理事の議決権

理事の議決権

投稿記事by 岩内 省 » 2015年8月09日(日) 16:51

7月8日に「10人理事会、賛否5対4で否決?」と題して投稿した質問に1ヶ月経っても回答が無いので、同趣旨で再問します。

理事会決議について、定款で「①議長は理事長、②決議要件は議長を除く過半数、③可否同数の場合は議長裁決」としている財団の理事会の運営についてです。
理事長派6人、反理事長派4人の10人出席で開催された理事会で理事長提案を採決すると、賛成は議長=理事長を除く5、反対は4となります。出席10の過半数は6以上ですからいったん否決、しかも「可否同数」ではないので理事長の裁決は不可、最終的に否決されます。過半数の理事が賛成する議案が否決される! こんなことがあってよいのでしょうか?
これは上記定款規定が法人法の趣旨である「理事の議決権は1人1個」の大原則に違背するからではないでしょうか。
実は、多くの法人が模範としてまねた公法協の定款が、次のように、旧来の制度を引きずったものになっているのです。

〈公法協定款〉
第47条 理事会の議長は、理事長がこれに当たる。
第49条 理事会の決議は、……議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行い、可否同数のときは議長の裁決するところによる。
2 前項前段の場合において、議長は、理事会の決議に、理事として議決に加わることはできない。

このような規定が不可である根拠は内閣府が明確に断言しています。まず、『留意事項』のⅡ-8-(注)2(25ページ)で、

なお、理事の議決権の数は1人1個であり、「可否同数のときは、議長の決するところによる」とするような定款の定めを設けることにより、特定の理事のみ2個の議決権を与えることとなるような定款の定めは無効である

と明言し、さらに委細を尽くして『FAQ』Ⅰ-3-⑪の「別紙」6(54~55ページ)では、

仮に、当初の議決に議長が加わらないこととしている場合であっても、当初の議決において、議長たる理事を除く出席理事の過半数の賛成で決議が成立する旨を定めた場合には、一般社団・財団法人法に定められている決議要件を緩和するものとなり、無効であると考えられます

と、まさに公法協の定款を「無効」と断じているのです。(その理由を「決議要件を緩和する」からとしているのは役人の机上論のお慰み?)
役人でない公法協の現場担当者は、「賛成者の挙手を!」と言った理事長=議長が自分も手を挙げる不自然さをイメージしたか、理事長=議長を別格扱いして、法の要請しない余計ごとを付加してしまったのでしょう。
ルールはあくまで「決議は過半数」です。そして、当初採決では議長は議決権を留保し、可否同数、1票不足の場合におもむろに行使して裁決という運用をすればよいのです。
公法協だけの問題なら放っておけばよいのですが、信じて模倣した良心的な地方小法人のためには解決されたいものです。
以前、この件は公法協移行時に議論し尽くされて承認されていると、にべもなく却下されたことがありますが、10人中6人が賛成でも可決できないのはどうしても納得できません。さらに、理事長が反対派に議長職を譲れば6対3で可決するのはなお納得がいきません。私が、何か勘違いしているのでしょうか。
ご見解をご開陳ください。
岩内 省
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 鈴木勝治 » 2015年8月21日(金) 18:19

岩内 省さんへ

 本件については、私(鈴木)宛のものではありませんが、フォーラムという性格から議論への参加者の一人として、一般論となりますが、私個人の意見を述べてみたいと思います。
 ただし、相当の長文になってしまい、このフォーラムへの掲載に必ずしも馴染まないこと、同様の質問が多いことなどから、一般の人の目により広く触れる場がよいであろうことを考え、弊協会ホームペイジの「お役立ち実務情報・解説」の欄に掲載することとしました。お手数ですが、そちらをご覧いただければ幸いです。
 なお結論のみを簡単に述べますと、理事会の議決にはいろいろありますが、 
① 法律で定められた議決要件の緩和となることは許されないこと。
② 会議体の参加者は平等であって、議長といえども複数票を保有することはできないこと
の二点に留意すれば各法人においてどの方式を選ぶかは全く法人自治で自由と考えられます。公益法人協会の定款もその考えに従って規定し、運用を行っていることを申し上げます。

 なお、本件の内容については、平成27年8月9日付で再度ご質問をいただいていますが、この回答でお答えに代えますのでご了承ください。
鈴木勝治
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 岩内 » 2015年8月23日(日) 16:30

鈴木様、
お待ちしていたご回答、ありがとうございます。ホームページの論考も拝読しました。
問題の所在と対処策の説明には、取り立てて疑義を挟む点はございません。ただ、法人法の問題を論じるのに、「適用」「準用」は内部条文に従って正しく運用するのは許容されますが、法人法外の会社法(←たとえコピペでも独立実定法となった以上、依るべきではありません)等の「援用」には違和感を覚えますが……。
しかし、この長文の説明は、法人法で要求されていない「1回目は議長抜き」「アイコなら議長が決める」という旧来の方式を踏襲したため生じた問題へのつじつま合わせのように見えます。論考の「4.残された問題」の(1)で私の例示を再掲されていますが、こういうこと(賛成6、反対4の理事会で賛成派理事が議長になって採決すると結果は5対4で過半数6に届かず否決!)が起きるのは定款に余計な付け足しをしたために生じる事態です。法規どおり「決議は出席理事の過半数」とだけしておけば決して生じない事態です。もちろん定款に細則を決めるメリットもあり、決めないで生じるトラブルもあります。しかし、余計な規定を設けて、それによって紛糾をもたらすのは愚の骨頂だと思います。逆に、必要なのは、法規に規定がなく生ずる問題、例えば可否同数への対処等についての各法人の自治範囲でのルール作りですが、このテーマはここでは措きます。
そもそも今回の制度で新規に確定したのは「議決権は1人1個の厳守」、意味するところは議決権の平等性が、理念的にでなく、各採決の時点で具体的に実現することです。例えば、10人の理事会では全10票を10人が等しく1票を分有していれば正常ですが、当初採決で議長理事を外すと、議長理事が0票、他の9人が各々10/9=1.11…票となり、1人1票原理も平等性原理も破れてしまいます。それで、上記のような実態を反映しない歪んだ結果(議決要件の緩和でなく強化?)が出てしまうのです。
鈴木さんにしてみれば、公法協定款の起案者とのこと、苦心の文案を作出し、わからず屋の役人を折伏した苦労も思い起こせば、百パーセント熟知した愛着のある作品でしょうが、それに対する疑義は、ご本人の釈明は得たうえで、第三者の判定が必要ではないでしょうか。一般にこういう問題では、当人は精緻詳細に自説を補強しますが、そもそもの出発点に瑕疵があるということが多いものです。帝国憲法から旧民法まで歴史背景を辿ると鈴木説に至るのかもしれませんが、法人法しか読まない私から見ると、公法協定款は、法人法に書かれていない二つのことのうち、余計な議長の議決権留保を加えて執行部の不利益を導出し、可否同数の逼迫時の対処策を欠いたものと映ります。
本フォーラムの規定上第三者が積極的に介入するのは困難ですから、再度鈴木さんのご教示を仰ぎたいと思います。
岩内
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 鈴木 勝治 » 2015年8月28日(金) 13:31

岩内 省さんへ

 本件のご質問乃至はご意見に対して、私の考え方の何を聞かれているのかが必ずしもはっきりしていませんが、
私が理解した限りのことでお答えいたします。

1.まず議長が最初の議決権を留保することの是非ですが、明示的にしろ黙示的にしろ、それが認められることは
何度も申し上げています通り、各法人の自治の問題と考えています。
 この留保を認める限り、最初の議決において10人出席の例で、5:4では過半数に達しないので議決に至らない
というのは仕方のないことと思います。その代り可否同数の場合は議長採択で明示的に決められるので、そのメリットを
どう考えるかの問題であろうと思います。(私はこのメリットが大きいと考えています。)

2.ただ黙示的に(即ち定款に規定せずに)議長が議決権を留保していれば、上記1のいずれの場合も後出しじゃんけん的に
議決できるといわれています。但しこの場合そのルールを参加者全員が承知していないと、議長の権限が大きいこともあって
賛成派と反対派でトラブルのもとになると思います。従ってこれをどう解決するかの問題となります。
 岩内さんは各法人の自治範囲のルール作りの問題とされておりますのが、具体的にはどうするものでしょうか。
定款に規定せずに下位のルール乃至は運用でカバーするのは明示性乃至は客観性に欠けることもあり難しいように思います
(もっとも会社法の世界では、実務慣行として定着しているという意見を聞いたことがあります)。
定款に規定せずにあるいは定款の規定を行って、この問題が解決できるということであれば、ご教授ください。

3.なお、議長の議決権の留保を認めると他の人の議決権の重みが増して、一人一票原理も平等性原理も破れてしまいますと
書かれていますが、上記2記載の定款に規定しないで議長の留保を認める法人でもこのことは同じかと思います(もっとも黙示の
留保もしないで、最初から議長が裁決に参加すればこの問題は起きませんが、この場合可否同数のときはどう解決するのでしょうか。)

 以上私個人の考えを述べましたが、何度もいう通り全く私見であり、よりよい考えがあるならば改めるのに憚ることは全くありません。
また組織としての公益法人協会もいい考えであれば取り入れることになると思われます。

以上

By鈴木 勝治
鈴木 勝治
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 岩内 » 2015年9月01日(火) 14:37

鈴木様、
再度のご教示ありがとうございます。しかし、これほどずれたご回答をいただくとは予期しておりませんでした。その原因は私の質問の立脚点が伝わっていないからかもしれません。
改めて、とりあえず、次の条件で再々度のご教示をいただけませんでしょうか。そのうえで妥協点としての解答を得るのが賢策かと思います。
① メリット・デメリットでなく、合法・非合法で論じる。(可否同数を回避するメリット狙いだけなら旧来の委任方式で解決するが、これは明らかに非合法。)
② その拠るべき法は法人法とその下位法のみとし、他の法規からの類推をしない。(いかに会社法のコピペでも、あくまで独立した法人法に書いてある通りに解釈する。)
③ 法人法に書いてないことは、明示された制度改革の趣旨に即して是非を判断する。(次長の議決権について法文には何ら記していないので、理事の平等性に即して決める。)
④ 昔のことは忘れる。(実は、これが根本問題で、1人1個の議決権が優先する制度下で可否同数問題に拘泥するのは、なまじ旧制度の慣習に習熟していて、新法の主旨が消化不良だから?)

以上の観点からご回答の各項にコメントします。

1.賛成6、反対4の理事会で賛成の議長たる理事が加わらないと5:4で否決になるのは、無条件に1人1個の議決権を議長にも他の理事にも等しく認めないからです。議長理事0、他の9理事各1の議決権になり、1人1個原理違反の非合法であることは明らかです。それを可否同数の解決という「メリット」で規定するのは違法です。むしろ可否同数の呪文に縛られず、「可否同数のとき」でなく、「『決議不成立のとき』は議長が加わって再採決することができる」とでもしておけば、11人の5対5でも10人の5対4でも解決しますよ。決議成立メリットだけを追求するなら、必要悪として旧来の委任状方式がよかったのですが、新制度は代理も委任も不可とする全理事の平等責任を原則としたのです。
2.黙示的に議決権留保するのは不安、定款に明示すべきとの説、全く逆です。本人個人の意思で棄権、留保(暫時棄権)するのは合法ですが、規則で強制するのは違法です。定款で定めるか、下位の理事会運営規則で定めるかの問題ではありません。さらに、「留保せずに採決して可否同数ならどうするか」と疑義を呈しておいでですが、それは過半数未達ですから否決以外にありません。同数では「惜しい!!」、1票差でも「悔しい!」、2票差なら「残念」というだけのことです。後刻あるいは後日再採決するなり、それこそ各法人の自治と知恵で解決するしかありません。要は、法は1人1票の平等原理を至上とし、円滑な理事会運営を犠牲にしているのです。いいか悪いかではありません、ルールに則ってことに臨むしかないのです。

さて、公法協定款も鈴木論文も「可否同数」に拘泥して何とか可否同数を可決に持ち込もうとしているようですが、不可解なことです。法人法体系では、決議要件は過半数〔以上〕でしかありえません。野球の同点は差をつけた決着を要しますが、一般法人理事会の同点は即否決で百パーセント「解決」します。それをあえて二段階採決にして1回目で可否同数なら議長が出る・出ない、などとトラブルメイクするのは違法である前に邪道だと思います。

最後に、鈴木さんは先言によれば、公法協の定款作成に主導的役割を果たされた由、さすがに以前の太田さんの回答より格段に緻密で整合的であることには敬意を表します。しかし、いったん上記の①~④の観点に立って客観的に考えていただければ、最初留保しても可否同数で裁決すれば結果的に全員の平等な1人1票が実現するなどという回りくどい説明でなく、採決に際しては“常にその場で1人1票を実現する”規定の必要性をご理解いただけると思います。その際、現実の場面で、人事案件や予・決算が可否同数で紛糾する事態を想定して解決策を設けようというような余計なことは排除してください。

再々度のご教示をお待ちします。
岩内
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 匿名で申し訳ありません » 2015年9月02日(水) 10:40

議論に水を差して申し訳ありません。

現在議論されているものも含め、法の解釈論等について議論されているお題がいくつかありますが、
見解の相違で平行線をたどるなら、例えばこのQ&Aなら、
「こんな問題があるから、理事の人数設定には気を付けないと、時には大変なことになるかも知れませんね!」
くらいの結論でしめてしまってもよいのではないでしょうか?

もちろん法の整備のためには、専門家による議論も大切だと思いますし、議論自体を否定しているわけではありません。
また、法人法自体が成熟した法律でないことも、素人なりになんとなくわかります。
ただ、(私も含めて)多くの方がこのフォーラムに期待するところは、法令の解釈論等ではなく、あくまで日々の
法人の機関運営の悩みの解決ではないかと思います。

フォーラムの前提として、
*当協会の役員および相談室専門相談員の回答内容については、あくまで回答した者個人の知見による意見です。
*公式見解ではありませんので、最終的には質問・閲覧された方各自の責任においてご判断願います。
と記載もされています。

本気で公式見解を求める場合は、行政庁に照会すればいいですし、仮に法に関するトラブルが勃発すれば、
それなりの専門家のお世話になればいいことだと思います。

仮にここでのアドバイスに従った結果、行政庁から指摘されれば、それをフィードバックすれば良いだけだと思います。
公益法人協会さんは監督官庁ではないですし、絶対的なものではないですし・・・。(言い方悪くてスイマセン)
良くないことですが、行政庁によって判断が割れてしまうケースもありますし。

難解な法令解釈についての議論や法の不備に関する専門的な議論のために、その他大勢の日々の業務運営の悩みまで
埋もれてしまうのは、少し残念な気がしましたので、この場で書かせていただきました。
匿名で申し訳ありません
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 岩内 省 » 2015年9月14日(月) 10:29

鈴木さんからのご回答が遅延しておりますので、「匿名で申し訳ありません」さんからのご介入を受けて、一つだけ再問して問答を閉じたいと思います。しつこく「質問」として繰り返すのは、公法協の公開情報は事実として模範文例になっており、当フォーラムも回答は「個人の知見による意見」と限定しながら回答を肩書付きの協会員に限定しており、自由なフォーラムでなく無知な質問者に対する賢者の正解答となっているからです。旧制度下、委任状方式でごまかしていた「可否同数」の亡霊は是非とも排除されるべきと思うからです。

公法協定款には、次のようにあります。

第47条 理事会の議長は、理事長がこれに当たる。
第49条 理事会の決議は、……議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行い、『可否同数のときは議長の裁決するところによる』。
2 前項前段の場合において、議長は、理事会の決議に、理事として議決に加わることはできない。

(質問)この『 』の部分を、一般的に「過半数に達しないときは議長が議決に加わって再度採決することができる」あるいはより限定的に「可否同数又は過半数に1不足のときは議長が裁決することができる」とでも変更することはできませんか。
そうすると、可否同数に加えて1票不足の場合も議長裁決で可決に持ち込め、縷述の「議長を含め賛成6、反対4の理事会で5対4で否決」というような、あまりにもバカげた事態は回避され、1人1個原理も結果的に実現します。5対5の同点は勝てるのに5対4の優勢でも負けるのは、どう考えても正義に反します。
岩内 省
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 鈴木 勝治 » 2015年9月16日(水) 15:50

岩内 省さんへ

夏休みその他で回答が遅くなりましたが、9月1日付のご意見ならびに9月14日付のご意見に私の意見を申し上げます。

1.9月1日付のご意見について
 それぞれのご意見やご質問につきましては、私なりの意見や逆に質問がありますが、既に今迄のやりとりの中で申し上げた通りですので、
 ここで再説するのは平行線をたどる可能性があり、「匿名で申し訳ありません」のご指摘のように「法人の機関運営の悩みの解決」では
 必ずしもない可能性もありますので、控えさせていただきます。

2.9月14日付のご意見について
(1)「公法協の公開情報は事実として模範文例になっている」というのは過分の褒称と思いますが、内閣府のモデル定款と異なり、
 私共は民間の機関であり、その文例等は基本的には参考例として提供するものであり、採用するか否かはあくまで法人の自主的判断
 によるという線は崩せません。ただ、文例等を例示する限りにおいては、その根拠等は示す責任があり、これに関するご質問等については
 極力お答えしている心算です。

(2)ご質問の「可否同数のときは議長の裁決するところによる」を「過半数に達しないときは議長が議決に加わって再度採決することが
できる。」或いは「可否同数又は過半数に1不足のときは議長が議決することができる。」旨の規定にしたら如何かという点については、
以下のように考えます。

A.いずれの規定の場合でも議長は最初の議決に参加しない(=議決権を留保している)ことを前提としていると思われますが、
 このことを明示していないのは如何かと考えます。
 因みに岩内さんの考え方は、定款で最初からこのことを規定するのは非合法であり、本人個人の意思で棄権・留保するのは合法ですと
 9月1日付に書いておられますが、私自身はいずれも合法であり、定款ないしは規定に明示されたらと考えます。

B.Aに記したとおり、議長が明示にしろ或いは黙示にしろ最初の議決において議決権を留保しているとすると、岩内さんがかねてから
 ご指摘されている、議決権の比重が異なっているのは問題であるという点はどう考えたらよいでしょうか。私自身は最終的に議決権は
 平等の扱いになっていますので、この点について何の拘泥もありませんが、気になるところです(これについては
 「匿名で申し訳ありません」さんのいう「機関運営上の悩み」ではありませんので、ご回答は必要ではなく、ご放念して構いません。

C.ご提案の両案文とも過不足のない完全な表現かどうかについては如何かと思う点がない訳ではありませんが(※)、
 うまく表現できるならば、それによって実務的な悩みが解決される良い案と考えます。

(※)例えば
 ①前の案文については、「過半数に達しない」どのような場合でも「再度採決」するか、「可否同数または過半数に1不足」の場合に
 限定されるのが明確でない恨みがあると思います。

 ②後の案文については、場合が明確となりましたが、最初の議決に議長が参加していることが明確でないと、議長に2票の権利が
 あるようにみえますので、このことをより明示する必要があると思います。

以上
By 鈴木 勝治
鈴木 勝治
 

Re: 理事の議決権

投稿記事by 岩内 省 » 2015年9月17日(木) 16:20

鈴木様、

夏休み明けにご不快の質問をお目に掛けたこと、申し訳ありません。
問答は、行き違いと平行線で錯綜するばかりで不毛になっているようです。
いったんこの件についてのご回答は拒絶されて結構ですが、私の当初の質問趣旨を列記させていただきます。

1.法人法の趣旨は、①出席理事は平等に1人1個の議決権を以て理事会に臨み、②決議は過半数で成立するということです。議長であろうと議決権1は常に実現すべきです。また、可否同数は疑問の余地なく不成立です、法人運営に困ろうと何だろうと。
2.したがって「一回目」の採決で議長理事が議決権1の行使を禁じられるのは、違法に決まっています。それを、公法協の定款は一回目で可否決するなら議長の1票は無用、一回目可否同数なら議長の裁決により可否が決し、1人1個の議決権も実現するという論理で「可否同数」の隘路を脱しているらしいのです。
3.もっともらしいのですが、実際にシミュレートしてみると、賛成6・反対4、計10の理事会で賛成意思の議長を外して採決すると賛否5対4となり、優勢が「可否同数」以上のため議長の出番がなく不成立!となります。そんな馬鹿な?
4.法人法が求めていない二段階採決や可否同数への執着によって「一回目」に議長の議決権を否定(=「全理事平等に1人1個」を否定!)したための事態です。
5.そこで本来の「決議は過半数」に戻り、議長や可否同数への無用な配慮を破棄すれば問題は解消するのですが、議長を特別扱いする事情を斟酌して、「一回目」議長留保を認め、次善の提案をするなら、「可否同数」だけでなく「不成立」の場合一般にあるいは限定して議長の議決参加方式を採れば、少なくとも上記5対4否決の不条理は解消すると申し上げた次第です。

ところで私の粗提案に「①前の案文については、『過半数に達しない』どのような場合でも『再度採決』するか、『可否同数または過半数に1不足』の場合に限定されるのが明確でない恨みがあると思います」などと緻密な疑義を頂戴しておりますが、それこそ法人自治の範疇です。私の提案は細則を省いて「~することができる」型にしてありますが、実際にはその辺を定款でなく下位の内規で定めておくのが望ましいでしょう。すべて議長の職権にするもよし、再採決の是非を合意したうえで各理事の本意を促すもよし、必要悪として決算と代表人事に限定するもよし、いくらでも実施細則は考えられます。
とにかく法人法の求めていない余計なことを決めて、結果不自然な事態を惹起するよりは、不都合はあっても法の精神を順守することが肝要だと思います。
たとえ国の安全保障に具体的な不安と必要があっても、立憲法治主義を採る限り、憲法の禁じている法律を定めてはならず、まして安全平和のための法律のはずが紛争戦争の根拠になってはいけないのと同様です。アジアの諸小国が平和大国日本に模範を見るのと同様、公法協の規定に信を措いてコピペして安心している地方の中小法人が多いので、公法協の公開情報には真正が求められるのです。
岩内 省
 


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