by 相談員・鈴木修 » 2017年4月21日(金) 17:31
ご照会の件につきまして、資産除去債務に関する会計基準・35項においては、「資産除去債務の履行時期を予測することや、将来の最終的な除去費用を見積ることが困難であるため、合理的に資産除去債務を算定できない場合」は、「当該債務の金額を合理的に見積ることができない場合(第5 項参照)に該当し、第16 項(5)に定める注記を行うことになる」とされております。
また、上記会計基準16項(5)においては、「資産除去債務は発生しているが、その債務を合理的に見積ることができないため、貸借対照表に資産除去債務を計上していない場合には、当該資産除去債務の概要、合理的に見積ることができない旨及びその理由」を注記することとされています。
この点については、「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」において、賃借建物に係る原状回復費用の例ではありますが、合理的な見積りができないため資産除去債務を計上していない場合の注記〔設例8〕として、次のような記載例が示されておりますので、ご参考にしていただけますでしょうか。
「当社は、本社オフィスの不動産賃借契約に基づき、オフィスの退去時における原状回復に係る債務を有しているが、当該債務に関連する賃借資産の使用期間が明確でなく、将来本社を移転する予定もないことから、資産除去債務を合理的に見積ることができない。そのため、当該債務に見合う資産除去債務を計上していない。」