by 脇から棒 » 2015年11月19日(木) 10:57
各位、
脇から失礼します。
これは、法人法の規定に基づいて原則以上に厳しい独自の定款・内規等を定め、それが実施困難になったとき法人法の原則に緩めてよいかという問題だと思います。他に害悪・損害を与えなければ、形式的に法律を順守するより、組織の維持・存続を図る方が優先するという考え方もありましょうが、やはり組織のガバナンス・コンプライアンスの面からは、明文化された規則は遵守すべきではないでしょうか。内規違反は、何もなければ監督官庁、登記所等で拒否されることは無いでしょうが、定款違反等を内部告発されたり、司法の場に出た場合は「負ける」と思います。
そうすると、太田さんの「特に規定がなければ互選」という安易なアドバイスは極めて疑問です。周知のように、もともと法人法には議長については何ら規定がありません。それを「みのん」さんの財団では、法人法の求めない余計な規則として「『理事会の議長は、代表理事がこれに当たる。』とだけ規定してい」るのです。ということは、議長については、これが唯一絶対のルールであり、当財団としてはこれを破ることはできません。「特に規定がな」いのではなく、汎用規定があるのです。誇りを持って自らを律するために設けた規範を、都合が悪くなったからといって、法人法に逃げ帰ることは法人の自殺です。
こういう主張が奇異に思えるなら、一つだけ納得類推いただける例をあげます。理事の定款定数が6の法人で2理事が死去、1理事が欠席して「開催」された理事会を考えます。これについて、「法人法65条1項の理事最低数3はクリアーしている、現理事4の過半数3出席で、うち2人が賛成すれば、同95条1項に適合して正当に有効決議できると」言ってもそれは通用せず、下手をすると登記所からのチクリで342条13号に該当するとして「百万円」の過料を請求されかねません。自分で「理事は6」と決めたら、法人法の「理事は3で可」に戻ることはできません。下位ルール優先です。署名は理事長と決めたら、95条3項の原則に戻って全理事がハンコを並べても、理事長1人の捺印を欠けば無効です。
ただ、実際の指針としては、「みのん」さんの財団のみならず、いずこも急な移行であらゆる事態が想定されていなかったというのが実情でしょう。然すれば、当面は内部関係者の了承を得て急場はしのぎ、お上の目こぼしを期待して(役所だって、下手に突っ込むと認可責任が問われる!)、定款以下規則の実態に即した改定をするという現実策を採るのが賢策だとは思います。