10人理事会、賛否5対4で否決?

10人理事会、賛否5対4で否決?

投稿記事by 岩内 省 » 2015年7月08日(水) 17:20

太田達男様、

今般、6月27日の「一般社団法人における役員の再任方法の疑義について」と題する「新人理事」さんの質問に関して「おせっかし」さんが翌28日に公法協の内規「理事会運営規則」8条を例示して問題提起されています。これは先に私が昨年12月5日に「1人1個の議決権」の問題として提起したテーマのコピーですから、回答は「過半数を算出する分母は議長も含む10なので、5対4では過半数に満たない」と一蹴して済まされることでしょう。
しかし、それでは済みません。「おせっかし」さんの例をちょっと変えて、もう一度考えてみましょう。
ここではまず、公法協任意の内規ではなく、同一文ですが、法定の定款第49条を引くと次の通りです。

第49 条 理事会の決議は、この定款に別段の定めがあるもののほか、議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行い、可否同数のときは議長の裁決するところによる。
2 前項前段の場合において、議長は、理事会の決議に、理事として議決に加わることはできない。

さて、第〇回理事会は、出席理事10名のうち理事長派6、反理事長派4という「有利」な構成です。理事長=議長が「理事長報酬倍増案」を採決すると、賛成5、反対4で過半数6に満たず、しかも「可否同数」でなく賛成多数ですから「議長の裁決」も効かない、決議不成立になります。議長を除いても賛成多数なのに否決される! やむなく理事長派の1人をトイレに行かせてその隙に採決をやり直し、いったん4対4の「可否同数」を演じて「議長の裁決」に持ち込む。こんなことが起きるのです。

なぜでしょう。それは、今回の制度改革の目玉「1人1個の議決権」を捻じ曲げ、FAQでもあれほどしつこく例示して禁止した、旧来の慣習議決方法を残したためです。採決で理事10人のうち議長を除くということは、議長たる理事に0個、他の9人に10/9個(9人で10個ということ)の議決権を与えることになり、明らかに1人1個にならず、後に議長裁決やら再採決やらを付け足してもダメなのです。

もちろん、公法協のようなリッパな法人は「有能」な官僚がそんな隘路を避ける根回し、段取りをするでしょうが、コトは法人法の根本的な思想に関わる問題です。いくらザル法でも4人の理事会で1人が反対すれば否決、なんていう仕組みになっているはずはありません。
やはり、公法協の定款が違法、あるいは違法状態ではないでしょうか。それとも、私の誤解でしょうか。今度こそご回答をお願いいたします。
岩内 省
 

Re: 10人理事会、賛否5対4で否決?

投稿記事by 鈴木勝治 » 2015年8月21日(金) 18:18

岩内 省さんへ

 本件については、私(鈴木)宛のものではありませんが、フォーラムという性格から議論への参加者の一人として、一般論となりますが、私個人の意見を述べてみたいと思います。
 ただし、相当の長文になってしまい、このフォーラムへの掲載に必ずしも馴染まないこと、同様の質問が多いことなどから、一般の人の目により広く触れる場がよいであろうことを考え、弊協会ホームペイジの「お役立ち実務情報・解説」の欄に掲載することとしました。お手数ですが、そちらをご覧いただければ幸いです。
 なお結論のみを簡単に述べますと、理事会の議決にはいろいろありますが、 
① 法律で定められた議決要件の緩和となることは許されないこと。
② 会議体の参加者は平等であって、議長といえども複数票を保有することはできないこと
の二点に留意すれば各法人においてどの方式を選ぶかは全く法人自治で自由と考えられます。公益法人協会の定款もその考えに従って規定し、運用を行っていることを申し上げます。

 なお、本件の内容については、平成27年8月9日付で再度ご質問をいただいていますが、この回答でお答えに代えますのでご了承ください。
鈴木勝治
 


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