代表理事欠員に対する罰則

代表理事欠員に対する罰則

投稿記事by こだわり者 » 2015年8月27日(木) 10:09

役員等の欠員補充懈怠について、法人法342条は、その13号に列挙する「理事、監事、評議員又は会計監査人」の員数(法定定数又は定款定数)を欠いた場合にその選任手続きを怠ると「百万円以下の過料に処する」としておりますが、代表理事の欠如に対しては罰則規定が見当たりません。これは、なぜでしょうか。
こだわり者
 

Re: 代表理事欠員に対する罰則

投稿記事by 公法協相談員星田寛 » 2015年9月16日(水) 11:19

くだわり者 様

大変遅くなりすみません。
法人法342条の13号には「代表理事」の文言がありませんね。
結論から申し上げれば、その本当の理由・解釈は小職にはわかりません。会社法も同じですが、立法担当者又は法務省等の当局に確認してみてください。
しかし、勘違いをしているかもしれませんが、小職は次のように個人的に考えています。
13号の読み方ですが、「理事、監事・・・が」は、「この法律又は定款・・・欠くこととなった場合」ではなく、「その選任(略)の手続きをすることを怠ったとき」にかかっていると思われます。「選任」であって「選定」の表現はありませんが、「この法律・・・」には「代表理事が欠くこと」も含まれると思います。
また、理事は理事として代表理事を選定する職務があり、その代表理事が欠ける状態をそのままにすれば任務懈怠と考えられますので、代表理事も欠けることとなった場合に含まれると考えています。
                                                                                          公法協星田寛
公法協相談員星田寛
 

Re: 代表理事欠員に対する罰則

投稿記事by おせっかい » 2015年9月17日(木) 14:11

「こだわり者」様、「公法協相談員星田寛」様、

そんなに難しいことではなく、公法(法人法)違反は公的に罰するが私法(定款)違反は公的には罰しないというだけのことでは?

「代表理事」というものについては法人法77条3項に「代表理事を定めることができる」とあり、「できる」規定であって、「ねばならない」規定ではありません。つまり、公法は代表理事の設置を強制しているのではなく、各法人が自由意志で設置「してもいい」と言っているのです。ですから、法人内部では代表理事の欠損は補充が求められるでしょうが、司法・行政は関知しない、一方他の「理事、監事、評議員又は会計監査人」は法定機関で欠如・欠損を放置すれば処罰するということでしょう。
ただし、任意にでもいったん「代表理事」を選出してしまうと法人法各条に定められた権利義務が生じ、それの欠損・欠如は当該法人の運営には多大の困難を生じます。でも、それはあくまで内輪の困難で、外部が被害を被ることはありません。よって公罰を与える必要はないのです。
さらに、法人法が生きている限り、いったん就任した代表理事(複数の場合は最後の一人)は、たとえ辞表を叩きつけても、生きている限りは後任が「就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有」(79条1項)さなければならず、代表理事〔の機能〕は途絶えがたくなっています。
なお、私法違反は直ちに公罰が下されることは無いと言っても、利害関係者に訴えられると大変です。代表理事クラスの選出を怠っていて不都合があると、「百万円」では済まない損害賠償を請求されかねません。怠りなく!
おせっかい
 

Re: 代表理事欠員に対する罰則

投稿記事by 太田達男 » 2015年9月27日(日) 15:44

おせっかい様、
確かに、理事会非設置法人の場合は「できる」きていですが、理事会設置法人は「しなければならない」規定です(法人法90条3項)。
公益法人及び財団法人(公益・一般を問わず)は理事会設置が法定されていますから、念のため。
太田達男
 

Re: 代表理事欠員に対する罰則

投稿記事by おせっかい » 2015年9月30日(水) 11:44

太田様、そして「公法協相談員」星田様、

えっ、そうなんですかー?
法人法77条3項に「一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる」とあり、理事会非設置の場合は定款規定のない限り代表理事は設置しなくてよいことが明らかです。そして理事会設置の場合について90条3項で「理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない」と規定しているのは、代表理事を“選ぶなら”「理事の中から」選べ(代表理事になる資格は理事であること)という指示だと思っていました。
また、法人の代表権については77条1項に「理事は、一般社団法人を代表する。ただし、他に代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない」とあり、何もしなければ全理事が等しく持ち、「代表理事」「その他」を選んだ場合はその者〔たち〕に集中する仕組みです。ここに「その他」があるのがミソで、別に代表理事にこだわらず、なじみやすい理事長・会長・親分・組長etc、その他何でもかまわない、ただし、ストレートに「代表理事」としたり「理事長を以て法的代表理事とする」とした場合は法人法の「代表理事」に関する規制と登記義務が生じる、と思っていました。つまり、「代表理事」の存在は選択肢の一であって、必然ではないということです。

そして、星田さん、342条の13号だけをそういう読み方をするのは無理でしょう。本条は冒頭に処罰対象を列挙網羅し、以下22項目にわたって違反ケースを分類掲示する構成になっています。それと、他の投稿に関して鈴木勝治さんなどは批判しておいでですが、法人法では「選任」と「選定」は厳密に区別しているので、代表理事を選「任」範疇に括ることは決してありません。したがって、ここでは意識的に代表理事を除外しているのです。

ということで、太田さん、代表理事が必置であるなら、ヒラ理事欠損でさえ百万の懲罰を課す法が代表理事の不在という重大事態を見逃すのは何故でしょう? ご教示ください。
おせっかい
 


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