交通遺児育英会の設立は、交通事故による犠牲者数が1万6,000人を超えていた昭和44(1969)年です。働き手を失った家庭の子どもたちの高校進学を支援しようと立ち上がったボランティアグループの訴えが育英財団の設立となって実を結んだものです。以来46年間、育英会は、数えきれないくらいの多くの個人、企業、団体様の支援に支えられて活動してまいりました。これまでのご支援に対して深く感謝申し上げる次第です。

育英会のメインの事業は、奨学金の貸与です。設立初年度に604人の高校生に奨学金を貸与したのが始まりで、2年度目は1,243人、3年度目は1,328人と膨らみ、設立5年度目の昭和48年には大学生、同52年には大学院生、その後さらに専修学校生、各種学校生と支援対象を広げ、今日に至っており、これまでの累計奨学生数は、5万5,175人、累計貸与額は517億円に上ります。

奨学金の貸与に加えて、育英会ではさらに二つの事業を行っています。一つは、指導・育成事業、もう一つは、学生寮の運営です。

指導・育成事業では、奨学生の諸々の相談に応じるほか、定期的に成績の状況、生活状況を把握し、学業が円滑に進むようにアドバイスを行っています。そのほか、高校奨学生を対象とした海外語学研修(夏休み期間中の3週間、米国に派遣)や高校奨学生と保護者を対象とした「つどい」(夏休み期間中に一泊二日の日程で開催。共通の問題について情報交換、意見交換。200人規模)を実施しています。

学生寮は、東京と関西にあります。地方出身の奨学生が、大都市圏で経済的、精神的に安心して学べるようにとの配慮から設置したものです。東京寮は、育英会設立9年目の昭和53年に東京都日野市に開設しました。平成17年開設の関西寮は、寮経営会社からの借上げで、学校の所在地に応じて、京都、大阪、神戸の各地の寮が利用できるようになっています。東京、関西ともに全室個室で、2食付き、寮費は東京寮の場合は月額1万円、関西寮の場合は月額1万5,000円~2万5,000円。現在の寮生は、東京、関西合わせて90名です。

東京、関西以外の地域の自宅外通学奨学生にも支援の手を広げることができないか。これは長年の懸案事項でしたが、ようやく本年度下期から、家賃補助として月額1万5,000円の給付を行うことができるようになりました。これもひとえに多くの方々の寄付の賜物と重ねて感謝申し上げます。

最後に、最近の高校奨学生の作文から一例を紹介します。

「生徒会活動の一環として“ネパール支援募金”を行っています。昨年は総額80万円の寄付金を集め、ネパールにソーラー・パネルを持って行きました。(中略)街頭での活動を通して、人からお金を頂くことがどれだけ大変なのかを改めて実感しました。ネパールの子供たちから学校あてに感謝状が届いており、職員室前に掲示されています。/将来は社会に貢献できる活動をもっと行いたいと思うようになりました。今、交通遺児育英会をはじめとするたくさんの方々のサポートを受けられる環境にあることに感謝し、自分が助けてもらった分、将来困っている人がいたら支援したいと思っています」。

 

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法人情報

昭和44(1969)年設立、清水司会長

〒102-0093 東京都千代田区平河町2-6-1 平河町ビル3階

電話 03-3556-0771  FAX 03-3556-0775

URL http://www.kotsuiji.com

交通遺児①

(海外語学研修   午前のレッスンを終え、午後は現地の消防署を見学)

交通遺児②

(高校奨学生と保護者のつどい 全国各地から200人が参加)