(F-1)収支予算書を事業区分別の損益ベース予算書(別表G)に展開するプロセス

はじめに
公益認定の申請書である、別表A収支相償、別表B公益目的事業比率、別表F(1)役員報酬・給与手当、同(2)その他の費用の配賦計算表、別表G収支予算内訳表をいかに捌くか。どの書類から手を付けるのか、感覚的には別表Aから順序よく片付けたいは人情ですが、アルファベット順は作業順番とは無関係です。いきなり別表Aは作成できません。前提条件として、当方の事業年度は4月~3月、公益認定申請は平成20年12月1日、従って対象事業年度は平成20年4月1日~同21年3月31日となります。

正味財産増減予算書
平成20年度の「収支予算書」を、損益ベースの「正味財産増減予算書(電子申請添付資料30)」に作り替えます。当たり前の事ですが、決算承認を頂いた平成19年度の「正味財産増減計算書(電子申請添付資料43)」の正味財産期末残高と平成20年度のそれが、それぞれ一致していることにご注意下さい。またここでは、あくまで平成20年度の「収支予算書」が基準になることを念頭に入れて置いて下さい。

解説の手順
解説の内容は、三つの事前作業→別表F(1)役員報酬→別表F(1)給与手当→別表F(2)その他の費用の配賦計算表→別表G収支予算内訳表の順序で進みますが、ここでは前半の三つの事前作業→別表F(1)役員報酬→別表F(1)給与手当までを解説致します。別表F(2)その他の費用の配賦計算表→別表G収支予算内訳表は、次回に解説致します。

三つの事前作業
最初は事業を区分する作業です。公益目的事業会計、収益事業会計及び法人会計に、又必要があれば事業会計を更に細分化します。当方は、公益目的事業会計と法人会計の二本立てとし、20ある公益目的事業を公1、公2、公3と3事業に細分化し、又会費(入会金を含む)収入は60%を公益目的事業に、40%を法人会計とし、前者60%の金額は、公益目的事業会計の「共通」欄に、後者40%は法人会計に記載しました。
※ 電子申請添付資料5に記載する、公益目的事業及び収益事業とその区分化の解説は、ここでは省きます。
※ 当方では、会費等の公益目的事業への使途として、「会員に関する規程」(電子申請添付資料47)で、「毎事業年度における合計額の50%以上を当該年度の公益目的事業に使用する」と定めています。

人件費の従事割合の作成
役員、職員、顧問、専門委員29名の事業別従事割合を、公1・公2・公3及び法人会計へ5%刻みで作成しました。従事割合の算出基準は、平成20年度の「収支予算書」を作成した時点での従事割合としましたが、ストップウオッチで正確に計算は出来ませんので、過去の経験を基に、役員を含め一人ひとりの時間配分を事業ごとに行いました。
次に、役員、職員及び役員・職員合計のそれぞれ三つの平均値を算出します。合計値を当該人数で割れば計算できます。この時、それぞれの従事割合の合計値は1(100%)になりますが、これら三つの数値は、別表F(1)給与手当・(2)その他の費用の配賦計算表作成時に使用します。
※(財)公法協では、既に実態に合わせた個人別・事業別従事割合をもとに、人件費を配分した収支予算書を作成していました。しかし、10年前の事でしたので、公益認定申請を想定していたわけではありません。

勘定科目の小科目の見直し
「役員報酬」という勘定科目(中科目)の中身(小科目)を見直しました。当初、「役員報酬」の内訳は、役員給料のみでしたが、役員諸謝金・原稿料・印税を物件費の諸謝金から分離し、役員報酬に含めました。同時に、「役員及び評議員の報酬並びに費用に関する規程」と「役員等への講師及び原稿執筆謝金の支払いに関する規則」を改定しました。役員報酬額を一層透明性の高いものとしました。

別表F(1)役員報酬
役員給料は、役員個別の「従事割合」に基づき各事業・法人会計に配分し、又諸謝金・原稿料・印税は、当該役員の「直接対応」で算出しました。その合計金額を、別表F(1)役員報酬の公1・公2・公3及び法人会計の欄に記載しますが、一つの勘定科目に異なる配分方法がある場合は、直接に別表F(1)役員報酬の欄に記載せず、一旦手元資料(内訳)を作成しその合計額を転記する方法をお薦めします。急がば回れです。

別表F(1)給与手当
職員の給与手当は、職員個別に記載する必要はありません。職員全員の合計金額を記載します。当方では、職員・顧問・専門委員25名の給与手当を、それぞれの「従事割合」に基づき、事業別・法人会計に配分した手元資料(内訳)を作成した後、別表F(1)給与手当の公1・公2・公3及び法人会計の欄に合計額を記載しました。

以上