4月24日に理事会・評議員会の同日開催について追加質問しましたが、ご回答が得られませんので、改めて新規質問いたします。
例えば「震災支援法」で「仮設住宅の入居期間は地震発生日から2年間とする」を今次熊本地震に適用した場合、入居期間は平成30年4月14日に終了することは確定しますが、入居日は確定しません、よほど予知能力がない限り震災当日に仮設が間に合っているはずはありませんから。したがって、丸2年入居する人は皆無でしょう。
同様に、法人法97条で議事録の備え置き期間を「理事会の日から十年間」とする「理事会の日」とは10年後の日付を決定するための算定基準日に過ぎず、理事会当日に議事録を作成・開示する必要はありません(現に公法協でさえ登記が絡まない議事録の作成には1ヶ月もかけています)。したがって、議事録も丸10年備え置かれることは稀です。
然すれば、129条で決算書備え置き期間を「定時社員総会(評議員会)の日の二週間前の日から五年間」としている「二週間前の日」とは、丸5年後の備え置き解除日を正確に算出する計算起点日に過ぎず、2週間備え置かないと評議員会が開けないということではなくなるはずです。公法協が、形式的議事録の文面確定に1月も費やしているのに比すれば、決算書の数値には念には念を入れ評議員会直前までチェックを入れ、仮にミスがあれば訂正版を配布して正確な審議をするのが当然ではないでしょうか。もちろん評議員会でまっとうな議論をするためには理事と同時期に決算の事務部案が作成された時点で速やかに送達する等の配慮が必要なことは言うまでもありません。2週間前「から」を誤解してこだわると、早々に理事会承認した決算を評議員会開催日の2週間前の日まで秘匿するような馬鹿げたことが起こります。2週間前を計算始点と理解すれば氷解することです。
さらに、件の66条で理事の任期について「選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」としている「選任日」は任期満了の時を決定する基準日に過ぎないという理解も、ようやく定着しました。選任日=就任日とは限らず、就任承諾をしなければ任期はそれだけ短縮し、年度末3月に選任すると任期は半減するという不自然も現法人法を順守するなら受容するしかありません。
事案によって「00から」が実質起点であったり、終了日の算出起点であったりしては法の解釈が恣意的になります。理事会当日の議事録作成が不可能なら「から」は開始時でなく終了時を算出する起点を示すだけと統一理解すべきでしょう。
評議員会まで2週間くらいは開示期間があったほうがよかろうという趣旨と、理・評間隔は2週間絶対必要という法的要請は別です。
以上で129条関係はクリアできると思います。しかし、招集手続きに関して、総会(評議員会)招集通知への理事会承認決算書添付を義務づけた125条の制約が残ります。理事会後でなければ招集ができない、つまり同日開催は無理だということです。これは、40条(183条)の招集手続きの省略を運用すれば、招集通知自体がなくなり、資料添付もなくなります。さらに、36条(179条)の趣旨を汲んで毎年度「第3月曜日に開催する」という形の内規を設けて全評議員の了承を取り付けておけばより確実でしょう。
このように考えれば、理・評同日開催は、運営規則を整えることに由って、合法的に可能です。内閣府等の旧慣にこだわった解釈などに捉われず、同日でも許容されている登記所の実態等も踏まえて、理・評同日開催の一般的手順を示していただきたいと切に願います。