【第2 持分の定めのない法人に対する贈与税の取扱い】における理事会決議の規定について

【第2 持分の定めのない法人に対する贈与税の取扱い】における理事会決議の規定について

投稿記事by しん » 2014年11月14日(金) 20:41

【第2 持分の定めのない法人に対する贈与税の取扱い】には、理事会の決議に関して「理事会の決議は、次の(ヘ)に該当する場合を除き、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の決議を必要とすること」とあります(下記参照)。
 ところで、内閣府モデル定款では、「(決議)第31条 理事会の決議は、決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う」とあります。
 この二つを合体させて、定款の案を作ると、珍妙なことになります。

 つまり、「理事会の決議は、決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、理事総数(理事現在数)の過半数をもって行う」となりますが、次のようなあり得ない例が出てくるのです。

 理事現在数10人、利害関係者2人、出席要件は(10-2)÷2=4人なので、4人超の5人。
 しかし、決議要件は、10÷2=5人なので、5人超の6人。
 つまり、出席要件を満たしていて、その出席者が全員賛成しても、決議要件が満たせないのです。

 ここで、解決策は2つあると思います。

1.贈与税関係の規定も、書いてはいないが、利害関係者は除くことが前提なので、「理事会の決議は、決議について特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、特別の利害関係を有する理事を除く理事総数(理事現在数)の過半数をもって行う」と、定款の案で規定する。

2.贈与税関係の規定は、出席要件はもとより問うておらず、決議要件として「理事会の決議は、次の(ヘ)に該当する場合を除き、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の決議を必要とすること」しか決めていないので、そのまま定款の案で規定する(出席要件は書かない)。

 しかし、どちらもしっくりきません。
 どのように理解し、また定款で決めたらよいのでしょうか、御教示のほど、よろしくお願い致します。

【以下抜粋】
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/080725/02.htm
ロ 一般財団法人 (イ) 理事の定数は6人以上、監事の定数は2人以上、評議員の定数は6人以上であること。
(ロ) 評議員の定数は、理事の定数と同数以上であること。
(ハ) 評議員の選任は、例えば、評議員の選任のために設置された委員会の議決により選任されるなどその地位にあることが適当と認められる者が公正に選任されること。
(ニ) 理事会の決議は、次の(ヘ)に該当する場合を除き、理事会において理事総数(理事現在数)の過半数の決議を必要とすること。
(ホ) 評議員会の決議は、法令に別段の定めがある場合を除き、評議員会において評議員総数(評議員現在数)の過半数の決議を必要とすること。
(ヘ) 次に掲げるC及びD以外の事項の決議は、評議員会の決議を必要とすること。
 この場合において次のE及びF(事業の一部の譲渡を除く。)以外の事項については、あらかじめ理事会における理事総数(理事現在数)の3分の2以上の決議を必要とすること。
 なお、贈与等に係る財産が贈与等をした者又はその者の親族が会社役員となっている会社の株式又は出資である場合には、その株式又は出資に係る議決権の行使に当たっては、あらかじめ理事会において理事総数(理事現在数)の3分の2以上の承認を得ることを必要とすること。 A 収支予算(事業計画を含む。)
B 決算
C 重要な財産の処分及び譲受け
D 借入金(その事業年度内の収入をもって償還する短期の借入金を除く。)その他新たな義務の負担及び権利の放棄
E 定款の変更
F 合併、事業の全部又は一部の譲渡

(注) 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第153条第1項第7号((定款の記載又は記録事項))に規定する会計監査人設置一般財団法人で、同法第199条の規定において読み替えて準用する同法第127条の規定により同法第126条第2項の規定の適用がない場合にあっては、上記ロ(ヘ)のBの決算について、評議員会の決議を要しないことに留意する。

(ト) 役員等には、その地位にあることのみに基づき給与等を支給しないこと。
(チ) 監事には、理事(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)及び評議員(その親族その他特殊の関係がある者を含む。)並びにその法人の職員が含まれてはならないこと。また、監事は、相互に親族その他特殊の関係を有しないこと。
しん
 

Re: 【第2 持分の定めのない法人に対する贈与税の取扱い】における理事会決議の規定について

投稿記事by 太田達男 » 2014年12月04日(木) 10:13

しん さん、
本通達は、非営利法人に対する生前贈与又は遺贈による租税回避行為を規制するための国税通達ですが、公益法人等がそのような財産寄附を受ける可能性があるならば、本通達にも則した定款規定が必要となります。
その場合①内閣府は一般法人法に準拠し、利益相反などで議決に参加できない者があり得ることを前提としている、国税庁は議決に参加できないものの存在を考慮していないことから、前者は決議要件を「参加できない者を除く過半数」とし国税は「理事総数の過半数」とする②内閣府は理事会の成立要件を定め国税はそれを規定していない、という2点でご指摘のような微妙な違いを招来するということができます。
そこでこの両者を満足する「解」はなにかというと、A利害関係者等が議決に参加できないことは一般法上強行法規(法人法95②)、B「理事総数の過半数とする」という決議要件は税制上の要件(とするのにはやや疑問がありますが、その点はここでは置きます)であり、このAとBを満足する規定を設ければよいということになります。上記の②の成立要件はもともと一般法には規定がなく、AとBさえ満足すれば、②の規定はなくても何ら問題はないということになります。非営利法人の長年の慣習で成立要件をどうしても規定したいというのであれば規定してもよいのですが、その場合はお示しのような「珍妙な」結果が出る場合も想定されますが、その場合は決議できなかったという結果になります。私は必ずしもそのような結果が「珍妙」とは思いません。
太田達男
 

Re: 【第2 持分の定めのない法人に対する贈与税の取扱い】における理事会決議の規定について

投稿記事by しん » 2014年12月08日(月) 04:07

太田さま
 明確な御回答ありがとうございます。
 数式に例えれば、「解なし」も、答えの一つであり、珍妙ではないわけですね。
 なるほど、仮に決議したければ、利害関係者を除いたもので決議して、なお、理事総数の過半数をクリアすべく、例えば、欠席者が無い状態で開催できるよう、事前に日程調整等を行えばよいわけですね。
 自分なりに、理解できました。
 ありがとうございました。
しん
しん
 


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