(A-3)事業

 事業については現行定款(第4条)では ①公益法人の育成事業 ②公益法人の問題に関する調査研究事業 ③監督官庁への協力事業 ④公益法人間の交流事業 ⑤公益法人関係者の福利厚生事業 ⑥その他、目的を達成するに必要な事業となっています。

 創業後35年を経て、実際の事業の中身は多岐にわたり、また内容も変化してきていますので、これを機会に公益目的事業を次のように三つに整理しました(定款変更案第4条)。


  1. 民間公益活動の普及啓発事業
    この事業には書籍企画・出版、ウェブサイト・メール通信、シンポジウム、インターンシップなどの事業が含まれます。
  2. 民間公益組織の支援及び能力開発事業
    この事業には、相談事業、セミナー、講師派遣、機関誌頒布、情報公開共同サイトなどの事業が含まれます。
  3. 民間公益活動、組織及び制度の調査研究及びそれに関する提言事業
    これには、自主調査研究、受託調査研究、協会内外の委員会等が含まれます。

 これらを公益目的事業と位置付け、さらに将来 1 ~ 3 のカテゴリーに属さない公益目的事業の発生を考慮して「その他、公益目的を達成するに必要な事業」を第4号としました。もちろん、新事業は公益目的事業の種類の変更に該当するので、実際に行う場合は、行政庁の認定が前提となります(認定法§11①二)。

 また、条を改め公益目的事業以外の事業を規定しました。当協会では公益法人役職員の団体傷害保険の取り纏めをごく僅かですが実施していますので1号として「民間公益組織関係者の福利厚生事業」を、2号として「その他前号に定める事業に関連する事業」を掲げました(定款変更案第5条)

 公益目的事業とその他の事業を一つの条で規定することも可能ですが、当協会では区分したほうがより明確になると考え、当協会モデル定款3訂版どおり条を分けた次第です。

 なお、これら公益目的事業の申請書別紙2における記述については、解説D「事業の整理と区分の仕方」および解説E「公益性(不特定多数の者の利益増進に寄与すると考える理由説明)」で、別途説明する予定です。

 なお、この解説でお分かりにならないことがあれば、下のコメント欄より質問願います。順次お答えいたします。

コメント
  1. 弊財団は、大別すると、財団独自で展開する事業と地方自治体からの受託事業の2本柱という構成です。そして、独自事業と受託事業の明確な棲み分けがあるわけではなく、両事業ともセミナー等、類似の事業を展開しております。(つまり、資金の出所で2つの事業を分けているようなものです)
    このような場合において事業のグルーピングをするにあたり、「事業の内容」に注目してグルーピングしても問題はないでしょうか?
    受託事業はひとつの事業としてグルーピングした方が良いといった認定側の基準(指針)はあるのでしょうか?

    by ブルーな事務局員  2009年03月17日 13:30
  2. ブルーな事務局員様   1に対するコメント

    貴財団が地方自治体から受託しておられる事業の「受託」の実態についてよくわかりませんが、もし当該事業の実施主体は地方自治体ということで、貴財団の役割が地方自治体からの具体的な指示に基づき業務を執行するだけのものであるときは、貴財団の行っている事業は単なる事務受託事業ということになります。この場合、例えば、介護事業を地方自治体等が実施することは(広義の)公益事業ですが、その具体的な役割を担っている看護士さんが公益事業を個人的に行っているわけではないのと同様、当該受託事業は公益目的事業にあたらないのが通常です。一般にその受託が公益目的事業であるというためには、その事業の受託を通じて貴財団が不特定多数の利益の増進のために何らかの付加価値をもって貢献しているという説明が必要です。例えばセミナー等の受講者が不特定多数であるとかということだけでは不十分と考えます。セミナーの開催した結果不特定多数の利益が増進されましょうが、その功績(表現として不適切かもしれませんが)は資金を負担した地方自治体にまず帰属するものであり、普通の事務委託にとどまっているときは貴財団には帰属していません。また収支相償についても、地方自治体の定めたルールのもとで余剰があれば還付、不足があれば補填を受けることにより必ず0円になる運用となっているケースが多いようです。このため特別会計として区分経理をしていられることもあるようです。
    これに対して貴財団独自で展開する事業(自主事業)は別の性格のものです。貴財団の財源と創意工夫でなさっている事業であり、セミナー等の開催であればガイドラインの公益性の有無の判定基準に照らし公益目的事業かどうかの判断がなされるべきものです。収支相償についても、仮に条件を充足しないときは、貴財団の運営を見直すことによりクリアされるべきものです。
    上記のとおり理念的には2つの事業は別物と考えられます。
    ただし、例えば地域の文化向上のためにセミナ、講演等を開催しておられるのでしょうから、自主事業に加えて受託事業を受託することにより、相乗効果が求められるとか、規模の利益を求められるのでより低廉なコストで不特定多数の利益の増進が図られているとか、あるいは単なる作業の請負ではなく一定の裁量権があり創意工夫を凝らすことにより貢献しているとかの事情があると思います。こういうことが受託にあたっての貴財団の付加価値であるので、この受託も貴財団の公益目的事業であると説明する道はあろうかと存じます。この場合は両事業をひとつの事業としてグルーピングすることになりましょう(地方公共団体の要請がある場合の区分会計は例えば公1事業のさらにその内訳の区分として内部的にもつことになるかと思います)。

    私が一番わからないことは「独自事業と受託事業の明確な棲み分けがあるわけではなく、両事業ともセミナー等、類似の事業を展開しております。(つまり、資金の出所で2つの事業を分けているようなものです)」という点であり、それであれば受託事業ではなく、地方自治体から補助金をもらっているということかなとも思っております。補助金をもらっている場合は、当該公益目的事業にかかる収入の一部が補助金であるというだけのことで、同じ種類の事業であれば、はじめから「ひとつの事業」です。

    いずれにしろ、受託事業はひとつの事業としてグルーピングした方が良いといった具体的な認定側の基準(指針)はありません。制度の運用は始まったばかりで先例もまだなく、五里霧中というのが偽らざる実情です。仕方がないので実情の説明と公益性があることについての理論武装をしっかりして、認定等委員会の先生方を説得することかと思っております。

    by 岡部 亮  2009年03月17日 19:35
  3. 岡部様 
    ご丁寧な解説ありがとうございました。
    質問内容を簡略化し過ぎ、大変ご迷惑をおかけいたしました。

    補足的に申しますと、地方公共団体から受託している事業は単なる事務受託とはなっておりません。
    事業を実施するにあたり、当財団側には裁量権があり、内容、規模等について具体的に決定しております。
    また、当財団の独自事業と委託事業とでは類似した目的を持った事業を実施しておりますが、例えるなら、委託事業はボランティアの能力育成基礎講座、財団独自事業は実践育成講座といったように相乗効果をもたらす内容となっております。
    ただし、当該事業にかかる委託料は地方公共団体のルールに基づき、精算(余剰があれば還付、不足があれば補填)を行い、収支相償の点から見れば常に0円ということとなっております。
    (こう考えてくると、岡部様からいただいた、両事業を一つの事業としてグルーピングすることは可能だという結論を導き出せます。)

    これまで、経理的側面(委託料の精算)を考慮して、受託事業を一つの事業としてグルーピングした方がいいのではないかと考えておりましたが、『地方公共団体の要請がある場合の区分会計は例えば公1事業のさらにその内訳の区分として内部的にもつことになるかと思います』と書かれておりますように、そういう手法で臨めば、これもまた解決するのだなぁと安心した次第です。

    by ブルーな事務局員様  2009年03月24日 18:46