公法協公開情報について⑦―理事長と代表理事

公法協公開情報について⑦―理事長と代表理事

投稿記事by 岩内 省 » 2014年12月10日(水) 10:06

7回目は、法定代表理事と任意理事長の特異な関係について考えます。
公法協の代表理事と理事長については、まず定款32条2項で、

「2 理事のうち、2名以内を代表理事とし、……」

とし、同34条2項で、

「2 代表理事は、この法人を代表し、その業務を執行する。理事会は、その決議によって、代表理事より理事長1名を選定する」

としています。
そして、代表理事の地位は法人法で定められていますが、任意機関である理事長については、法人法はもちろん、定款にも明記されていません。これでよいのでしょうか。
こういう規定では、法的に最高権限を各自で持つはずの複数代表理事に優劣をつけることになりませんか。少なくともこういう定め方は役所でも想定されておらず、留意事項やモデル定款でも“こうして理事長を決める、その理事長を以て代表理事とする”という形の例示しかしておらず、“まず代表理事を決め、その中から理事長を選ぶ”という手順は想定外です。つまり、“代表理事〇名で代表理事会を構成し、そのうち1名を代表理事会の会長とする”ようなことは代表理事の各自平等代表権の表見制限になるとして、禁止されているのではないでしょうか。
もちろん、内規で代表理事の業務分担を定めることは是認されますが、定款で上下関係を表見させるのは、まずいんではないでしょうか。
実態がどうなるかということを考えてみましょう。おそらく、日常の文書等でも「代表理事」名義より「理事長」名義が圧倒的でしょう。会社で「社長」が、銀行で「頭取」が表見トップであるように、公法協理事長も表見「ボス」、いささか業界を知る人にとっても表見「最高代表理事」ないし「上級代表理事」(ツートップでなくワントップ)とみなされるでしょう。私だって「太田」という代表理事名は暗記しましたが、確かもう一人いる「代表」理事の名前なんて覚えてもいません。
もちろん、タテマエ上複数の同権代表を立て、実際は優劣をつけて運用するのは各法人自治の範囲で何ら問題はありません。ただ、法人法の本来の趣旨ではありません。ここは我らの唯一無二の代表たる公法協、全日本標準規範を求められ、しばしば参照・言及される身ですから、一歩引いて内閣府の公式誘導に従い、公開される定款上は「まず理事長、副理事長を選定し、両者を以て法的代表理事とする」というようなしくみにするのが無難でしょう。
岩内 省
 

Re: 公法協公開情報について⑦―理事長と代表理事

投稿記事by 太田達男 » 2014年12月11日(木) 22:53

岩内 省さん、
いつも当協会定款や内部規定を精査していただき本当にありがとうございます。公法協はご指摘の通り大幅に本来公表しなくてもよいものまで(議事録、諸規程)を広く非営利法人の参考とすべく公開をしており、公開する以上いささかでも誤りのない規程等にするよう心がけていますが、公法協も万能ではなく時には間違いがある場合も否定しきれません。今後ともお手数ですが、もしお時間があれば一言一句ご意見をいただければたいへん幸いです。
ところが、今までのご指摘はいくつかそのような考え方もありうるとは思いますが、最初に頂いた「代表理事」の選任と選定の語句はその方が良いと思い、しかるべき機会に理事会運営規則を改正しますが、その他のご指摘はすべて、問題はないと考えています。それぞれ私どもの考え方をそれぞれの投稿に応えている通りですからそれでこちらとしては解決済みと思います。
そこで今回の問題ですが、組織内役職と法人法上の役職をどちらを先に規定上書くべきかという点については両方ありうることでなんら組織内役職を先に決めなければならないという法律上の決まりはありません。
銀行などでよくあるように、代表取締役を○名以上○名以内選定し、代表取締役の中から頭取、副頭取、常務(専務)取締役を選定するとしても、頭取、副頭取、常務取締役を選定し、これらを代表取締役とすると規定しても全く法的効果として変わるところはありません。代表取締役には法人法上の権限の際は一切ありませんが、組織内では頭取と常務では職務権限に差異を設けることはなんら問題ではありません。
せっかく貴重なお時間を費やして精査していただく以上、またこのフォーラムの読者に有益な情報を提供していただく趣旨に沿って、生産的・建設的なご指摘をぜひお願いします。
太田達男
 

Re: 公法協公開情報について⑦―理事長と代表理事

投稿記事by 岩内 省 » 2014年12月14日(日) 16:36

しつこくご迷惑おかけしている再質問も一巡します。

ご説明の趣旨はよく分かりますし、問題の所在は社会慣習的に「社長」「頭取」「会長」「理事長」等々で機能している歴史的な企業文化を一律に「代表理事」で画一規制しようとしたところにあることも承知しております。しかもその用語が未熟なため、「評議員会会長」が正しく評議員会を代表するのに、「代表」理事が理事会を代表しないという無理が、例えば79条の理解に少なからぬ誤解を誘っている(理事会の代表を超越したのに理事たる基礎資格を問われる!)ことなどに及んでいることも認められます。
しかし、法人法77条4,5項には、

「4  代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5  前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 」

とあり、2人の代表理事のうち理事長でない方の代表理事の権限を制限することは、禁じてはいませんが、ちょっとまずいよと言外に言っています(笑)。特に4項では訴訟権を特記しているのです。

それを逆なでするように、2人の代表理事を確定したうえで、一方を理事長に格上げ(=他方の格下げ=代表権の制限)する仕組みをを文書公示するのは如何なものかと、いささか疑念を抱いた次第です。しかも公開されている内規の「理事の職務権限」別表では両者の権限差別が列挙されており、その中で法人法77条4項に該当する「訴訟に関すること」が理事長の専権になっているのは、かなり刺激的ではないかと愚考した次第です。

外部に損失を与えることでなく、公法協がリスクを負うことだから構わないのでしょうか。しかし、被差別代表理事は権限を剥奪されていながら、訴追されると訴訟権もないままに善意を装う「第三者に対抗できな」くなるのです。

そんなことも含め、模範たるべき公法協の制度設計としては如何なものかと思った次第です。
岩内 省
 

Re: 公法協公開情報について⑦―理事長と代表理事

投稿記事by 岩内 省 » 2014年12月14日(日) 16:53

補足です。
内閣府FAQ「問Ⅱ-5-②」の「答3」にも同趣旨の記述があります。ここでは79条にも触れています。
岩内 省
 


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