監事の件について

監事の件について

投稿記事by 山田太郎 » 2017年7月11日(火) 14:32

公益財団法人の監事につき、評議員は職務執行停止の仮処分を申し立てることができるのでしょうか。
それとも、そもそも監事は暴走することが予定されていないところから、評議員は監事解任を目的とした臨時評議員会の開催を求め、そこで解任するしか道はないのでしょうか。
ご教示ください。
山田太郎
 

Re: 監事の件について

投稿記事by 鈴木 勝治 » 2017年7月26日(水) 10:00

山田太郎 様

 監事についての職務執行停止の仮処分等のお問い合わせですが、具体的事案が分りませんので何とも言えません。
ただ、法令等による一般論は下記の通りとなると思います。最終的には事実とともに、弁護士等法律の専門家にご相談下さい。

1.監事につき、評議員は職務執行の仮処分を申立てることができるか?
(1)一般法人法においては、会社法§917と同様に、一般法人法§305は「理事、監事、代表理事若しくは
評議員の職務執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、
若しくは取り消す決定がされたときは、その主たる事務所の所在地において、その登記をしなければならない。」と規定しています。

(2)従って監事といえども、「暴走することが予定されていないことから」仮処分の対象にならないということはないと思われます。
ただ職務執行停止の仮処分命令というのは、債権者の権利の保全や実行に著しい困難や著しい損害が生ずる危険性等仮処分命令の
必要性があることが前提であり(民法保全法§23)、評議員を債権者として監事の仮処分の対象とする事例・事案として
どのようなものがあるのか想定が難しいと考えます。

(3)従って、そのような事案があれば、仮処分は監事に対しても行うことが可能ですが、この制度は法人の一般債権者等に
適したものであり、評議員が法人をガバナンスするためのものではないと思われます。

2.監事の解任について
(1)ご質問者の意図としては評議員が事実上監事に対し仮処分ができないとすると、法人のガバナンス上、
暴走している監事を解任したら如何という考えかと思います。

(2)これについては言うまでもなく、評議員会に役員等の解任権がありますので、(一般法人法§176)、実行可能ですが、
監事もガバナンスの一環を担っていますので、勝手な解任は許されず、①職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき、
②心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないときという解任事由が必要であり、また③決議要件として
特別決議が要求されます(同法§189②一)。

(3)なお、その評議員会を評議員の提案により、臨時に開催するとのことですが、評議員会は通常理事が招集する
(同法§179③)のに対し、評議員が提案して招集する場合は、理事がその提案にのってこない場合等があり、
その場合は評議員がその開催手続を行うことになりますので(同法§180~§182)注意が必要です。

3.尚蛇足となりますが、上記2の評議員会で監事の解任が否決された場合にも、さらなる追求措置があります。
一般法人法§284の一般社団法人等の役員等の解任の訴えがそれであり、①原告は評議員、②被告は一般社団法人等の役員等(本件の場合監事)、
③訴えられる期間は否決のときから30日以内ということになります。
 ここまで至った例については寡聞にして知りませんが、法はここまで用意していることかと思います。

by 鈴木 勝治
鈴木 勝治
 


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