by 公法協相談員星田寛 » 2019年12月18日(水) 16:16
事務局初心者 様
メールありがとうございます。
多くの企業財団は母体の企業から財団運営のための資金の寄附を得ています。受け取る寄附金とは、条件等があればその内容次第ですが、原則として法人にとって対価・見返りのないものを指します。従って、法人との関係には利益相反は生じないものと考えます。ゆえに、基本的には受入れに際しては理事会の承認等の手続きは不要と思われます。
また、記載の後段についてですが、寄附者が寄附に際して条件として運用の制約(自社株を取得してその果実で活動する等)をかけた場合、その制約を明確にする寄付趣意書をもって確認し、その制約を受け入れる(指定正味財産とする)かは、定款等の定めにより理事会等で決議されるものと考えます。また、寄附者の意図が特にない場合には、法人にとって重要な財産・資金の適正な運用の定め(財産管理の責任者、運用の方法等)が定款等に規定されているでしょう(財産管理運用規程の制定をお勧めします)から、規定に従って理事会にて合理的運用を審議することになると考えます(法人に損害が生じれば理事会の職務として責任が問われます)。
なお、株式の議決権行使は重要な財産で有れば理事会決議事項と考えます。代表理事に一任することは社会的批判が生じる等の恐れがあると考えますので、議決に加われる理事による理事会承認を得ておくことが賢明と考えます。
以上 星田寛