剰余金の分配について

剰余金の分配について

投稿記事by 一般財団法人です » 2020年10月29日(木) 23:07

一般財団法人(非営利型法人)において法人事務を担当しています。

①一般法人法において、設立者に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは効力を有しないと定められていますが、法人税法において非営利型法人の要件の1つとして、「剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。」が定められており、ほとんどの法人で、定款に「剰余金の分配を行わない。」ことが規定されています。
一般法人法と法人税法の規定の違いは「設立者」との限定の有無ですが、一般法人法上は設立者以外の者に剰余金を分配することはは可能ということになります。
どのような者への分配が想定されるのでしょうか?
法人税法では、改めて定款に「剰余金の分配を行わない。」と規定させているに過ぎないのでしょうか?

②一般法人法の問題はではないですが、非営利型の一般財団法人から普通法人に移行したい場合、非営利型法人の要件を満たしたまま法人の意思で移行することはできるのでしょうか。
それとも、非営利型法人の要件を満たさないように定款を変更したり、役員の条件を逸脱するなど非営利型法人の要件を満たさないような状況にならなければ移行することはできないのでしょうか?
一般財団法人です
 

Re: 剰余金の分配について

投稿記事by 相談員 鈴木 修 » 2020年11月03日(火) 03:48

ご照会の件について、次のとおりコメントさせていただきます。
①について
 一般法人法153条3項二号の趣旨は、次のとおり説明されています(新公益法人制度研究会『一問一答公益法人関連三法』(2006年、商事法務)111頁)。
「設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めが許されないのは、このような定めは、剰余金の分配を目的としない法人であるという一般財団法人の基本的性格に反するものであるし、また、設立者は設立時に一定の財産の拠出をする者であって、このような定めを許容すると、設立者が法人の資産に対する持分を有する仕組みに類似し、営利法人との区別が不明確となるからである。」

 一般社団法人や一般財団法人は、準則主義によって設立される剰余金の分配を目的としない法人であり、営利法人ではありませんので、剰余金を分配するということを前提とはしておりません。
 
 また、法人税法においては、一般社団法人・一般財団法人(公益社団法人・公益財団法人を除きます。)は、その行う事業の範囲に制約がなく、公益性を担保する制度上の仕組みも有していないことや、社員又は設立者に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは効力を有しないとされるなど一定の制約が課されているものの、残余財産の帰属先を社員総会等で決定できるなど、営利法人と実質的に同等の活動を行うことも可能な仕組みであると考えられるとして、非営利型法人(法人税法施行令3条)の要件を定めています。
(備考)立案担当者の解説については、以下の資料(287頁以降)をご参照願います。
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11122457/www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2008/explanation/pdf/P245-P351.pdf

②について
 非営利型法人の要件(法人税法2条九号の二、法人税法施行令3条)のすべてに該当する一般社団法人及び一般財団法人は、特段の手続を踏むことなく公益法人等である非営利型法人となり、また、 非営利型法人が、その要件のうち、一つでも該当しなくなったときには、特段の手続を踏むことなく普通法人となります。
 なお、非営利型法人から普通法人に移行した場合や普通法人から非営利型法人に移行する場合には、課税所得の範囲の変更に伴う調整措置(法人税法10条の3、64条の4)が適用されますので、注意が必要となります。
相談員 鈴木 修
 

Re: 剰余金の分配について

投稿記事by 一般財団法人です » 2020年11月05日(木) 12:37

鈴木さま
コメントありがとうございました。

常識はずれ、的外れな質問かと思いますが、ご了承ください。
②の点については、要件が外れれば自動的に普通法人になることは理解しておりますが、要件に該当したまま普通法人になることができないかということを検討しています。要件に該当すれば特段の手続きを踏むことなく非営利型法人になるとのことですが、それは強制的に非営利型法人にならなければならないということになるのでしょうか。

①の点について②との関連いたします。
一般社団法人や一般財団法人は、準則主義によって設立される剰余金の分配を目的としない法人であり、営利法人ではない旨は理解していますが、一般法人法153条3項二号では、「設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めが許されない」との規定であり、あくまで「設立者」と限定されています。
また、法人税法においては、「その定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。」と規定されており、「設立者」と限定されていません。
この点について、規定に違いあることから、一般社団法人や一般財団法人について、設立者以外に剰余金の分配することが可能ということになるのではないか。具体的にどのような状況が想定されるのかという疑問です。
そもそも、「一般社団法人や一般財団法人は、準則主義によって設立される剰余金の分配を目的としない法人」であり、剰余金の分配は設立者に限らずできないことになっているのであれば、法人税法上の規定に意味がないのではないでしょうか?
一般社団法人や一般財団法人で普通法人である法人があれば、教えていただけますでしょうか。
一般財団法人です
 


Return to B19. その他