(F-2)収支予算書を事業区分別の損益ベース予算書(別表G)に展開するプロセス(後半)

解説の手順
表題(前半)は、三つの事前作業(事業区分・経常費用の配分方法・勘定科目の見直し)、別表F(1)役員報酬と給与手当をご説明しましたが、ここでは表題(後半)にあたる別表F(2)その他の費用の配賦計算表と別表G収支予算内訳表の作成手順を解説致します。

別表F(2)その他の費用の配賦計算表
これは正味財産増減予算書(承認済の平成20年度資金収支ベースの収支予算書を変換)に記載されている各物件費(事業費と管理費の合計金額)を、勘定科目ごとに、公益目的事業会計(当協会の場合は、公益目的事業1・公同2・公同3別に経理区分)、収益事業等会計(当協会は、該当しないので空欄)及び法人会計に経理区分する、所謂事業費と管理費を合算した経常費用を再配分する作業です。
ここでは、各物件費の「配賦基準」をどう決めるかということが問題になります。当協会は、「配賦基準」として次の通り設定しました。

配賦基準


配分方法

内容

直接対応各事業で明らかに当該発生が見込まれる科目
職員従事割合職員25名の各事業における従事比率を一人当たりに換算
役員従事割合役員 5名の各事業における従事比率を一人当たりに換算
全体従事割合役職員25名の各事業における従事比率を一人当たりに換算
その他当該科目が、直接対応、従事割合他の小科目を含む場合
管理費のみ当該科目が、管理費のみの場合

参考事例を、いくつか次にお示しします。「福利厚生費」は、役職員の「法定福利費(社会保険料等)」と法定外の「福利厚生費」が小科目ですが、前者は個々人の法定福利費の合計ですから「直接対応」、後者は全員が共通に対象となるので「全体従事割合」で算定しました。配分方法は「その他」ですが本申請書では「全体従事割合」と記載しました。
「旅費交通費」は、「役員通勤手当」「職員通勤手当」「旅費交通費」が小科目ですが、通勤手当は、各役職員の通勤費の合計ですから「直接対応」、また旅費交通費は個別の事業に対応する「直接対応」で算定しました。
「減価償却費」は、対象となる固定資産はパソコン・サーバですが、各個人に配布する「直接対応」とすることもできますが、本協会の業務は兼務(管理部門の総務担当が公益事業も担当)が通常ですので、本申請では「全体従事割合」が現実をより正しく反映すると判断し、「全体従事割合」と記載しました。
会議費・会場費・謝金・租税公課・図書購読費等は、各事業に配賦可能できますので「直接対応」とし、消耗品費・光熱水料費・賃借料・清掃料等は、「全体従事割合」としました。諸会費・手数料等は、法人会計のみに留めました。

この結果、正味財産増減予算書の役職員の人件費を含む管理費62,040,000円の内、19,944,037円が公益目的事業会計の事業費に再配分され、公益目的事業比率を9.5%(経常費用総額の9.5%に相当)ほど向上させることができました。
なお、一つの勘定科目の小科目に異なる配分方法がある場合は、別表F(2)その他の費用の配賦計算表に直接記載せず、一旦手元資料を作成しその合計額を転記する方法をお薦めします。急がば回れです。

別表G収支予算内訳表
経常収益の部
正味財産増減予算書の基本財産運用益は、別表G収支予算内訳表(以下、別表G。)の公益目的事業会計の「共通」へ、入会金・会費は、60%を公益目的事業会計の「共通」へ40%は法人会計へ配分(※)しました。それぞれの事業収益は、該当する公益目的事業会計の公1・公2・公3に記載します。念のため、正味財産増減予算書の収入額との一致を確認します。「経常収益計」は自動計算されます。
※ 「「会員等の位置づけ及び会費に関する細則」第9条で、会費及び入会金は、毎事業年度おける合計額の50%以上を公益目的事業に使用する」と規定しています。

経常費用の部
(前段に説明しました)別表F(1)役員報酬・給与手当と、本後段の別表F(2)その他の費用の配賦計算表の金額を、別表Gの経常費用の公1・公2・公3・共通・法人会計の各欄に、勘定科目ごとに転記します。この時、勘定科目の記入行数が不足の場合は、記入者が適宜「行を挿入」することが必要です。「経常費用計」及び当期経常増減額は、自動計算されます。

経常外増減の部
正味財産増減予算書の経常外収益(該当なし)と経常外費用である過年度分役員退職慰労費用及び同職員退職給付費用の金額を、別表Gの経常外費用(法人会計)の欄に、その科目名を記載し金額を転記しました。別表G最下段の当期一般正味財産増減額も自動計算されますが、念のため、正味財産増減予算書の最下段の金額が一致することを確認します。これで、全ての作業が完成します。

以上