2009年07月06日
個人住民税の寄附金控除の適用
ご承知のように公益認定を取得すると、自動的に税法上特定公益増進法人なりますが、地方税については、当該都道府県及び市区町村の条例指定を受けた場合、次の寄附金控除の適用が受けられます(地方税法37①三,37の2①,314の7①三)。
〇 都道府県民税の税額控除 (寄附金額)-5,000円 × 4%
〇 市区町村民税の税額控除 (寄附金額)-5,000円 × 6%
そこで、当協会の住所所在地である東京都及び文京区について、条例指定状況を調べましたのでご報告します。
東京都は、所得税の控除対象寄附金のうち、条例で指定した都内に主たる事務所又は事業所を有する法人又は団体に対する平成21年1月1日以後に支出した寄附金で、平成22年度分の個人都民税から控除されます。東京都が条例で指定する寄附金は、財務大臣が指定したもの(所得税法78②二)、特定公益増進法人(同条②三)及び国税庁長官の認定を受けたNPO法人(措置法41の18の3)に対するものです。つまり公益認定法人も特定公益増進法人として、個人都民税の寄附金控除対象となります。
しかしながら、文京区の区議会では、平成21年度に可決された特別区税条例の一部改正議案(第2回定例会35号議案)には公益財団法人及び公益社団法人は対象になっておらず、残念ながら今年の寄附については市区町村民税の税額控除の適用はありません。
なお、他の道府県についてもサンプル調査を行いましたが、ほとんどの都道府県はすでに条例改正により特定公益増進法人を指定していると思われますが、市区町村においてどの寄附金が指定されているか不明です。当協会でも調査を進めますが、この日記をご覧になった方で情報をお持ちの方はお知らせください。
相談員 星田 寛
by 公益法人協会







「都内に主たる事務所又は事業所を有する法人又は団体に対して支出した寄附金」を条例指定するというのは、一見、妥当なようにも思えますが、実は、今回の歴史的税制改革への、極めて危険な挑戦だともいえます。
言うまでもないことですが、上記は、寄附金が東京都内だけで循環することを、東京都は推奨することになります。これでは都内の寄付者を大混乱に陥れることになるでしょう。
このことは次の二点から、今回の税制改正の精神を踏みにじります。
第一に、大都市(とりわけ東京)から地方への寄付を推奨するために設けられたも「ふるさと納税」の精神に反します。
「ふるさと納税」では、都の範囲を越える地方の自治体への寄付が推奨され、かつ地方税の税額控除は受けられるのに、東京都の条例では、地方の民間公益団体は受けることができません。古めかしい官民格差の象徴です。
第二に、地方で公益認定された公益法人(公益目的事業が一都道府県内に留まるもの)に対しても、国税である所得税の控除が受けられますし、同じく国税であるみなし譲渡所得税の非課税の対象となります。これは、国のほうが、公益活動に対する期待を大きく打ち出しているのに対して、東京都の条例は、その精神に全く応えていません。
今回の法改正では、他府県への団体の寄付も条例指定することができるようになっています。
また、企業の寄付は、従前より、行政区域に関わりなく、法人税の損金算入可能な寄附金は地方税も連動します。
これらを承知の上で、東京都は利己的で狭量な条例を作り上げたということになるでしょう。
寄付をするというのは、そもそも利他的な行為であり、自治体といえどもその精神に連動すべきではないでしょうか?
公益活動は社会全体が公益活動を推進してこそ成り立ちます。
寄付者、民間団体、国がその体制に入っている中、東京都がこのような条例を指定することが理解できません。
東京と地方の格差が大きく問題となっている現在、公益法人協会は、上記のような東京都の対応に対して、どのようなお考えをお持ちでしょうか?見解をお聞かせ願えれば幸甚です。
アンチ・ジャンアンツ さん、
ご意見ありがとうございました。
まだ、公法協としての正式見解はまとめていませんが、私個人としては、全く貴見解に同意見です。
私としても、地域限定ではなく、所在地にかかわらず広く条例指定がなしうるものと期待していました。
東京都だけではなく、恐らく他の都道府県でも同様の限定主義をとっているのではないかと懸念しています。
今後対応策を考えていきたいと思います。