7月8日に「10人理事会、賛否5対4で否決?」と題して投稿した質問に1ヶ月経っても回答が無いので、同趣旨で再問します。
理事会決議について、定款で「①議長は理事長、②決議要件は議長を除く過半数、③可否同数の場合は議長裁決」としている財団の理事会の運営についてです。
理事長派6人、反理事長派4人の10人出席で開催された理事会で理事長提案を採決すると、賛成は議長=理事長を除く5、反対は4となります。出席10の過半数は6以上ですからいったん否決、しかも「可否同数」ではないので理事長の裁決は不可、最終的に否決されます。過半数の理事が賛成する議案が否決される! こんなことがあってよいのでしょうか?
これは上記定款規定が法人法の趣旨である「理事の議決権は1人1個」の大原則に違背するからではないでしょうか。
実は、多くの法人が模範としてまねた公法協の定款が、次のように、旧来の制度を引きずったものになっているのです。
〈公法協定款〉
第47条 理事会の議長は、理事長がこれに当たる。
第49条 理事会の決議は、……議決に加わることのできる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行い、可否同数のときは議長の裁決するところによる。
2 前項前段の場合において、議長は、理事会の決議に、理事として議決に加わることはできない。
このような規定が不可である根拠は内閣府が明確に断言しています。まず、『留意事項』のⅡ-8-(注)2(25ページ)で、
なお、理事の議決権の数は1人1個であり、「可否同数のときは、議長の決するところによる」とするような定款の定めを設けることにより、特定の理事のみ2個の議決権を与えることとなるような定款の定めは無効である
と明言し、さらに委細を尽くして『FAQ』Ⅰ-3-⑪の「別紙」6(54~55ページ)では、
仮に、当初の議決に議長が加わらないこととしている場合であっても、当初の議決において、議長たる理事を除く出席理事の過半数の賛成で決議が成立する旨を定めた場合には、一般社団・財団法人法に定められている決議要件を緩和するものとなり、無効であると考えられます
と、まさに公法協の定款を「無効」と断じているのです。(その理由を「決議要件を緩和する」からとしているのは役人の机上論のお慰み?)
役人でない公法協の現場担当者は、「賛成者の挙手を!」と言った理事長=議長が自分も手を挙げる不自然さをイメージしたか、理事長=議長を別格扱いして、法の要請しない余計ごとを付加してしまったのでしょう。
ルールはあくまで「決議は過半数」です。そして、当初採決では議長は議決権を留保し、可否同数、1票不足の場合におもむろに行使して裁決という運用をすればよいのです。
公法協だけの問題なら放っておけばよいのですが、信じて模倣した良心的な地方小法人のためには解決されたいものです。
以前、この件は公法協移行時に議論し尽くされて承認されていると、にべもなく却下されたことがありますが、10人中6人が賛成でも可決できないのはどうしても納得できません。さらに、理事長が反対派に議長職を譲れば6対3で可決するのはなお納得がいきません。私が、何か勘違いしているのでしょうか。
ご見解をご開陳ください。