みなし決議の期限、同意者等

みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 小田原評定員 » 2014年9月16日(火) 11:56

財団の定時評議員会をみなし理事会決議で招集し、併せて基本財産の運用等の諸案件をみなし決議しようと思います。なお、実際には決算処理のために定時評議員会の期日は決まっており、別途開催準備、通知を進めており、評議員は全員出席するものとします。
無事に評議員会招集期限(129条流用の決算開示条件で2週間前)までに全役員の同意書等がそろえばよいのですが、間に合わなかった場合の対処法について思案しております。法人法では、同意の要件、期限、方法について特に定めがないため、以下のような疑問が解決できません。ご教示いただければ幸いです。
1.評議員会期日前にみなし決議が成立する場合: 2週間前に決算書を送付してあるので、1週間前(182条)までに同意書等がそろえば問題なく開催できるか。さらに、開催日直前にそろえば、その時点で瑕疵の治癒が実現して評議員会は有効になるか。
2.評議員会開催後にみなし決議が成立する場合: ①事後であっても一般的な事後承認決議同様瑕疵の治癒が認められ、評議員会は有効か。少なくとも、評議員会開催以外の諸決議は有効か。②評議員会後には役員が交代しているが、同意すべき役員は評議員会終結の時前の者か、あるいは時後の新役員か、それとも新旧役員全員か。
3.みなし決議不調への備え: みなし決議提案と並行して、全評議員に開催同意書を配布して183条適用による不招集開催手続きをしておくことは、二重手続きになるが、許容されるか。
考えるほどに複雑になりますが、よろしくご指導をお願いします。
小田原評定員
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 公益法人協会 岡部 亮 » 2014年9月25日(木) 14:19

小田原評定員  様

複雑なご質問ですし、ご判断の土台としておられる事項のいくつかを誤解しておられるように思います。今回はこの誤解を指摘させていただくにとどめます。さらにケースわけもあるかもしれませんし、文書回答しきれませんので、当協会の電話相談を利用いただければと存じます。
①法人法129条にて開示すべき計算書類等は理事会の承認を受けたものです。この理事会承認を(定款の定めにしたがって)みなし決議ですることはできます。
②法人法181条の評議員会の招集の理事会決定をみなし決議ですることはできますが、評議員会の招集の通知はこの決定があってからでないとできません。「瑕疵の治癒」ができるかどうかはよくわかりません。申し訳ございませんが弁護士先生にご照会ください。
③法人法183条の評議員会の招集手続きの省略は招集通知の省略ができるだけで(「前条の規定にかかわらずーー」とあります)、これも招集の決定にかかる理事会のみなし決議が成立していることが前提になります。
公益法人協会 岡部 亮
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 小田原評定員 » 2014年10月01日(水) 10:15

岡部様、
ご教示ありがとうございます。
私の勉強したこととはだいぶずれていて、改めて考えなおさねばなりません。特に、183条の規定は、緊急時に最低限の組織防衛のために評議員会が理事会執行部の対応を待たずに最高決議機関としての機能を発揮するための根拠だと思っていました。ご教示のように、183条でできることは招集通知の省略だけとすれば、通信費(切手代)が節約できるだけ、という全く意味のないことになりますが、本当でしょうか。また、招集通知を省略して、どうやって開催日が伝わるのですか。開催日を伝えれば、それはもう招集通知です。
さて、当財団は一般財団なので、財務について役所の規制や報告はありませんから、登記さえできれば実際の問題は発生しません。
そうすると、理事会の決議があったか否かは登記所が問うところではありませんから、理事会の関与なく、実際に評議員全員の同意により評議員会を開催し、人事決議をして議事録を作成すれば、咎めなく役員等変更登記は受理されると思いますが、いかがでしょうか。
小田原評定員
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 小田原評定員 » 2014年12月03日(水) 15:13

関係者様、
ご回答がいただけなかったのは、岡部様が退職されてしまったのですね。この質問について、どうしても理解できないことのみ、どなたかにご教示いただきたく、一点のみ再質問します。

それは法人法183条の 「前条の規定にかかわらず、評議員会は、評議員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる」 の意味です。岡部様のご説では「『前条にかかわらず』とあるので、省略できるのは前条に規定された招集通知だけで、招集の決定、議題等は理事会決議を要する」ということです。これは明らかに条文の誤読・誤解ではありませんか。素直に読めば、まず182条を無視して、そのうえで評議員全員の同意により他の何物にも制約されず独自に開会、決議できる、という意味です。
評議員会の最終決定権を担保する権能の所在は役員の選・解任権にあり、選任は定期的にありますが、随時解任できることが根本だと思います。それを、ある理事を解任しようとするとき、まず理事会の決議を待って、というのでは、評議員会の固有の権限に理事会が事前介入することになり、法の趣旨に反します。
さらに、招集手続きの省略が「招集通知の省略だけ」とは具体的にどういうことでしょうか。議題は決めたが通知もしないのに、なぜかある日ある所にすべての評議員が集まるのですか。
これはやはり、法人の緊急・深刻事態に際しては、最終支配機関の評議員会が議題だ、議案だ、何日前通知だ、……に関わらず、独自に組織防衛ができることを保証していると理解しないと、183条なんて全く使えない空文になってしまいます。
小田原評定員
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 太田達男 » 2014年12月08日(月) 17:23

小田原評定員さん、
岡部が10月末日をもって退任しました。ご迷惑をおかけしますが、残った相談員及び常勤役員で対応しますのでどうかよろしくお願いします。
さて、重ねてご質問の法人法第183条の解釈ですが私も岡部同様に「前条の規定にかかわらず」とありますから、182条の招集手続きを省略できる場合を規定しており、181条の招集の決定自体は理事会の決議が必要と考えます。
お気持ちとしては、評議員会は最高の意思決定機関であり、役員の選・解任権も有しているにもかかわらず、理事会の決定がないと日時・場所・目的事項など肝心なことが決まらないというのでは、最高の意思決定機関であるという法の趣旨を逸脱しているとお考えのようですが、そこは第180条1項と2項で、ある程度自律的な開催ができるよう手当をしています。また法の趣旨としても、評議員会の招集権限は理事会にあるとの大前提(第179条3項)で構築されており、あながち181条の手続きを183条による召集の場合でも経なければならないという解釈が法を逸脱しているとは思えません。
183条はあくまでも1週間前の招集期限や書面又は電磁的方法という伝達手段を、評議員全員の同意があればとらなくてもよいということにとどまります。
太田達男
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 岩内 省 » 2014年12月09日(火) 15:31

しぼって、再質問します。
183条が省略可としているのは、182条の内容だけというご理解についてです。
182条で規定しているのは、評議員会の通知方法(1項で郵便等、2項でメール等)ですが、これだけを省略する、つまり通知を出さないで、いったいどのようにして評議員が集まって来るんですか? テレパシーとか以心伝心ですか?
182条は、事前の招集手続きを包括的に省略可能にしていると理解しないと、全く使えないでしょう。
岩内 省
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 太田達男 » 2014年12月16日(火) 07:39

岩内省さん、
いつもご質問ご意見いただき有難うございます。以下お答えします。
「183条が省略可としているのは、182条の内容だけ」という理解に変わりありません。
182条には1項から3項まであり、決して書面通知と電磁的方法による通知だけを定めているものではありません。
182条には「1週間前」という期限(第1項)「電磁的方法による場合は政令で定めるところによる評議員の承諾」(第2項)、「通知に記載・記録すべき事項」(第3項)も規定されています。そして電磁的方法に関しては、政令(第1条)及び規則97条は細かくその要件・手続きを定めています。
183条ではそれらを含むすべての182条の手続きを経ることなく評議員全員の承諾があれば評議員会を招集することができる規定です。
ここまで申し上げれば、この183条は重要な意味を持っていることがお分かり頂けると思います。郵便、メール以外でどんな伝達手段があるのかという次元の問題ではありません。
太田達男
 

Re: みなし決議の期限、同意者等

投稿記事by 岩内 省 » 2014年12月16日(火) 16:26

太田様、
郵便かメールかでなく、1週間前という招集期限も外せるありがたい決まりだということですが、1週間前に通知もできないようなひどい法人で、外部にいる評議員全員が1週間未満で合意を形成できるとは思いませんが、そういう規定だというのであれば仕方ありません。
ただ、法人法176条には、

「理事又は監事が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって、その理事又は監事を解任することができる。
一  職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
二  心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 」

とあり、この独立した役員解任権こそ評議員会の理事会・法人支配のカギだと思っていたのですが、このいかにも評議員会の独立権限を担保するような規定も、実は理事会側の発議が無ければ使えないということですね。上に例示された「心身の故障」をきたした理事(耄碌理事い?)なんて普通は同僚理事が勧告して辞表を書かせて済むでしょう。そんな自浄機能さえ失った腐敗理事会にお灸をすえるのが評議員会なのに、そのためには腐った理事会が身内の被告の処分をするよう弾劾裁判所(評議員会)に告発しなければいけないということですね。
漢字検定協会に鑑みて、理事会の専横を抑止するために評議員会を上位に置いた筈の機関設計原理は実は骨抜きだったということでしょうか。

183条を活用した法人様の事例を伺いたいものです。
岩内 省
 


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