の閣議決定「公益法人制度の抜本的改革に向けた取り組みについて」以来、本格的な論議が重ねられてきたものであるが、その論議の過程で最も重視された点の一つは、主務官庁制度におけるような担当官の裁量的審査を排し、認定基準をできるだけ明確にし、申請者の予見可能性を極力高めるものとすることであった。
しかし、最近の審査実例を見るとこの点が不徹底で、形を変えた主務官庁制の復活ではないかとさえ慨嘆する向きもある。
ある専門的領域や観点から些細な問題点を発見し、市民感覚からは理解しがたい担当官の論理で考える形式に当てはめようとする審査姿勢は、とかく木を見て森を見ざる結果になることがある。このような審査姿勢が、新制度の理念と方向を見失い、全体として立派な公益活動を無理に歪めてしまうことになってしまうことがあることを理解してもらいたいものだ。
公益財団法人 公益法人協会 理事長 太田 達男
※ この記事は平成21年11月13日発の公法協E-mail通信(091113)、及び公法協Webサイトの最新コラムと同じ内容です。
by 公益法人協会







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