by ゲスト » 2015年1月27日(火) 17:03
師走英さんへ
ご質問は、法人法§129①について、「なぜ、定時総会承認後の計算書類ではなく、124条承認後の計算書類を備え置き対象とするか」
というとものでした。
これについては以下のように考えられます。
①社団法人を巡る利害関係者(ステークホルダー)のうち、社員に対しては、定時社員総会の招集の通知に際して、計算書類等を
提供しなければならないとされています(法人法§125)。
しかしながら債権者等のステークホルダーについては、事前にその情報を知る術がありません。そこで本条(§129)を置いて
定時社員総会で確定する前の計算書類等を備え置きの対象とし、広く知らしめようとしたものです。
②以上の趣旨は、一般法人法の立法担当者が執筆した「一問一答 公益法人関連三法」(商事法務2006年12月刊)90頁、144頁に
書かれています。
また、法人法のもとになっている会社法§442条に同種の規定があり、各種の会社法の解説本でも同様に書かれています(※)。
※例えば「会社法コメンタール10」(商事法務2011年10月刊)534頁~535頁。
by 鈴木 勝治