1.寄付の受入状況

結核予防会は、47都道府県に支部がある全国組織で、各支部と本部が多くの協力者とともに募金活動を行い合計したものが、その年度の募金総額となります。全体の3分の2が市区町村や全国の 結核予防婦人会の協力を得て、組織力を生かした募金によるものです。残りの3分の1は、郵送によるダイレクトメールにより依頼したものです。こうしたことの結果、2014年度は、約2億4千万円の募金が集まりました。

 

2.寄付を原資とする事業の紹介

結核予防会は、当時「結核」が国民病とよばれていた1939年(昭和14年)に閣議決定により設立され、初代は秩父宮妃殿下、現在は秋篠宮妃殿下を総裁として奉戴している団体です。

複十字シール運動は、世界各国で行われており、日本では1952年(昭和27年)から始まり、60年以上続いている募金活動です。

国は、毎年9月24日から30日の期間を結核予防週間と定めています。本会は主催団体のひとつとしてポスターやパンフレットを作成し各地域の街頭での普及啓発活動のほか、保健所や学校などにも配付しています。また、一年に一回、全国を巡回する形で、当該都道府県知事の協力を得て「結核予防全国大会」を開催しています。これは、全国の結核関係者が一同に会するビック・イベントで、地域事情に応じた結核対策をテーマに取り上げ、意見交換や討議する場としての研鑽集会をはじめ、大会式典においては、結核予防に功績のあった方々をそれぞれの部門毎に表彰する秩父宮妃記念結核予防功労賞や、大会決議宣言文の採択、特別講演などが行われます。

一方、世界に目を向けますと、結核は、依然としてアジアやアフリカでは高度にまん延している重大な感染症で、先月発表されたWHOの2014年現在の新しい推計では、年間960万人が新たに発病し、150万人の尊い命が失われています。このため、WHOは昨年5月の総会において、2035年までの20年間に、現在、全世界の平均で人口10万対100を超えている結核罹患率を、人口10万対10以下の低まん延国化することを達成目標にした新たな「世界戦略」を採択し、発表しました。

わが国はこのWHOの新戦略を受けて、昨年7月に閣議決定した「医療分野研究開発推進計画」 の中で、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに低蔓えん国化することが求められました。容易に国境を越えて地球上を移動できる時代となった今日、世界の結核制圧に協力していくことなくして、日本の結核の低蔓えん化は実現できない関係になっております。

本会がこれまで行ってきた東南アジアやアフリカなどにおける結核の国際協力につきまして記しますと、たとえば、カンボジアは、世界22の高まん延国のひとつですが、日本が最も結核がまん延していた1955年(昭和30年)と同じような状況下にあります。本会は、各地域における有病率調査や人材育成のほかに、これまでに2台の検診車を寄贈し現地で巡廻検診を行い、デジタル式の検診車によりその場で医師による読影を行い患者の早期発見に努め、大きな成果を上げています。

カンボジアに於ける結核検診DSC02089

(カンボジアに於ける結核検診)

 

フィリピンも、同様に高まん延国のひとつで、本会は、現地事務所を開設し、1992年から15年間にわたり、JICA(国際協力機構)のフィリピン結核対策の技術支援を行いました。アフリカでは、ザンビアにも現地事務所があり、結核とHIVエイズの早期発見のため、数々の支援を行ってきました。また、人材育成の一環ですが、現地結核ボランティアの育成と彼らによる各地域での普及啓発活動が大きな成果を上げています。

このように、それぞれの目的や地域のニーズにあった形で、募金を有効に活用し結核予防の普及啓発及び支援を行い成果を上げております。

 

3.プロジェクト担当者からの感謝のメッセージ

結核は、過去の病気と思われがちですが、日本でもまだ年間約2万人が発病し、約10%の方が亡くなっています。また、最新の結核の罹患率は、10万対15.4となっており、中まん延国に留まっています。世界の結核は、もっと悲惨で、大きな社会問題であることは既述のとおりです。結核の現状が正しく報道され、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、結核の罹患率が10万対10以下の低まん延国となることを目指し、職員一丸となって努力してまいります。

 

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(健康祭りでシールぼうやが大人気)