新たな代表理事の選定の理事会議事録へ押印した印鑑証明

新たな代表理事の選定の理事会議事録へ押印した印鑑証明

投稿記事by 一般財団法人です。 » 2018年8月22日(水) 21:26

お忙しいところすみません。
標記の件については、過去にもいろいろと話題にはなっているようで、過去の質問と類似する点もあるかと思いますが、
ご了承願います。
新たな代表理事の就任による変更登記の申請については、一般社団法人等登記規則による読み替えた商業登記規則第61条第6項
で定められています。
その第3号において、
『理事会の決議によって代表理事を選定した場合は、出席した理事及び監事が理事会の議事録に押印した印鑑の印鑑証明書添付する』
ことが規定されていますが、そのただし書きで、『当該印鑑(議事録に押印した印鑑)と変更前の代表理事(前任の代表理事)が登記所に
提出している印鑑(登記所に登録している理事長の印など)とが同一であるときは、この限りでない(代表理事以外の理事、監事は印鑑証
明は不要で、認め印でよい。)』とされています。

この、変更前の代表理事と登記所に提出している印鑑について、
登記研究241号を代表理事にあてはめると、「前代表理事の届出済印鑑を新代表理事が引き継いで使用し、議事録に記名押印している
場合(前代表理事出席していない。)は、商業登記規則第61条第6項のただし書きには該当しない。」と示されています。

通常想定される場合として、代表理事が変更となった場合、新代表理事Bは前代表理事Aの登記所への登録印をそのまま利用することに
なるので、登記所への印鑑届では新代表理事Bの名前で前代表理事Aの登録印を引き続き登録し、印鑑カードも引き継ぐものと思います。
この印鑑届書の提出は、代表理事の変更の登記申請と同時にするのが通常の方法かと思います。

この場合、新代表理事選定の理事会議事録には、新代表理事の記名に前代表理事の届出済印鑑を押印しているということで、ただし書き
に該当しないということかと思いますが、「前代表理事の届出済印鑑」は今回の変更の登記の申請と併せて印鑑登録も行うもので、同時に
「新代表理事の届出済印鑑」ということになると思いますが、それでもただし書きの適用はできないのでしょうか。

例えば、A代表理事が9月30日に代表理事及び理事を辞任する。新たにB氏(現在理事でも監事でもない)が10月1日に理事に就任する
予定であるとします。そのため、B氏を理事に選任するため、9月20日(10月1日以前であればいつでもいいです。)に評議員会が開催さ
れ、B氏を理事に選任しました。
B氏(理事)を代表理事に選定するため、10月1日に理事会を開催し、B理事を代表理事に選定されたとします(即日就任)。
このような場合、新代表理事の選定理事会に旧代表理事Aは出席することはできず、仮に参加できたとしても、議事録に記名押印すること
はできませんが、B代表理事は前代表理事Aが登記所に提出している印鑑(理事長印等)を理事会議事録に押印することになります。
その後、理事・代表理事の変更登記申請及び印鑑届を併せて行うことなりますが、このような場合でもただし書きの適用はできないのでしょ
うか。

一方、登記研究273号、370号を代表理事にあてはめると「ただし書きの規定は、当該代表理事が重任する場合だけでなく、代表理事を
退任後、理事(又は監事)として継続(選任)され、押印している場合にも適用がある。」と示されています。
この意味するところは、
①前代表理事Aが、理事でも監事でも理事会議事録に記名されていれば、前代表理事Aが登記所に提出している印鑑(理事長印等)を新
代表理事Bが押印すればただし書きを適用できる。
②前代表理事Aが、理事又は監事で理事会議事録に記名され、それに前代表理事Aが登記所に提出している印鑑(理事長印等)を押印す
ればただし書きが適用できる。
いずれが正しいでしょうか。

なお、上記の場合について、
①は、現在登記所に提出している印鑑(理事長印)の提出者(登録者)の名前(前代表理事A)、存在があるかないかだけで、実質的には前
代表理事Aが登記所に提出している印鑑(理事長印等)を新代表理事Bが印鑑届を提出するのとなんら変わらないのではないか。
②は、現実問題として、前代表理事Aが理事や監事の肩書きで記名されいる部分に、前代表理事Aが登記所に提出している印鑑である「理
事長印等」を押印することができるのか。
懸念があるところです。

結局のところ、代表理事が変更(A→B)となり、前代表理事Aが役員で残らない、議事録の記名に残らない場合は、ただし書きの適用はでき
ず、理事及び監事全員の印鑑証明が必要になるということでしょうか。
一般財団法人です。
 

Re: 新たな代表理事の選定の理事会議事録へ押印した印鑑証明

投稿記事by 公法協相談員星田寛 » 2018年8月29日(水) 13:49

一般財団法人です 様

メールありがとうございます。
商業登記規則による手続きですので、一般法とは異なる扱いがあります。
小職は、商業登記には知見が乏しく、また貴方様が記載の登記研究も手元にありませんが、専門家に聞き及んだ範囲で理解していることを記述します。
法人に係る登記の申請ができる、権利と義務を有する者は登録した代表理事だけです。その特定の代表理事が登録印を届け出ます。その後の登記事項を変更する申請は、登録した登録印のある特定の代表理事の届出の登録印により行います。登録印とは法人の印鑑ではなく、代表者としての特定の者の印鑑です。登記官が登記申請が真正であること、申請者本人であることを確認するものが登録印とその記名者です。
登録した代表理事が代わる場合、もしその代表理事が理事としての権限があれば、t登記官としては印鑑と理事氏名により真正を確認できることから便宜的にその登録印の利用を認めているものと理解しています。しかし、代表理事が理事でもなくなったときは、登記官としても確認できるものがないため、新たな代表理事を選定した理事会議事録をもって確認することになります。
そのときに、議事録の申請を担保するために、議事録署名人が定款の定めで代表理事となっていても、たとえ、新たな代表理事が従前の代表印を登録印として活用するとして同時に登録申請しても、申請権限のある登録された代表理事とは異なっていますので、上記のように理事会出席の理事全員の実印押印のある議事録とその印鑑証明書をもって、議事録が真正なものであること確認し、登記申請を受理するものと考えます。小職の理解では、①ではなく、②の前理事Aが登録印を押印すると考えます。貴方様が記載された最後の文面が実務と理解しています。詳しくは専門家又は登記官にご確認ください。
                                                                   以上 星田寛
公法協相談員星田寛
 

Re: 新たな代表理事の選定の理事会議事録へ押印した印鑑証明

投稿記事by 一般財団法人です。 » 2018年8月29日(水) 18:06

公法協相談員星田寛 様

ご回答ありがとうございました。
実際の取り扱いについては、法務局に確認する必要があるかと思います。

ご回答頂きました記載について、確認させて頂きたい点があります。
①登記規則について
 「商業登記規則による手続きですので、一般法とは異なる扱いがあります。」とのコメントがありますが、一般法人法につきましては、商業登記規則を準用していますので、異なる取り扱いということはないのではないでしょうか?準用の仕方によっては、異なる解釈をしている部分も有るのかもしれませんが、第61条第6項の準用に関しては、同様の取り扱いになるものと思われますが、いかがでしょうか。

②前代表理事が理事として残らない場合について
ご指摘の内容からすると、代表理事選定の理事会議事録には、記名の代表理事、理事、監事の全て印鑑登録している印鑑を押印し、当該印鑑の印鑑登録証を添付する必要があると理解いたしました。

③前代表理事が理事として残る場合について
ご回答で「もしその代表理事が理事としての権限があれば、登記官としては印鑑と理事氏名により真正を確認できることから便宜的にその登録印の利用を認めているものと理解しています。」との記載がありますが、この印鑑とは「前代表理事が登記所に登記していたいわゆる理事長印」でしょうか。それとも、前代表理事が個人で印鑑登録している印鑑でしょうか。
また、押印する印鑑が「前代表理事が登記所に登記していたいわゆる理事長印」である場合、この印鑑は新代表理事の記名部分に押印するのでしょうか。それとも、前代表理事が理事として記名しているところに押印するのでしょうか。前者の場合は、代表理事の印鑑を登記所に登録している権限者と記名が不一致になっていますし、後者の場合は、理事であるにも拘わらず理事長印(代表理事の印)を押印することとなり役職と印鑑が不一致となってしまいます。
単に、権限を有している前代表理事の氏名と同人が登記所に登録していた印鑑の押印があれば、それは真正なものと認めるという形式的なものなのでしょうか。

手続き上の問題であり、法務局のご判断かと思いますが、何かお聞き及びの内容がございましたらお願い致します。
一般財団法人です。
 

Re: 新たな代表理事の選定の理事会議事録へ押印した印鑑証明

投稿記事by 脇から棒 » 2018年9月04日(火) 12:09

「一般財団法人です」様、
脇から失礼します。
代表理事交代の際の全員実印の煩を避ける便宜的方法として、当所ではありません次の手順を採っています。ご参考に供します。なお、日付等は便宜的に前後を示すための架空です。

9月30日 評議員会で新役員を選任、全員就任承諾する。これで新代表理事を選定する新理事会が成立する。前代表理事Aは理事を退任、新代表理事予定者Bは理事に就任する。
10月1日 新理事会を開催。Aは議決に加われない「前代表理事」として出席。会議でBを代表理事に選定し、Bは就任承諾を保留する。法人法79条の「代表理事が欠けた場合」なので、前代表理事Aがなお「代表理事としての権利義務を有する」者として、当日付の議事録に自ら署名、登記印捺印する。Bは平理事として署名・捺印しない。
10月2日 Bが代表理事就任を承諾して就任、自動的にAは退任し、新代表理事Bが役員変更登記・改印登記を申請する。Bほか役員就任は9月30日、B代表理事就任は10月2日として登記される。

理事会の招集、議長は代表理事とする、という定款等の規定があれば好都合です。
Aが理事として残る場合も同様です。複数代表理事制の場合は少し違いますが考え方は同じです。
79条に規定がないため、理事会議事録へAのの署名・捺印の「肩書」が不明ですが、単に「代表理事」としても認められていますが、空欄にしておいて申請時に登記官の指示に従って書き込むのが無難でしょう。

なお、79条の解釈をめぐっては諸説、誤解もありますが、代表理事には任期について話す法的根拠がないので、理事に再任されない場合でも代表理事の権利義務を免れないという理解をすれば、もっとすっきりしますが、登記所ではこの説を採ってくれないようです。
脇から棒
 


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