(D-1)事業の整理と区分の仕方

 公益法人の事業も多岐にわたる場合があります。公益目的事業のほかに収益事業や共益事業なども付随して実施することが現行法でも、また新制度でも認められています。このような様々な事業を公益認定申請時には、事業の実態や性質に即して区分される単位ごとに記載する、すなわち、類似、関連するものは同一の事業としてグルーピングすることが認められています。したがって、定款や事業計画に記載された事業単位とは必ずしも一致させる必要はありません。

 これらの事業区分は、申請書上公益目的事業、収益事業その他の事業の3種類に大別され、さらにそれぞれの事業ごとに一つまたは複数の事業単位に分けることができます。

 事業単位を纏めるにあたって注意することは、まずそれが公益目的事業の単位であれば、単位ごとに公益認定法別表のどの事業に該当するか、そしてその事業単位が不特定多数の者の利益増進に寄与している事実を説明しなければならないことです。つまり公益目的事業単位ごとに公益性が判定されます。たとえば、事業A,事業B,事業Cをグルーピングして公益目的事業1、事業Dを公益目的事業2としたとします。かりに、事業Bに公益性が認められないと公益認定等委員会が判断した場合、公益目的事業1全体が収益事業等とされる可能性がありますので注意が必要です。

 ついで、申請上公益目的事業とした事業単位ごとに収支相償計算をすることが必要となります。また、公益目的事業の経常費用の合計は公益目的事業比率の分子・分母に反映され、収益事業、その他事業と区分した事業の経常経費は公益目的事業比率計算における分母としてカウントされます。さらに遊休財産の控除対象財産の算出において、これらの事業区分が関係してきます。

 したがって、事業単位をグル-ピングするに際して、上記のことを十分勘案してまとめていくことが重要です。いったん、グルーピングしても、試算の結果収支相償など財務比率計算上思わしくない結果が出る場合には、元に戻ってグルーピングの仕方を変えて試算することを繰り返すことも有効でしょう。

コメント
  1. 配賦基準について

    共通費用の配賦基準として職員数比などの例が示されています。
    職員数が3名程度の法人の場合、全員が管理も複数の事業も
    行う形になりますので、事業のウェイト付けが難しく、従って配賦がうまくいきません。結局、管理や各事業に直接かかった費用(配賦の根拠がない費用)を積み上げた費用割合で配賦すると納得的なものになるのですが、このような配賦基準でも認められるのでしょうか。

    by 中企研  2009年04月24日 16:49
  2. 中企研さん、No.1への回答です。
    「管理や各事業に直接かかった費用(配賦の根拠がない費用)を積み上げた費用割合で配賦する」という意味がよくわかりません。直接かかった費用はまさに各事業ごとの費用の積み上げに一致しており、「配賦の根拠がない費用」とはならないのではないでしょうか。
    しかし、申請の際の計算関係の付属別表作成の場合、過去にさかのぼってそのような「管理や各事業に直接かかった費用」計算をすることは不可能に近いのではないでしょうか。むしろ3人の職員の各事業ごとの従事割合を大体の目安で決めた方が簡便と思いますが。

    by 太田達男  2009年04月26日 08:20