当協議会は「芸能が豊かな社会をつくる」という組織理念を実現するため、「場づくり」「人づくり」「しくみづくり」を3本の柱としてさまざまな実演芸術を振興する事業を行っています。

そのなかで多くの方のご支援を得ながら展開している2つの主要な事業をご紹介します。

ひとつめは、新宿区から廃校になった小学校を借り受け、芸能文化の拠点「芸能花伝舎」の運営を行う「花伝舎プロジェクト」です。これは、公演のための稽古場が足りないという劇団やダンスカンパニーなどの切実な声に応え、2005年に新宿区と文化協定を結び開設した、11の稽古場を擁する施設の運営を核とした取り組みです。10周年に当たる2015年度には大規模な改修工事を行い、稽古のための長期、定期の貸し出しのほか、プロや一般の方向けのワークショップ、セミナー、催事など、芸能に関わる多彩な研修、体験の場として世代を超えて活用され、年間17万人もの人々が行き交う場となっています。

もうひとつは、「子ども未来プロジェクト」。子どものうちから、本物の多彩な実演芸術に出会って欲しいという願いから、5月5日の「芸術体験ひろば」をはじめ、気軽にさまざまな芸能が体験できる機会を提供しています。また、東日本大震災で被災した3県の子どもたちにも、音楽・芸能を届ける活動を継続しています。

 

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(毎年、5月5日に開催される「芸術体験ひろば」の日には、校庭いっぱいに鯉のぼりが泳ぎます。)

 

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(「芸術体験ひろば」のパフォーマンスを楽しんでいる子どもたち)

 

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(浴衣をきて、初めての日本舞踊体験)

 

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(校庭に広げたながーい紙に、思いっきり大胆に絵を描きました。ボランティアの学生たちが、手伝ってくれました。)

 

2015年度は、320万円近くのご寄付ならびに、芸団協の活動を継続的にサポートして下さる会員の皆様からのご支援により、上記の事業を継続することができました。とりわけ、東日本大震災の被災地の方々に音楽・芸能を届けるプロジェクトについては、ご寄付がなければ継続が叶いませんでした。震災から5年半以上が経過して、メディアなどで取り上げられることは少なくなっていますが、被災した地域の復興、とりわけ心の復興は時間が経ったからといって完了するものではありません。音楽・芸能を介した人と人とのつながりを確かにするための活動は、一層、求められるようになっていると現地の方々からのお声をいただいています。

これまで、芸能・芸術体験は、ゆとりのある人だけが享受するものと考えられがちでした。けれども、人として心の豊かさを育んでいくためには、まわりの人たちと感動を共有する体験が不可欠で、実演芸術はそうした機会を多彩に提供してくれます。しかし、芸能・芸術に触れたことによって子どもたちの中に何が芽生え、育まれていくのか、目に見える形で示すことが難しいのも現実です。そのなかで、芸能の力を信じ、支えてくださっている皆様に心より感謝を申し上げます。

実演芸術を振興するための事業を担当してきた者として、ひとつだけ確かに言えることは、どんなジャンルの音楽、芸能であれ、目を輝かせながら鑑賞したり体験したりしている子どもたちの姿に、確かな『希望』を感じ取ることができることです。目を輝かせるのは、子どもたちだけではありません。共に感動を分かち合うことから、きっと未来の「希望」が生まれます。

皆様にも是非、芸能の力を信じ、未来の「希望」を生み出すプロジェクトに、共に参加いただきたいと心より願っています。

 

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法人情報

公益社団法人日本芸能実演家団体協議会

演劇、音楽、舞踊、演芸など様々な実演芸術の分野で活動する68の専門家団体で構成される公益法人です。1965年の設立以来、実演芸術の活動環境を整え、鑑賞・体験の機会の拡大に向けた提言活動を続けています。

http://www.geidankyo.or.jp/support/index.html