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代表理事登記の議事録押印

投稿記事Posted: 2014年4月10日(木) 19:44
by 移行続行
代表理事交代時の議事録の押印についてお伺いします。
登記所の申請要領では、代表理事を選定して変更登記する場合の理事会の議事録について「変更前の代表理事が登記所に届け出た印鑑と同一のものが押されている場合」は他の理事は認印で可とされています。
一方、新制度では、その理事会の前の理事改選評議員会の時点で代表理事はいなくなります。つまり、その理事会で届け出印(代表印)を押捺できる立場の者は不在になります。
この矛盾をどう処理したらよいのでしょうか。
一般に印は署記名とセットで使用されて初めて意味のあるもので、ふつう「代表理事 何某㊞」とします。ところが当該理事会において、前代表理事は、たとえ理事として再選され代表理事に内定していても、あくまで平理事の資格で出席しているのですから、代表印を押す権限はありません。
ところで、上の登記所の文は、署記名はともかく、「物理的に届け出印が押してあればよい」というように読めます。そうすると、登記のためだけであれば、虚偽でも代表印登録者の署名・捺印をする、あるいはいわゆる欄外捨印のようなカタチでも、とにかく押印してあればよい、ということでしょうか。

Re: 代表理事登記の議事録押印

投稿記事Posted: 2014年4月11日(金) 20:21
by 公益法人協会 岡部 亮
移行続行  様

法人法第95条3項の「当該理事会に出席した代表理事」とは、当該理事会の終結の時点で代表理事であればよいと理解しています。したがって前代表理事が定時評議員会で理事に再選され、さらにその直後の理事会で代表理事に選任されたときは、代表理事として当該議事録に押印することとなりますのでその印を登記印にすれば、「変更前の代表理事が登記所に届け出た印鑑と同一のものが押されている場合」に該当することとなります。
なお、定款で議事録署名人を「出席した代表理事及び監事」とする旨定めているときは、他の理事には署名又は記名押印の義務はありませんが(なくても議事録として成立するということです)、署名をしてはいけないということではありませんので、前代表理事が理事として再選されているときは理事として付加的に署名できます。このときに自己の登記印を押印すれば、「変更前の代表理事が登記所に届け出た印鑑と同一のものが押されている場合」に該当することとなります。
「あくまで平理事の資格で出席しているのですから、代表印を押す権限はありません。」ということについてですが、代表理事の登記印はあくまである代表理事の個人に付属しているものですから、代表理事不在のときから代表理事の印はなくなり、新代表理事が改めて印鑑を届け出ない限り、たとえ物理的に同じ印であっても、当該前代表理事の登記印は、極論をすると登記上のみにて存在している代表理事の印ということです。したがって前代表理事が、平理事としてその印を使用できます(1種の認印です)。そして登記所のほうは、当該文書が真正に作成されたものであることを確認するためには、登記法上は、それでよいと判断いただいているように思います。
ただし、法人の内部規律を厳格に運用したいとお考えのときは、「あくまで平理事の資格で出席しているのですから、代表印を押す権限はありません。」という取扱いになるでしょう。登記手続きに限定してのことだから差し支えないと考えるかどうかは法人自治に属することと思います。

追って、登記のことですので、確実な取扱いをどうすべきかは司法書士の先生等に確認いただければ幸いです。

Re: 代表理事登記の議事録押印

投稿記事Posted: 2014年4月20日(日) 11:52
by 念のため
岡部様、
先の投稿を補完するような説が見当たりましたので、再度投稿します。
上のご回答中に署名義務者以外の者が「署名をしてはいけないということではありません」とあるのは当然のようで、実は大きく展開できる見解です。
確かに法は「〇〇が署名する」と義務者を定めているだけですし、定款でもよほどエキセントリックな法人でない限り「署名人は〇〇に限る」などとは規定していないでしょうから、指定署名人以外の者が「付加的に」署名することは差し支えないでしょう。
こういう考えから、退任代表理事も、理事に再選されていれば「理事」として署名押印できると展開されているのですが、それを敷衍すれば、理事にも再選されていなくとも、「前理事」として出席(不可なら「同席」ないし「傍聴」)して「付加的に」議事録に署名し、ちゃっかり代表印を押しても法的に問題はないということになりませんか。
さらに、退任者が同席するのはまずい、あるいは職務忠実な事務長が移行期間は代表印を封印しているような場合、出席などさせず、登記時点で新代表理事の責任で、署名でなく記名押印(もちろん本人の承諾を得て)しても、登記所に対しては有効でしょう。一般に法も現実法人も義務的署名人は出席者に限定していますが、後日の問題回避のために欠席者まで議事録に連判する法人は珍しくありません。
「移行続行」さんの問いに直接正解するものではありませんが、登記のためだけであれば、かなり広範に旧代表印の押捺が可能になるのではないでしょうか。登記所の記載要領では旧印が「押されている場合」とされて、「だれが」が特定されていないところがミソです。
いずれにしても、問題は代表理事交代時の代表権と代表印の所在をすっきりさせることです。
私見では、79条1項に拠り前代表理事は、代表理事に再任されるか否か、さらに理事に再選されるか否かに関わらず、代表理事ではなくなるが後任に引き継ぐまでは「代表理事の権利義務を有する」者、したがって代表印を押せる立場にあり続ける、と理解すれば氷解、雲散霧消する問題だと思います。

Re: 代表理事登記の議事録押印

投稿記事Posted: 2014年4月21日(月) 10:30
by 公益法人協会 岡部 亮
念のため  様

2点ご見解と相違します。
①「出席などさせず、」とありますが、議事録署名人は出席者に限られます。審議・決議の内容が確認できないからです。法人法95条③も「出席したーーー」となっています。「後日の問題回避のために欠席者まで議事録に連判する法人は珍しくありません。」という運営が一般的なのかどうかは存じませんが、それは議事録署名人ではなく議事録を見たよという回覧確認印に過ぎないということでしょう。
②「私見では、79条1項に拠り前代表理事は、代表理事に再任されるか否か、さらに理事に再選されるか否かに関わらず、代表理事ではなくなるが後任に引き継ぐまでは「代表理事の権利義務を有する」者、したがって代表印を押せる立場にあり続ける、と理解すれば氷解、雲散霧消する問題だと思います。」とありますが、私の私見は任期満了にて後任の理事が選任されたあとはもはや権利義務承継代表理事にはならないというものです。法人法は性悪説にたっているところもあるのではないでしょうか。2派にわかれているときに例えば社員総会に改選の結果理事の勢力関係はひっくり返ったときの「前代表理事の居座り」(理事会を招集しなければ2週間くらい可能です)を合法化するような見解はありえないように思います。

なお、先ほども申し上げましたが付加的署名であれば、定款に定める等にて、誰でも署名することはできるとは思いますが、義務的署名人の本則が理事である以上、定款で定めた付加署名人の押印した自己の登記印にて登記ができるかどうかは不勉強でよくわかりません。

Re: 代表理事登記の議事録押印

投稿記事Posted: 2014年4月22日(火) 16:46
by 念のため
岡部様、
何か勘違いがあるようで問答がずれています。前提をご確認いただかないと、理解がかみ合わないと思います。とりあえず、次の2点をご確認ください。
1.理事改選後の事態について、理事に再選されなかった代表理事は「権利義務承継代表理事にはならない」とのご理解、代表理事の基礎資格に理事たることを認めるなら、その通りあたりまえです。「代表理事」「〇〇承継代表理事」「〇〇代表理事」、とにかく代表理事自体が不在になるのは明白、さらに新制度では「代表理事代理」「代行」「暫定」等も否認しており、79条2項で「一時代表理事の職務を行うべき者」だけが許容されています。ではその時期の代表権自体や代表理事固有の職務・機能をどうなるかということで、79条1項は、前代表理事は「なお代表理事としての権利義務を有する」と明言しているのです。誤解の余地なく、代表理事として残るのでなく、代表理事の権利義務を引き続き有する者として残る、と言っているのです。従来の諸制度では、校長に事故ある場合は教頭が校長名義の卒業証書を授与し、首相に不都合ある場合は官房長官が総理大臣賜杯を授与し、天皇が入院していれば皇太子が代言しますが、代理や予選を否定した新公益法人制度では、事故ある本人に「代理!」を強いるしかないのです、最大の事故=死への対処不能というジレンマを残して。
なお、2派にわかれた理事勢力逆転時に「前代表理事の居座り」(2週間ほど)を合法化する見解はありえないとおっしゃいますが、安倍自民に大逆転を食らった野田「前」総理は特別国会の前に天下り会社郵政の役員人事を強行して、後日安倍が再度覆したのは耳新しいところです。前代表理事は「権利義務」のうち「権利」を発揮して如何様の代表権も執行できますが、新代表理事はことごとく否定できるということです。性善説か性悪説かの予断なく、法人法自体を読むべきです。
結論としては、“公式の代表理事は一時的にいなくなることがあるが、その間誰かが代表理事の最低限の役割(権利義務)は担う”ということではありませんか?
2.79条の規定する代表理事欠如の事態は、どんな場合でしょうか。1項には「任期の満了又は辞任により退任した」代表理事が対象に限定されています。これから、まず上記した死亡(行方不明、精神異常、他)のような狭義の事故と、解職・解任処分による失職が除かれることは明らかです。「任期の満了」とは、法人法には一般的な任期規定はありませんから個別法人の規定、例えば「任期1年」とか役員定年制のケースが想定されます。評議員会終結時は、あくまで理事の任期切れであり、代表理事の任期とは別です。
では、「辞任」とは、いかなる事態でしょうか。代表理事が「本日代表理事を辞任する」という辞表を書いても「なお代表理事としての権利義務を有する」のに「理事を辞す」と自動的に代表の座も失う、つまり代表理事を辞めて平理事になるには、理事会を招集して解職決議をさせる(ま、実際は辞任による新代表選定決議か)しかないのでしょうか。田中角栄は留置場で総理辞表を書いて総理は即刻辞任しましたが、議員辞職はせず議員にとどまり傀儡総理を指名しました。不祥事会社の社長はたいてい社長はやめても取締役会ではちゃっかり最上席に座ります。潔く完全引退という選択肢はあるにせよ、法的には、代表権のみ返上という行為が認められるのが普通だと思います。
まとめると、“辞表を書けばいつでも辞められる、しかし後任に引き継ぐまでは、いやでも今までの仕事はしてください、いちばんの仕事は後任の選定で、必要なら代表印も使えますよ”ということではないでしょうか。ただ、79条は1項も2項も、役職名を明示していないのが難点で、「権利義務承継代表理事」というような法文にはない呼称が発明されてはいますが、議事録や公文書にはどのように標記するか、不確定なのではないでしょうか。