by 鈴木 勝治 » 2015年2月19日(木) 17:30
りーさぽさんへ
1. ご指摘のように公益法人は認定申請書(ご指摘にはありませんが、この中に定款も含むものとします)に記載されていない事業は実施してはなりませんし、
また、記載した事業は行わなければならないという、ある意味窮屈な制度・規制のもとにあります。
ご質問の第一は、推薦及び指導監督事業の対象を、従前の成年後見人から未成年後見人へ拡大することが新しい事業に当り、従って
公益認定法§11①二或は三に当るものとして変更申請をしないと事業拡大を行うことができないかどうかということと解します。
2. これにつきましては、事業の実質的な内容がよく分かりませんので明確に考えを述べるわけにはまいりませんが、一般論として以下のように考えます。
(1)「推薦及び指導監督事業」という名目(事業の種類)は同一であるが。対象が成年後見人と未成年後見人の場合でその事業の内容に質的に差異があるかどうか。
→成年と未成年で大きな質的な差異があるとすると、これは新しい事業であり、変更申請が必要となると思われます。
(2)他方、対象が変わっても事業の内容は実質的に同一であり、単に対象を広げたにすぎない場合
→この場合は、単に数量的に対象が拡大するだけであって、事業の質に差はないので認定法§13①二の軽微な変更として変更届で十分のように思われます。
(3)事業の内容が分かりませんので上記のような一般論しか申し上げられませんが、普通は成年者と未成年者は区別して法律上扱われることが多いので、
個人的には質的な差異があって変更申請を要するように思いますが如何でしょうか。
3. 質問の第二は事業を実施する前の準備を行い、その経費を法人会計から支出する場合、1年後に実施予定であっても予めその事業について変更認定を
受けておかなければいけないかというものです。これにつきましては1.の冒頭で書きましたように申請書等に記載された事業は実施する、記載されていない事業を
実施してはならないという原則から考えると以下のようになると思われます。
(1)一つは申請のタイミングの問題であり、近未来(概ね1年前後)に行うものであれば、予め申請できるというのが従来の行政庁の扱いかと思います。従って
1年後に実施予定であれば申請することは可能と考えます。ただ、申請して認定を受けてしまうとその事業を行わなければならなくなりますので、この辺りは
事業実施に向けた法人側の基本的スタンスの関係する問題と思います。
(2)逆に近未来に行うものを予め申請しなければならないかということですが、これは将来に行う事業ですから現時点で申請する必要はありません。ただ準備を行い、
そのための経費を支出することから万が一認定が事業実施年度中に得られない場合は損失を生じかねないので、前倒しに申請しておくことは運営上の知恵と
いえるかもしれません。
もっとも認定は必ず受けられる事業であるという自信があれば、予め申請する必要はありません。その辺りの見極めは、法人の判断や決断の問題といえましょう。
By 鈴木 勝治