by 公益法人協会 岡部 亮 » 2014年8月19日(火) 09:23
移行「専務」 様
理事会開催の場合の定足数を充足するかどうかと、決議が成立するための要件(法人法95)は別物です。定足数については法人法上は規定がなく、定款で定めている場合のみ、定款の効力として順守しなければならないことになります。
また理事会を開催するには全理事、監事に招集通知を発しなければなりません(法人法93)。
これに対し議決要件は、理事会が適正に開催されているときに個別の議案ごとに判定します。ご質問のことを付議するときに議長が「議決に加わることができる理事」を確認し、過半数が出席していればその議案についても出席要件をクリアしますので、審議のうえ議決をとり、 「議決に加わることができる理事」の過半数の賛成があるかどうかを確認することとなります。その意味では一般法人であれば、「議決権を欠くと推定される理事にも機械的に提案し、全員の同意書を綴じ込んでおく方が事務方としては安心ではないか」ということでよいかと思います。ただし公益法人の場合コンプライアンスにかかる姿勢を疑われる可能性もあります。
と思った次第です。
14年8月15日(金) 10:53»
岡部様、
ご懇切なご教示ありがとうございます。
しかし、実際に手続きをしてみると新たな疑問が生じましたので追加質問いたします。
お説によると、理事としての事務局長が自ら提案して自ら唯一の議決権保持者として同意・賛成して決議成立ということになります。他の理事は無用、みなし決議の担保としてのみ監事が必要ということになります。
実際に会議を開催するカタチにする場合は、議事が成立するために事務局長以外のもう1人の理事が必要で、指名するわけにはいかないので全理事、それと決議には必要なくとも出席要請が必要な監事、結局全役員に招集通知を発することになります。
みなし決議の場合は、自身と監事以外には提案書を発出する必要が無いのでしょうか。個別役員に対しては当財団として公式に議決権の有無を承知しているわけではなく、またみなし決議の場合提案から全員の同意まで相当期間があるため、その間に議決権の発生(たとえば先方の役員辞任)、消滅(前項の逆)等の異動があり得ます。したがって、全員に提案して、本人の責任で議決権の有無を踏まえて同意書を提出、破棄していただく方が確実ではないかと思います。しかし、そうすると、今度は相反利益や特別利害に詳しくない理事が、保険の意味で余計な同意書を提出する恐れがあります。そのような同意書も、後日の問題発生に備えて保管せず、不要文書として破棄してしまってよいのでしょうか。
そういう意味で、議決権を欠くと推定される理事にも機械的に提案し、全員の同意書を綴じ込んでおく方が事務方としては安心ではないかと思った次第です。